9 / 13
第一章 閃血の復讐者《アヴェンジ》
レジスタンス入隊
しおりを挟む
ビョルンはクラウスと共に司令室まできていた。司令室のソファーにはクラウスとビョルンが向かい合っている。
「んで?クロエを使ってまでここまで俺達を連れてきた理由はなんだよ?、あんたの事だ、どうせクロエにここまで連れてくるよう頼んだのもアンタだろ?」
「いや、いずれは頼むつもりだったが、今回君たちをここに連れてきたのはクロエの独断だ。私はあくまで君たちの安否を監視する事しか頼んでない」
「やっぱりそうかい、工場にいた時から誰かに見られてる気がしたがそういう事か」
「気を悪くしたらすまない、が、どうしても君たち、どうより君の力が必要なんだ」
「言えよ、まぁ聞くまでもないけどな…」
クラウスはソファーから立ち上がり深く頭を下げた。
「頼む、どうかフェンリルの一員として戦って欲しい」
「……そう言うと思ったよ…」
クラウスさ申し訳なさそうにその後も頭を下げ続けながら淡々と話していく。
「勝手なのは十分承知している。しかし、我々も切羽詰まっている状況なんだ、団員もHARBTももう残りわずかだ、君みたいな戦力は喉から手が出るほど欲しい、どうか頼む!」
「………………」
ビョルンは考え込んだ、正直言ってビョルン本人としてはお断りと言いたかった。
自分の行いのせいで過去に父のレジスタンス組織を壊滅に追いやったビョルンにとって再びレジスタンスに所属する事など真っ平だ。
……だが、ここで断ったらミシェルや子供達はどうなる?
もうあの工場には戻れない。戻ればまたヴァルキューレの部隊が自分たちを攻めにくる。
それだけはダメだ、またミシェルや子供達を巻き込んでしまう。
ビョルンは暫く考え込み、
「入ればミシェルやガキ共の身の安全は保証してくれるんだな?」
「もちろんだ、まぁ、ミシェル君には他の役割で動いてもらう事にはなると思うが、子供達はクロエと同様ウチでしっかりと面倒みよう」
「…………」
ビョルンは一瞬考え込んだが、意を決したかのように言った。
「分かったよ、フェンリルに入ろう」
「そうか…」
「ただしアンタの部下になる気はないからな」
「それでいい、あくまで君と私対等な立場、そういう事でいいね?」
「あぁ、それなら了解だ」
クラウスはビョルンに向けて手を出し、ビョルンもその手を握る。
◇
お互いに握手を交わし終えると、クラウスから、
「次の作戦は追って通達する、今回はゆっくり休んでくれ」
そう言われビョルンは入浴を済ませた後に、ミシェル達と合流して食堂へと向かった。
「♡……」
「おい、そいつさっきからずっとひっつきすぎやしないか?」
「まぁまぁ、今まで甘えられなかったんだから今日ぐらいは、ねっ?」
クロエは赤ん坊のようにミシェルの胸に抱きつく。
「わぁ~い、ミシェルママ~ン!♡おっぱいちょうだぁ~い!!」
ミシェルの豊満な胸をもみしだきながらスーハーっと谷間に顔を埋めて空気を吸うクロエ、もはやただの変態である。
「たくっ、調子のいいエロガキが」
「ビョルン兄ちゃんに同意」
ビョルンの横にいるリンクもクロエをジト目で睨む。
ビョルン達が食堂に入れば食堂にいる全員がビョルン達に視線を向ける。
中にはジト目で睨んでいる奴もいる。どうやらさっきのテロリスト発言をまだ根に持っている輩もいる様子だ。
「ビョルン、ボクたちって、もしかして歓迎されてないのかな?」
ミシェルが不安そうに聞いてくるもビョルンは安心させるようにミシェルの頭を撫でる。
「心配するなって、少なくともお前らは邪険に想われてないって」
「だといいんだけど…」
それでも不安そうに呟くミシェル。各々がカウンターでプレートに食事を乗せて貰うと席に座る。
今日のメニューはクリームシチューにパン、野菜サラダとなっている。何も子供達の食べた事ないメニューだ。
「すげぇ!!ビョルン兄ちゃん!!これおかわりしてもいいの!?」
「いいんじゃね?おかわり自由だって看板に書いてあったし」
「やったぁ!!」
「ふっ、お前ガキだな」
「黙れバカクロエ」
相変わらずバチバチなリンクとクロエである。横から「喧嘩しない」と嗜めるミシェルと他の子供達を微笑ましそうに見つめるビョルン。
ビョルンは改めて決意した、この幸せを守るためなら、どんな危険な困難二でも立ち向かおうと。
「ところでさ、ビョルン……」
「ん?」
「クラウスさんと何を話してたの?」
「あぁ、フェンリルに入って戦えってさ、お前らの面倒を受け持つ条件で引き受けた」
「えっ?……」
ミシェルは呆然としてスプーンを落とす。その光景に周りの視線が集まっていく。
「おっ、おいどうしたミシェル?」
「なんで?………なんで引き受けたの?……」
「なんでって、お前らの安全のために仕方なく…」「バカ!!!!」
ミシェルはその場を走り去っていった。その目に大粒の涙を流しながら。
「あ~あ、ビョルン兄ちゃん泣かせちゃった」
「ビョルンさん、俺が言うのもなんですけど、追いかけた方がいいと思いますよ?」
クロエの忠告に従うようにビョルンは走り去っていったミシェルの後を追う。
「さてと、俺も飯食ったらさっさと仕上げちまうか」
「仕上げるって?」
クリームシチューを頬張るクロエにヴェルは問いかける。
「決まってるだろ?アヴェンジを完成させるんだよ」
「んで?クロエを使ってまでここまで俺達を連れてきた理由はなんだよ?、あんたの事だ、どうせクロエにここまで連れてくるよう頼んだのもアンタだろ?」
「いや、いずれは頼むつもりだったが、今回君たちをここに連れてきたのはクロエの独断だ。私はあくまで君たちの安否を監視する事しか頼んでない」
「やっぱりそうかい、工場にいた時から誰かに見られてる気がしたがそういう事か」
「気を悪くしたらすまない、が、どうしても君たち、どうより君の力が必要なんだ」
「言えよ、まぁ聞くまでもないけどな…」
クラウスはソファーから立ち上がり深く頭を下げた。
「頼む、どうかフェンリルの一員として戦って欲しい」
「……そう言うと思ったよ…」
クラウスさ申し訳なさそうにその後も頭を下げ続けながら淡々と話していく。
「勝手なのは十分承知している。しかし、我々も切羽詰まっている状況なんだ、団員もHARBTももう残りわずかだ、君みたいな戦力は喉から手が出るほど欲しい、どうか頼む!」
「………………」
ビョルンは考え込んだ、正直言ってビョルン本人としてはお断りと言いたかった。
自分の行いのせいで過去に父のレジスタンス組織を壊滅に追いやったビョルンにとって再びレジスタンスに所属する事など真っ平だ。
……だが、ここで断ったらミシェルや子供達はどうなる?
もうあの工場には戻れない。戻ればまたヴァルキューレの部隊が自分たちを攻めにくる。
それだけはダメだ、またミシェルや子供達を巻き込んでしまう。
ビョルンは暫く考え込み、
「入ればミシェルやガキ共の身の安全は保証してくれるんだな?」
「もちろんだ、まぁ、ミシェル君には他の役割で動いてもらう事にはなると思うが、子供達はクロエと同様ウチでしっかりと面倒みよう」
「…………」
ビョルンは一瞬考え込んだが、意を決したかのように言った。
「分かったよ、フェンリルに入ろう」
「そうか…」
「ただしアンタの部下になる気はないからな」
「それでいい、あくまで君と私対等な立場、そういう事でいいね?」
「あぁ、それなら了解だ」
クラウスはビョルンに向けて手を出し、ビョルンもその手を握る。
◇
お互いに握手を交わし終えると、クラウスから、
「次の作戦は追って通達する、今回はゆっくり休んでくれ」
そう言われビョルンは入浴を済ませた後に、ミシェル達と合流して食堂へと向かった。
「♡……」
「おい、そいつさっきからずっとひっつきすぎやしないか?」
「まぁまぁ、今まで甘えられなかったんだから今日ぐらいは、ねっ?」
クロエは赤ん坊のようにミシェルの胸に抱きつく。
「わぁ~い、ミシェルママ~ン!♡おっぱいちょうだぁ~い!!」
ミシェルの豊満な胸をもみしだきながらスーハーっと谷間に顔を埋めて空気を吸うクロエ、もはやただの変態である。
「たくっ、調子のいいエロガキが」
「ビョルン兄ちゃんに同意」
ビョルンの横にいるリンクもクロエをジト目で睨む。
ビョルン達が食堂に入れば食堂にいる全員がビョルン達に視線を向ける。
中にはジト目で睨んでいる奴もいる。どうやらさっきのテロリスト発言をまだ根に持っている輩もいる様子だ。
「ビョルン、ボクたちって、もしかして歓迎されてないのかな?」
ミシェルが不安そうに聞いてくるもビョルンは安心させるようにミシェルの頭を撫でる。
「心配するなって、少なくともお前らは邪険に想われてないって」
「だといいんだけど…」
それでも不安そうに呟くミシェル。各々がカウンターでプレートに食事を乗せて貰うと席に座る。
今日のメニューはクリームシチューにパン、野菜サラダとなっている。何も子供達の食べた事ないメニューだ。
「すげぇ!!ビョルン兄ちゃん!!これおかわりしてもいいの!?」
「いいんじゃね?おかわり自由だって看板に書いてあったし」
「やったぁ!!」
「ふっ、お前ガキだな」
「黙れバカクロエ」
相変わらずバチバチなリンクとクロエである。横から「喧嘩しない」と嗜めるミシェルと他の子供達を微笑ましそうに見つめるビョルン。
ビョルンは改めて決意した、この幸せを守るためなら、どんな危険な困難二でも立ち向かおうと。
「ところでさ、ビョルン……」
「ん?」
「クラウスさんと何を話してたの?」
「あぁ、フェンリルに入って戦えってさ、お前らの面倒を受け持つ条件で引き受けた」
「えっ?……」
ミシェルは呆然としてスプーンを落とす。その光景に周りの視線が集まっていく。
「おっ、おいどうしたミシェル?」
「なんで?………なんで引き受けたの?……」
「なんでって、お前らの安全のために仕方なく…」「バカ!!!!」
ミシェルはその場を走り去っていった。その目に大粒の涙を流しながら。
「あ~あ、ビョルン兄ちゃん泣かせちゃった」
「ビョルンさん、俺が言うのもなんですけど、追いかけた方がいいと思いますよ?」
クロエの忠告に従うようにビョルンは走り去っていったミシェルの後を追う。
「さてと、俺も飯食ったらさっさと仕上げちまうか」
「仕上げるって?」
クリームシチューを頬張るクロエにヴェルは問いかける。
「決まってるだろ?アヴェンジを完成させるんだよ」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本
しましまのしっぽ
恋愛
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本です。
関西弁彼女の台本を標準語に変えたものもあります。ご了承ください
ご自由にお使いください。
イラストはノーコピーライトガールさんからお借りしました
社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる