上 下
62 / 259
シャノニアン・エクスプロージョン

GRiN LiKE A ...#3

しおりを挟む
────アユミ(ヒューマノイド、移動要塞レグルス搭乗員、ブリューエル=アウス=レディット)


 地平線の先にアストレアが見えて来た。
 シャノン学派と傘下の学派の中では、私たちの移動要塞が最初の到着だったらしい。

 到着後、この移動要塞は解体されて、主要区画をアストレア近郊にある隔離区画に移設されるとのことだ。

 今は、引越し準備で大忙しだった。

 ブリューエル=アウス=レディットは、主要区画とともに隔離区画へと収容され、通常のヒューマノイドは、アストレア内にあるヒューマノイドの隔離区画へ収容されるとのことだった。

 アストレアには、すでにフォーマルハウトの移動要塞が駐留しており、アストレア内にあるヒューマノイドの隔離区画は、彼らのヒューマノイドの生活区画を移設して作られたのものらしい。

 つまり、そこにはユミカがいることになる。

 隔離区画が分かれているため、顔をあわせることはないと思うが、せっかくアキラくんの一番になれたので、ユミカに見せつけてやりたかった。
 でも、それは叶わないようなのですこしだけ残念だった。

 アストレア近郊は安全地帯であり、ノスフェラトゥは近づけない区画だ。
 しかも厳重に隔離された建物に収容されるため、当面の戦闘予定はないとのことだった。
 それを聞いて、アキラくんは悔しがったが、私はとても安心した。

 私たちの隔離区画には、十分な広さと利便性を持った生活区画が用意され、他の学派の研究者たちも交えて、私たちの精密検査や今後の生活について検討をすすめるらしい。

 ラグランジュ学派の実験はヒューマノイドを大幅に変更することなく改造を加えているだけため、アストレア側では、ヒューマノイド扱いされるとのことだった。

 なんでもシャノン学派がヒューマノイドを大改造してまったく別の生命体に変えてしまったらしく、アストレアではその新種族たちの対応を先に行っているようだ。おそらくユキヒロ達は別の種族に作り替えられてしまったのだろう。

 私の選択肢は、再手術してヒューマノイドにもどされ、ユミカがいる生活区画へ移送されるか、シャノン学派の技術を利用して新種族へと生まれ変わるかのどちらかになるとのことだった。

 アキラくんのことだから、強力な新種族に生まれ変わろうとするかもしれない。
 私は不安で仕方ない、自分がヒューマノイドじゃなくなる勇気なんて流石にないからだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

魔法のせいだからって許せるわけがない

ユウユウ
ファンタジー
 私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。  すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします

暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。 いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。 子を身ごもってからでは遅いのです。 あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」 伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。 女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。 妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。 だから恥じた。 「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。 本当に恥ずかしい… 私は潔く身を引くことにしますわ………」 そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。 「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。 私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。 手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。 そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」 こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。 --------------------------------------------- ※架空のお話です。 ※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。 ※現実世界とは異なりますのでご理解ください。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

処理中です...