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第一章 閃血の復讐者《アヴェンジ》
結ばれる二人
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ビョルンはミシェルを探すために基地内部を隅々まで探し尽くした。
最後のミシェルの部屋まだ探したがミシェルはどこにもいない。
「ったく、どこ行ったんだよミシェル……」
悪態をつくビョルンだが内心では思っていた。
(……相談もせずに勝手に承諾したのは悪かったよな…)
昨日の夜、ミシェルが泣いた時の事を思い出す。
あの時もミシェル達を残して勝手に戦場に赴く事を決めたビョルンに対して腹を立てて平手打ちをした。
やはり今回も勝手に決めた事を怒っているのだろうか。途方に暮れている時だった。
「ヒグッ……えっぐ……うえっ…」
何処からか聞こえる微かな泣き声。ビョルンはその声のする方向へと足を運ぶ。
格納庫の端にある小さな洞窟。その洞窟を奥に奥に進んでいく、かれこれ300mくらいは進んだ。
(うわぁ~、すげぇ~)
そこは鍾乳洞であった。天井には無数の鍾乳石が氷柱のように垂れ下がっておりそしてその中心には湖が広がっていた。
「ぐすっ…ひぐっ……」
そしてその湖の岸の真ん中ではミシェルが体育座りで泣いていた。
ビョルンはそっと近づき謝ろうとするも、
「あのさ…ミシェル……」
「来ないで!!」
拒絶されてしまう。その目に大粒の涙を流しながら。
「嘘つき!!一人で抱え込まないでって……約束したのに!!」
ビョルンを睨みつけるミシェル!その目にはビョルンに対する怒りと悲しみがこもっていた。
「相談しなかったのは悪かったよ、でもそれはお前らの事を守るためであって」
「都合のいい言い訳しないで!!」
「ぐっ……」
ビョルンは何も言えなかった。今の自分が何を言っても都合のいい言い訳にしか聞こえないからだ。
「……ごめんなミシェル…お前の言うとおりだよな……」
ビョルンはミシェルにそう謝りその場を去ろうとする。が、
「………行かせない……」
ミシェルがビョルンに飛びつき、そのまま地面に押し倒す。
「いっつ!!ミシェルお前何を!?」
そうミシェルに視線をやると、ミシェルは泣いていた。
「ビョルンを絶対に戦場になんか行かせない……」
ミシェルはビョルン肩をがっしり掴む。
「おっ、お前なにしやがる!?」
ビョルンはミシェルを睨みつけながら必死で対抗しようするが、
ピキィーーン!!
ミシェルの瞳を見つめた途端、力が抜けていく感覚に襲われる。それと同時に気持ちが昂り、淫靡な気分になっていった。
「ミシェル……お前まさか淫眼(チャーム)を!?……」
淫魔(サキュバス )は相手に催眠暗示のように相手を淫らな気持ちにさせて自身の虜にしてしまう能力がある。それは人間との混血であるミシェルも例外ではない。
「本当はビョルン相手に使いたくなかったけど……こうでもしないとビョルン大人しくしてくれないから……」
本気で抵抗できなくなったビョルンにミシェルは頬を赤くさせる。
「ミシェル…….よせ……」
ビョルンの抵抗も虚しく、ミシェルは淫魔(サキュバス)特有の妖艶な表情をしながらビョルンを見下ろす。
「ううん♡….絶対に止めない♡…ビョルンをボクなしじゃいられないくらい虜にして♡……2度と戦場にいけなくなるまで骨抜きにするんだから♡…」
ミシェルは仰向けになっているビョルンにまたがるとビョルンの両頬に手を添えて、
「ん♡……チュ♡…………」
自身の唇をビョルンの唇に合わせた。キス、しかも舌を絡める大人の、でもどこか優しい気持ちになる甘いキス。
(ダメだ……頭がクラクラする……何も考えられない……)
ビョルンは何もできず、ただただミシェルのされるがままとなる。
「ビョルン♡……ビョルン♡……」
ミシェルはただただ己の欲望のまま舌を絡ませる。
ビョルンは改めてミシェルの瞳をみた。妖艶で美しい顔、………でもどこか……悲しそうであった。
「!?」
理性を取り戻したビョルンはミシェルの方を掴みミシェルを引き離した。
「いい加減にしろミシェル!!お前どおしちまったんだよ!?」
そう怒鳴るとミシェルは視線を下にやり……そして……
パシン!!!
ビョルンの頬を思いっきり引っ叩いた。
「ビョルンのせいだよ…….ビョルンが悪いんだから!!!」
その両目には大粒の涙を流しながら泣き崩れた。
「ボクが普段からどれだけビョルンの事を想っているか分かる!?いつもいつもボクや子供達のために必死になってくれるビョルンな事をボクがどれだけ大好きか考えたことある!?それなのにどうして……どうしてボクを苦しめる事ばかりするの!?」
「ミシェル……」
「ボクは……ビョルンと子供達みんなと一者に暮らせればそれだけで幸せなんだよ?……他の誰も欠けちゃうなんていやだよ……」
「…………」
ビョルンは考えた事もなかった、ミシェルが普段からどれだけ自分の事を考えてくれたか。どれだけ想ってくれていたか。なのに自分は彼女を苦しめる事ばかり考えていた。
「…ビョルンを失うくらいならここで嫌われてでも止めるから、どんな事したって止めるから…」
ミシェルの気持ちはビョルンに痛いほど伝わった。だがビョルンも譲れない気持ちがあった。
ミシェルと子供達を守りたい。幼い頃、大切な家族を守れないまま何もできなかった自分が許せない。だから、
「ミシェル……」
ビョルンミシェルの背中にそっと手を添えて優しく抱きしめた。
「ごめんな、俺自分の事ばかり考えてお前が苦しんでることをわかってやれなかった……」
ビョルンはそっとミシェルの頭に手を添えて優しく撫でる。
「お前の気持ちはよく分かった、でも俺にも譲れない気持ちがある。お前やチビたちを守りたいっていう気持ちが、俺も2度と…大切な家族を失うなんて思いしたくないから……」
「ビョルン……」
「約束する、俺は絶対に死なない、どんな事があろうと、どんな事をしてでも、お前らの元に帰る、それじゃダメか?」
「……でも…」
「俺がお前に嘘ついた事あるか?」
「………………」
ミシェルは暫く口を閉じて沈黙するも……
「….じゃあ…ぜったいに帰ってくるための証をちょうだい……」
「えっ?それってどういう」
ミシェルは再びビョルンを押し倒して、耳元で優しく囁いた。
「……ビョルンの赤ちゃんが欲しい………」
「!?」
ビョルンは驚か困惑した。ビョルンもしばらく沈黙し、迷ったが……
「……….後悔しないな?………」
「……バカ……….こんな事、中途半端な覚悟で言わないよ……」
ミシェルはビョルンの唇に優しくキスをする。そして二人は、
「ミシェル……」「ビョルン…」
目を閉じてお互いの唇を合わせて……衣服を脱いでお互いを求めあい……蕩けるほど交わりの限りを尽くしたのだった。
最後のミシェルの部屋まだ探したがミシェルはどこにもいない。
「ったく、どこ行ったんだよミシェル……」
悪態をつくビョルンだが内心では思っていた。
(……相談もせずに勝手に承諾したのは悪かったよな…)
昨日の夜、ミシェルが泣いた時の事を思い出す。
あの時もミシェル達を残して勝手に戦場に赴く事を決めたビョルンに対して腹を立てて平手打ちをした。
やはり今回も勝手に決めた事を怒っているのだろうか。途方に暮れている時だった。
「ヒグッ……えっぐ……うえっ…」
何処からか聞こえる微かな泣き声。ビョルンはその声のする方向へと足を運ぶ。
格納庫の端にある小さな洞窟。その洞窟を奥に奥に進んでいく、かれこれ300mくらいは進んだ。
(うわぁ~、すげぇ~)
そこは鍾乳洞であった。天井には無数の鍾乳石が氷柱のように垂れ下がっておりそしてその中心には湖が広がっていた。
「ぐすっ…ひぐっ……」
そしてその湖の岸の真ん中ではミシェルが体育座りで泣いていた。
ビョルンはそっと近づき謝ろうとするも、
「あのさ…ミシェル……」
「来ないで!!」
拒絶されてしまう。その目に大粒の涙を流しながら。
「嘘つき!!一人で抱え込まないでって……約束したのに!!」
ビョルンを睨みつけるミシェル!その目にはビョルンに対する怒りと悲しみがこもっていた。
「相談しなかったのは悪かったよ、でもそれはお前らの事を守るためであって」
「都合のいい言い訳しないで!!」
「ぐっ……」
ビョルンは何も言えなかった。今の自分が何を言っても都合のいい言い訳にしか聞こえないからだ。
「……ごめんなミシェル…お前の言うとおりだよな……」
ビョルンはミシェルにそう謝りその場を去ろうとする。が、
「………行かせない……」
ミシェルがビョルンに飛びつき、そのまま地面に押し倒す。
「いっつ!!ミシェルお前何を!?」
そうミシェルに視線をやると、ミシェルは泣いていた。
「ビョルンを絶対に戦場になんか行かせない……」
ミシェルはビョルン肩をがっしり掴む。
「おっ、お前なにしやがる!?」
ビョルンはミシェルを睨みつけながら必死で対抗しようするが、
ピキィーーン!!
ミシェルの瞳を見つめた途端、力が抜けていく感覚に襲われる。それと同時に気持ちが昂り、淫靡な気分になっていった。
「ミシェル……お前まさか淫眼(チャーム)を!?……」
淫魔(サキュバス )は相手に催眠暗示のように相手を淫らな気持ちにさせて自身の虜にしてしまう能力がある。それは人間との混血であるミシェルも例外ではない。
「本当はビョルン相手に使いたくなかったけど……こうでもしないとビョルン大人しくしてくれないから……」
本気で抵抗できなくなったビョルンにミシェルは頬を赤くさせる。
「ミシェル…….よせ……」
ビョルンの抵抗も虚しく、ミシェルは淫魔(サキュバス)特有の妖艶な表情をしながらビョルンを見下ろす。
「ううん♡….絶対に止めない♡…ビョルンをボクなしじゃいられないくらい虜にして♡……2度と戦場にいけなくなるまで骨抜きにするんだから♡…」
ミシェルは仰向けになっているビョルンにまたがるとビョルンの両頬に手を添えて、
「ん♡……チュ♡…………」
自身の唇をビョルンの唇に合わせた。キス、しかも舌を絡める大人の、でもどこか優しい気持ちになる甘いキス。
(ダメだ……頭がクラクラする……何も考えられない……)
ビョルンは何もできず、ただただミシェルのされるがままとなる。
「ビョルン♡……ビョルン♡……」
ミシェルはただただ己の欲望のまま舌を絡ませる。
ビョルンは改めてミシェルの瞳をみた。妖艶で美しい顔、………でもどこか……悲しそうであった。
「!?」
理性を取り戻したビョルンはミシェルの方を掴みミシェルを引き離した。
「いい加減にしろミシェル!!お前どおしちまったんだよ!?」
そう怒鳴るとミシェルは視線を下にやり……そして……
パシン!!!
ビョルンの頬を思いっきり引っ叩いた。
「ビョルンのせいだよ…….ビョルンが悪いんだから!!!」
その両目には大粒の涙を流しながら泣き崩れた。
「ボクが普段からどれだけビョルンの事を想っているか分かる!?いつもいつもボクや子供達のために必死になってくれるビョルンな事をボクがどれだけ大好きか考えたことある!?それなのにどうして……どうしてボクを苦しめる事ばかりするの!?」
「ミシェル……」
「ボクは……ビョルンと子供達みんなと一者に暮らせればそれだけで幸せなんだよ?……他の誰も欠けちゃうなんていやだよ……」
「…………」
ビョルンは考えた事もなかった、ミシェルが普段からどれだけ自分の事を考えてくれたか。どれだけ想ってくれていたか。なのに自分は彼女を苦しめる事ばかり考えていた。
「…ビョルンを失うくらいならここで嫌われてでも止めるから、どんな事したって止めるから…」
ミシェルの気持ちはビョルンに痛いほど伝わった。だがビョルンも譲れない気持ちがあった。
ミシェルと子供達を守りたい。幼い頃、大切な家族を守れないまま何もできなかった自分が許せない。だから、
「ミシェル……」
ビョルンミシェルの背中にそっと手を添えて優しく抱きしめた。
「ごめんな、俺自分の事ばかり考えてお前が苦しんでることをわかってやれなかった……」
ビョルンはそっとミシェルの頭に手を添えて優しく撫でる。
「お前の気持ちはよく分かった、でも俺にも譲れない気持ちがある。お前やチビたちを守りたいっていう気持ちが、俺も2度と…大切な家族を失うなんて思いしたくないから……」
「ビョルン……」
「約束する、俺は絶対に死なない、どんな事があろうと、どんな事をしてでも、お前らの元に帰る、それじゃダメか?」
「……でも…」
「俺がお前に嘘ついた事あるか?」
「………………」
ミシェルは暫く口を閉じて沈黙するも……
「….じゃあ…ぜったいに帰ってくるための証をちょうだい……」
「えっ?それってどういう」
ミシェルは再びビョルンを押し倒して、耳元で優しく囁いた。
「……ビョルンの赤ちゃんが欲しい………」
「!?」
ビョルンは驚か困惑した。ビョルンもしばらく沈黙し、迷ったが……
「……….後悔しないな?………」
「……バカ……….こんな事、中途半端な覚悟で言わないよ……」
ミシェルはビョルンの唇に優しくキスをする。そして二人は、
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