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続き5
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そういえばこの商店街、よく考えてみたら自分たちお金の姿がない。売っているものはみんな盗まれるし、盗まれたらまた補充される。それだってきっとまた盗まれるんだろう。盗んでばかりだからお金の出る幕がない。う~ん。
金貨は銀貨に聞いてみた。
「ところでさ、補充されてる品物はどうやって手に入れてるの?」
金貨の質問に銀貨はそんなの決まってるじゃないかという口調で
「盗むに決まってるだろ?」
と言った。
「じゃあそれはどこから盗むの?」
金貨はまた聞いた。
「他の国からさ」
銀貨はそう言う。
「他の国って、僕がいたような?」
「そうさ、俺だって他の国から来たんだ」
そういえばお互い、どこの国にいたかをまだ話していなかった。今さらながらお互いの体に刻んであるお金の単位を見たら違う単位だった。
「ここは泥棒の国なんだ。だから国を挙げて泥棒の訓練をしているのさ。この市場はその訓練場所なんだ。おかしなもんでさ、国民みんなが泥棒なら、その国には泥棒がいないってことになるんだ」
急に銀貨が言った言葉の意味が金貨には分からなかった。
「え?それどういうこと?」
金貨が聞くと銀貨は
「そこがこの国が善い国か悪い国か悩むポイントなんだよ。つまりな?」
銀貨は自分でもよく分からないという顔をしながら話を続ける。
「ここで盗まれた物は盗んだ奴の食料になったり衣料になったりする。それでみんな生きてるわけだ。この国の中ではみんなが盗み合いして生きてるもんだから、これって愛し合ってるとおんなじことになってしまってるんだ、分かるか?俺もよく分かんないからもう少し砕いて言うぞ。泥棒をみんながやってしまう、みんながやってしまうってことはみんな悪い奴になる。みんな悪くなってしまえば悪いって基準がなくなってしまうんだ。だって善い奴がいるから悪い奴がいるんだろ?するとさ?泥棒って言葉の意味もなくなってしまうんだ。だって泥棒って悪い奴だろ?悪い奴はどこにもいないんだもん」
と言いながら銀貨は宙を見ながら俺も分かんないやって顔になっていた。
金貨は銀貨に聞いてみた。
「ところでさ、補充されてる品物はどうやって手に入れてるの?」
金貨の質問に銀貨はそんなの決まってるじゃないかという口調で
「盗むに決まってるだろ?」
と言った。
「じゃあそれはどこから盗むの?」
金貨はまた聞いた。
「他の国からさ」
銀貨はそう言う。
「他の国って、僕がいたような?」
「そうさ、俺だって他の国から来たんだ」
そういえばお互い、どこの国にいたかをまだ話していなかった。今さらながらお互いの体に刻んであるお金の単位を見たら違う単位だった。
「ここは泥棒の国なんだ。だから国を挙げて泥棒の訓練をしているのさ。この市場はその訓練場所なんだ。おかしなもんでさ、国民みんなが泥棒なら、その国には泥棒がいないってことになるんだ」
急に銀貨が言った言葉の意味が金貨には分からなかった。
「え?それどういうこと?」
金貨が聞くと銀貨は
「そこがこの国が善い国か悪い国か悩むポイントなんだよ。つまりな?」
銀貨は自分でもよく分からないという顔をしながら話を続ける。
「ここで盗まれた物は盗んだ奴の食料になったり衣料になったりする。それでみんな生きてるわけだ。この国の中ではみんなが盗み合いして生きてるもんだから、これって愛し合ってるとおんなじことになってしまってるんだ、分かるか?俺もよく分かんないからもう少し砕いて言うぞ。泥棒をみんながやってしまう、みんながやってしまうってことはみんな悪い奴になる。みんな悪くなってしまえば悪いって基準がなくなってしまうんだ。だって善い奴がいるから悪い奴がいるんだろ?するとさ?泥棒って言葉の意味もなくなってしまうんだ。だって泥棒って悪い奴だろ?悪い奴はどこにもいないんだもん」
と言いながら銀貨は宙を見ながら俺も分かんないやって顔になっていた。
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