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混沌の秩序

スターリー スカイ#4

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────ルナディア(人狼ルガルルーノ種、浄化の湖ウルザブルン守人もりと


 空が赤い。これが夕焼け? もう時間がない。
 まだ、夜じゃないのに、星だっけ? が一つ輝き始めた。


 月は、生と死の門。
 
 悪霊達が凶暴化するのは、その門の先に行きたいのに行けないから。
 月の先へ行きたいと月を見上げ、悲痛の叫びで生者に訴えかける。

 闇のとばりは、月の慈愛じあい
 闇のとばりに包まれて寝息を立てる生命達を、守ることが月の獣ルーノの使命……。


「皆んな!よく聴いて!
 たとえ日が沈んでも!決してあきらめないで!
 アルビーノもルーノも、月の眷属!
 私たちは、誰よりも、闇のとばりに愛されている人狼ルガルなの!
 そんな私たちが、悪霊ごときにまけるわけない!
 だから、みんなで切りぬけよう!
 一人たりとも置いて行かないからね!
 私が引きずってでも、連れてゆくから!
 最後まで、駆け抜けよう!」

「……」
 みんな、黙って私の方を見ていた。

「……ちょっと、ポエミーだった?」

「あはは! そこで、照れたら台無しじゃないか! いいかい、みんな!、ルナ姉さんがそこまで言ってくれたんだ! 日が落ちようと、絶対諦めるんじゃないよ!」

「ったりめーだろ! 姉さん、惚れたぜ! おれはあんたに命預けるぜ!」

「抜け駆けずりーぞ! 俺も、愛してるー、ルナ姉さんサイコーだぜ!」

「バーカ、おいらは、最初からルナ姉さん派だったもんねー!」

「俺の愛が一番つえー!」

「ルナ姉さん、あいしてるぜっ!」

 なんか、告白タイムが始まった……。

「……みんなの気持ちはうれしいけど、タイプじゃないので、ごめんなさい!」

「うおー! 即行で全員振りやがったよ、この場でよ!」

「辛辣なところが、さらにいいよね!」

「おれ、何かに目覚めた気がする」

「生還したら、ルナ姉さんのファンクラブ作ろうぜ!」

「変なフラグたてんじゃねーよ! 俺、会員ナンバー1でよろしく」

「俺が会員ナンバー1だろ!」

「おいらが1だ!」

「会員ナンバー1は、俺のだ!」

「うっさいね! ほんと、あんたら、バカばっかりだね! 無駄口たたく余力があったら、悪霊たおしな! ルナ姉さん、おかげでみんな元気でたみたいだよ、ありがとね」

「え!? ……あ、どういたしまして」 

「ほら、気合い入れてゆくよ!」  



 すごく恥ずかしかったけど、みんなに笑顔が戻った。
 
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