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混沌の秩序

スターリー スカイ#5

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────ルナディア(人狼ルガルルーノ種、浄化の湖ウルザブルン守人もりと


 日が落ちてから、どれくらいの時間がたったのだろう?
 悪霊達は日中とは比較にならないくらい凶暴化している。

 合流ポイントまでもう少しのはずだが、途中、2台の獣車じゅうしゃの車輪が破損したため、その対応で、大幅な時間をロスしてしまい、予定時刻よりかなり遅れてしまった。

 獣車じゅうしゃの破損は、予期していたことなので、人数よりも余分に獣車じゅうしゃを用意していた。なので、車両を捨て、他の車両に移ってもらっただけで済んだのだが、獣車じゅうしゃが横転した際に、祓魔法術使いも含め怪我人が多数出てしまった。戦力が低下し負担が増加したことで、皆、疲労が限界に達していた。

 合流ポイントまでの距離を考えると、時期尚早とおもったが、私は、ルーノの特殊言語をうたうことができる、私を含めた3名の浄化のシャーマンによる、強力な浄化の結界を発動することにした。
 特殊言語の発動は、奥の手だ。
 体力を大幅に消耗するため、長時間、何度も行使しつづけることはできない。
 だが、いまは、他の皆んなの治療や体力を回復させる時間を稼ぐことが最優先だ。
 出し惜しみなんかしていられない。
 
「すげーな、姉さん!俺は特殊言語っての初めてみたぜ。浄化の濃度が濃過ぎて、肌がピリピリするじゃねえか。大物の悪霊だって近づけねえ。だけど、体力自慢の姉さん方でも、尋常じゃなく体力が削られてるのが俺でもわかるぜ? そのー、なんつーか、みんなのこと想ってくれるのはありがてーが、体力使いすぎて、死んだりしねーでくれよ? 俺ら、いつでもいけるから、無理すんなよ?」

「ダーインくんらしくもなく、お金以外の心配? 大丈夫よ、すこし気を失うくらいで済むから。それに、浄化のシャーマンの体力は折り紙つきよ、甘く見ないでくれる?」

「姉さんもけっこうな意地っ張りだなー。俺は、金じゃなくて、旨い酒をのむのが生きがいなんだよ!。美人の姉さんたちを犠牲にした報酬で飲む酒なんて、まずくて飲めたもんじゃねーんだよ!」

「あらそう? なら、美味しいお酒飲めるように、しっかり生き残ってね」

「わーったよ! 強情な女だな! でも、無理すんじゃねーぞ!」

「うん、まかせといて」


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