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イサナミ自治区

雪のカケラ#7

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────コウメイ=アベノ(ヒューマノイド、テレーヴェ共和国 エリノア大学付属研究所 、学者)


 イサナミか……一番やばい連中じゃないか。

 おかしなことしたら、ミンチにされちゃうよ。
 本当に生き残れる方法提供してくれるの?

 急いで、ヤニの消臭剤を合成しなきゃ。

 って、女の子、着替えだしちゃったよ。
 未成年っていっても思春期すぎてるよね?
 イサナミって気にしないの?

 ってあれ? 男の子? 女装してたのか……。
 あー、ゴロツキ集めて、みんな殺しちゃったのか。
 たしかにあの容姿なら、大量に集められるよな。

 しかし、男の子かー、ちょっと残念だ。
 女の子だったら将来楽しみだったのにな。

 って、キサ=カザマが僕の部屋にきてるよ。今更だけとまじで美人だ。
 そういえば、近くの都市で、流水りゅうすいの公演があったよな。
 大学の掲示板にポスターがデカデカとはってあった。
 てことは、その帰りか。

 この子を、回収して帰るつもりだったのだろう。
 僕、運が悪かったんだな。
 命の心配がなければ、最高だったろうに。
 ほんと、僕どうなっちゃうの?


「あの、こんな感じで、いかがでしょう? もう臭わないとおもいますけど?」

 少年が口を開いた。
「うん。悪くないね。姉さん、布団どうしよっか?
 お兄さんの布団じゃやだよね」

「適当に、買って来る、おとなしくまってて」

「わかったー」

 キサ=カザマが部屋を出ていった。

 少年は僕の財布や身分証を調べていた。
安部乃アベノ 高明コウメイか、その割には、お金に苦労してるよね」
 ほっとけ!

「コウメイってよんであげよう、なんとなく頭良さそーな感じがするね。よかったね」

「……。は、はい。ありがとう」

「僕は、明智アケチ 雪片ユキヒラ

「ええええ? あの有名な清鳴シンメイ?
 総帥のご長男ですか? こんな若かったのかー
 え!?」

 胸ぐらを掴まれたかと思うと、壁に投げつけられた。

「ぅぅぅう……」

「今度、清鳴シンメイの名を出したら、殺す!」
 すごく怖い表情してる。
 なにこの子、清鳴シンメイってすごい称号じゃないの?
 わけわかんない。


 
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