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出産後

23.もし、性別が逆だったら

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世の中には、性別が逆のケースもあると思う。
種を保存したい衝動にかられるのが、男性側のケースだ。

もし、私が男性側だったら、どうだっただろう。

子供の夜泣きがある間に、嫌がる妻としたがるのは、わがままだと思う。
それは、我慢すべきだ。
特に、授乳中に嫌がる妻としたがる男性は、切腹ものだと思う。
それくらいに辛い。

子供が可愛すぎるので、辛さは伝わりにくいかもしれない。

夜中に大音量で鳴り続ける目覚まし時計を、抱きしめ続けなければならず、それがいつ止まるかも分からない、という状態を想像してみてほしい。

授乳中は、その拘束時間に何十分も授乳時間が加わる。

いつ鳴るかも分からないその目覚まし時計に起こされ続けて、抱きしめ続けている合間に、セックスまでしなければならないとなると、過労で倒れてしまう。

妊娠中も、私は無理だ。
大事な我が子の聖域に、異物は入れたくない。
だから、男性にも妻が嫌がるなら我慢してほしいと思う。

その期間を除いて、私が男性側だったなら、どうしていただろうか。

今までの経験を持ったまま、妻に拒否される強い性欲の夫に、いきなり転生でもしたのなら。

まずは、自分の気持ちを言うだろう。
あなたを、愛していると。
だから、したいと。

そして、なぜ嫌なのか聞くはずだ。
自分を気づかって、本音を言えないかもしれないから、言いやすいように、うながすと思う。

老けた自分に、魅力を感じなくなった?
加齢臭でもただようようになった?
自分への不満や恨みがあって、愛はもう消滅した?
無意識に言ってしまった言葉や、態度に幻滅して、人間として尊敬できなくなった?
素敵な男性にでも出会って、自分の夫に改めてがっかりでもした?

自分に駄目なところがあれば、言ってほしい。
改善するから。

そう、聞いてみる。
言いたくないことを言わせるには、それを受け止める覚悟があることを、伝えないといけない。

お互いの本音が分かって、やっと進むことができるから。

その結果、望む未来には辿り着けないとはっきり分かったのだとしても。
それでも、前には進める。
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