109 / 259
デザート・ストーム
ギブリ#1
しおりを挟む
────ミヅキ(アシダカ種、ルーノ族、ニダヴェリール宮廷正室付き特務武官)
体格が大きくて血なまぐさいロデリク族の元での指導任務がようやく終わりました。
指導を任されたはずなのに、なぜか族長のウルさんに気に入られてしまい、ウルさんの訓練の相手ばかりさせられていました。
ロデリク族は、最初は怖い印象でしたが、明るく温かい方達でしたので、すこしだけ安心できました。
ルナディアさんとルカティアさんが一緒だったのはとても心強かったです。
傭兵団の皆さんは、ロデリク族の皆さんといっしょにずっと大騒ぎして楽しんでいました。
宮廷に戻り、ルフィリアさんに報告したあと、ユキリンの部屋によりました。
なぜかユキリンは私を見た瞬間、一瞬身構えました。
私だと気づいて、すぐに抱きついて来ましたが、ユキリンの話では、すごい殺気で、殺されるかと思ったそうです。
ちょっとショックでした。
私は、ロデリク族に染まってしまったのでしょうか?
でも、その夜はユキリンとゆっくり過ごすことができほっとしました。
アシダカ種の指導任務もすでに引き継ぎ済みなので、しばらくはククリさんのお側付きとして落ち着けそうです。
ようやくククリさんと会えるのが嬉しくてたまりません。
ククリさんの部屋に向かう前に鏡で、殺気が出ていないか確認しましたが自分にはわかりません。
あ、ルフィリアさんがいます、確認していただきましょう。
……。ルフィリアさん、なぜ身構えるの?、昨夜は身構えなかったのに。
「なんだ、ミヅキですか。殺意を感じたので身構えただけです、気にしないでください」
気にします。絶対わざとですよね?
「昨夜ユキリンにも同じこと言われました。そんなに殺気がでてます? 自覚がないのですが……」
「冗談ですよ。ミヅキはいつも通りチャーミングです」
気のせいか、ルフィリアさんは、なにか面白いおもちゃを手に入れたかのような目をしているように感じます。
ルフィリアさんは、せっかく帰って来たのだからハルカとミユキにもあったほうがいいと言い、指導任務にでるまえの二人の部屋を訪問しました。
……。二人とも、身構えました。
完全に、ルフィリアさんにおもちゃにされているようです。
ルフィリアさんは満足したのか、ようやくククリさんの部屋に向かえることになりました。
なぜかルフィリアさんが、付いて来ます。
「ククリさん、ミヅキです、しつれいします」
「いらっしゃい。会いたかったよー。おいでー」
ククリさんは、普通だ。
よかった。
……。先にいらしていたハル=バードさんが、身構えました。
ルフィリアさんが楽しそうに部屋を覗き込んでいるのがわかりました。
ククリさんが、抱きしめてくれました。
すごい久しぶりだから、とても嬉しい。
「ククリさん、私、殺気でてますか?
ルフィリアさんにからかわれてしまいました。
自分ではまるでわからないのです」
「戦場から戻ると皆んなそんな感じになるね。
数日で戻るから安心していいよ。
ウルさんから話は聞いてる。気に入られたんだって?」
「ずっとお相手をさせられていました」
「ぜひロデリクにくれとまでいわれたよ。さすがに断ったけどね」
「よかった。ずっとあそこにいるとどうにかなってしまいそうです」
「いい経験して来たみたいだね。おつかれさま」
「ククリさんも、お帰りなさい」
「ただいま」
ククリさんは、もう一度抱きしめてくれました。
「そうだ、顔なじみだと思うけど、紹介するね、ハル=バード、仲良くしてあげてね」
「そうだったのですか、宜しくお願いします」
「こちらこそ、お願いします」
ハルさんとはすでに仲良しです。プライベートでも頻繁に連絡をとりあっている仲です。
「さっそくだけど、ミヅキの特殊発声を観測させてもらえるかな?」
……
「ありがと。
次は、発声できなくてもいいから、生命の基本法術の基本発声をしてくれる?」
……
「ありがと。
後はゆっくりしていていいよ。ハルの相手してあげてね」
「わかりました」
自分のお茶を用意すると、ハルさんのいるテーブルに付きました。
しばらくの間、ハルさんとおしゃべりをしていたら、ククリさんが、ハルさんを呼びだしました。
ハルさんは、先ほどの装置で特殊発声と生命の基本法術の基本発声を繰りかえし発声していました。
そのあと、私が呼び出されて、端末を渡され、もう一台の装置を見ながら、同じ形状を描くように生命の基本法術の基本発声を行うよう指示され、適度に休憩をいれて、根気よく挑戦するように言われました。当面は、これをひたすらやることになりそうです。
その間、ハルさんは、何度も呼び出されて、もう一台の装置で発声を繰り返していました。
ハルさんの話では、リザードマンの発声がかなり特殊とのことで、詳細調査に時間が必要とのことでした。
ククリさんは、私の時以上にハルさんのことで苦戦しているようでした。
ハルさんのことでゼディーさんと何度も連絡を取り合っていました。
体格が大きくて血なまぐさいロデリク族の元での指導任務がようやく終わりました。
指導を任されたはずなのに、なぜか族長のウルさんに気に入られてしまい、ウルさんの訓練の相手ばかりさせられていました。
ロデリク族は、最初は怖い印象でしたが、明るく温かい方達でしたので、すこしだけ安心できました。
ルナディアさんとルカティアさんが一緒だったのはとても心強かったです。
傭兵団の皆さんは、ロデリク族の皆さんといっしょにずっと大騒ぎして楽しんでいました。
宮廷に戻り、ルフィリアさんに報告したあと、ユキリンの部屋によりました。
なぜかユキリンは私を見た瞬間、一瞬身構えました。
私だと気づいて、すぐに抱きついて来ましたが、ユキリンの話では、すごい殺気で、殺されるかと思ったそうです。
ちょっとショックでした。
私は、ロデリク族に染まってしまったのでしょうか?
でも、その夜はユキリンとゆっくり過ごすことができほっとしました。
アシダカ種の指導任務もすでに引き継ぎ済みなので、しばらくはククリさんのお側付きとして落ち着けそうです。
ようやくククリさんと会えるのが嬉しくてたまりません。
ククリさんの部屋に向かう前に鏡で、殺気が出ていないか確認しましたが自分にはわかりません。
あ、ルフィリアさんがいます、確認していただきましょう。
……。ルフィリアさん、なぜ身構えるの?、昨夜は身構えなかったのに。
「なんだ、ミヅキですか。殺意を感じたので身構えただけです、気にしないでください」
気にします。絶対わざとですよね?
「昨夜ユキリンにも同じこと言われました。そんなに殺気がでてます? 自覚がないのですが……」
「冗談ですよ。ミヅキはいつも通りチャーミングです」
気のせいか、ルフィリアさんは、なにか面白いおもちゃを手に入れたかのような目をしているように感じます。
ルフィリアさんは、せっかく帰って来たのだからハルカとミユキにもあったほうがいいと言い、指導任務にでるまえの二人の部屋を訪問しました。
……。二人とも、身構えました。
完全に、ルフィリアさんにおもちゃにされているようです。
ルフィリアさんは満足したのか、ようやくククリさんの部屋に向かえることになりました。
なぜかルフィリアさんが、付いて来ます。
「ククリさん、ミヅキです、しつれいします」
「いらっしゃい。会いたかったよー。おいでー」
ククリさんは、普通だ。
よかった。
……。先にいらしていたハル=バードさんが、身構えました。
ルフィリアさんが楽しそうに部屋を覗き込んでいるのがわかりました。
ククリさんが、抱きしめてくれました。
すごい久しぶりだから、とても嬉しい。
「ククリさん、私、殺気でてますか?
ルフィリアさんにからかわれてしまいました。
自分ではまるでわからないのです」
「戦場から戻ると皆んなそんな感じになるね。
数日で戻るから安心していいよ。
ウルさんから話は聞いてる。気に入られたんだって?」
「ずっとお相手をさせられていました」
「ぜひロデリクにくれとまでいわれたよ。さすがに断ったけどね」
「よかった。ずっとあそこにいるとどうにかなってしまいそうです」
「いい経験して来たみたいだね。おつかれさま」
「ククリさんも、お帰りなさい」
「ただいま」
ククリさんは、もう一度抱きしめてくれました。
「そうだ、顔なじみだと思うけど、紹介するね、ハル=バード、仲良くしてあげてね」
「そうだったのですか、宜しくお願いします」
「こちらこそ、お願いします」
ハルさんとはすでに仲良しです。プライベートでも頻繁に連絡をとりあっている仲です。
「さっそくだけど、ミヅキの特殊発声を観測させてもらえるかな?」
……
「ありがと。
次は、発声できなくてもいいから、生命の基本法術の基本発声をしてくれる?」
……
「ありがと。
後はゆっくりしていていいよ。ハルの相手してあげてね」
「わかりました」
自分のお茶を用意すると、ハルさんのいるテーブルに付きました。
しばらくの間、ハルさんとおしゃべりをしていたら、ククリさんが、ハルさんを呼びだしました。
ハルさんは、先ほどの装置で特殊発声と生命の基本法術の基本発声を繰りかえし発声していました。
そのあと、私が呼び出されて、端末を渡され、もう一台の装置を見ながら、同じ形状を描くように生命の基本法術の基本発声を行うよう指示され、適度に休憩をいれて、根気よく挑戦するように言われました。当面は、これをひたすらやることになりそうです。
その間、ハルさんは、何度も呼び出されて、もう一台の装置で発声を繰り返していました。
ハルさんの話では、リザードマンの発声がかなり特殊とのことで、詳細調査に時間が必要とのことでした。
ククリさんは、私の時以上にハルさんのことで苦戦しているようでした。
ハルさんのことでゼディーさんと何度も連絡を取り合っていました。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
魔法のせいだからって許せるわけがない
ユウユウ
ファンタジー
私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。
すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
あなたがそう望んだから
まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」
思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。
確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。
喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。
○○○○○○○○○○
誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。
閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*)
何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる