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2つ買う母
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母が私の物を買ってくれる時、なぜかなんでも母は2つ買うのだ。私は1人しかいないのに。
誰の分なんだろうな?
なかなかそれを聞けなかった。
今日も母はチョコレートを2つ買って、1つを、私にくれた。
それ、誰の分?
ある日空き部屋を開けたら、物が洪水のように襲ってきた。
私は物に飲まれながらその1つ1つを見た。
それは私が買ってもらった物ばかりだった。
買ってもらった時の風景が次々と、そして鮮やかに甦った。
風景はどんどん私に積もって、私は潰されてしまった。
「あらあら」
母は廊下に溢れ出た物々を空き部屋に押し戻した。
もちろん、潰れた私も一緒だった。
母はそのあと、1つだけ物を買った。
それは新しい家だった。
潰れた私がいる家は
これで2つになった。
「私」
それは私だけの言葉ではない。
誰の分なんだろうな?
なかなかそれを聞けなかった。
今日も母はチョコレートを2つ買って、1つを、私にくれた。
それ、誰の分?
ある日空き部屋を開けたら、物が洪水のように襲ってきた。
私は物に飲まれながらその1つ1つを見た。
それは私が買ってもらった物ばかりだった。
買ってもらった時の風景が次々と、そして鮮やかに甦った。
風景はどんどん私に積もって、私は潰されてしまった。
「あらあら」
母は廊下に溢れ出た物々を空き部屋に押し戻した。
もちろん、潰れた私も一緒だった。
母はそのあと、1つだけ物を買った。
それは新しい家だった。
潰れた私がいる家は
これで2つになった。
「私」
それは私だけの言葉ではない。
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