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芽生え
欲がない人
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4月になり、僕は高校2年生になった。
僕の高校はクラス替えが無い為、3年間同じクラスメイトと過ごす。
彩葉と離れ離れにならないのは、僕にとってかなり助かる。
思えば、先生と過ごしてもう1年が経った。
最初はどうしようかと悩んだ時期もあったけれど、特に問題なく過ごせている。
先生に1年もお世話になっているのだ。何かお礼をしたい。
悩んでもわからなかったので、直接先生に聞いてみた。
「先生、僕がここに来て1年経ちました」
「…あ、もうそんな経ったのか。どうだ、生活には慣れたか?」
「はい!おかげさまで。それでなんですけど、先生、何か僕にして欲しいこととかあります?」
「なんでだ?」
「先生に1年もお世話になってるので、何かお礼を」
「いらん。そんなの」
先生がサバサバとした性格で、見返りを求めない人なのは知っているが、やはり何かやりたい。
「僕に出来ることなら、何でもします!」
「……何でも?」
「はい!何でもです!」
先生は黙って考えた後、わしゃわしゃと自分の頭を掻いた。
「…健康に、過ごしてくれれば良い」
「……、そ、それだけ?」
「ああ、それだけだ。後、安易に何でもやると言わないほうが身のためだぞ」
「…なんか、先生って、本当に欲の無い人ですよね」
僕がそう言うと、先生は嘲笑うようにい言った。
「欲が無い…ね、さぁ、どうだか」
その笑いは僕に向けたものではなく、自分自身に向けたような笑いだった。
僕の高校はクラス替えが無い為、3年間同じクラスメイトと過ごす。
彩葉と離れ離れにならないのは、僕にとってかなり助かる。
思えば、先生と過ごしてもう1年が経った。
最初はどうしようかと悩んだ時期もあったけれど、特に問題なく過ごせている。
先生に1年もお世話になっているのだ。何かお礼をしたい。
悩んでもわからなかったので、直接先生に聞いてみた。
「先生、僕がここに来て1年経ちました」
「…あ、もうそんな経ったのか。どうだ、生活には慣れたか?」
「はい!おかげさまで。それでなんですけど、先生、何か僕にして欲しいこととかあります?」
「なんでだ?」
「先生に1年もお世話になってるので、何かお礼を」
「いらん。そんなの」
先生がサバサバとした性格で、見返りを求めない人なのは知っているが、やはり何かやりたい。
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「……、そ、それだけ?」
「ああ、それだけだ。後、安易に何でもやると言わないほうが身のためだぞ」
「…なんか、先生って、本当に欲の無い人ですよね」
僕がそう言うと、先生は嘲笑うようにい言った。
「欲が無い…ね、さぁ、どうだか」
その笑いは僕に向けたものではなく、自分自身に向けたような笑いだった。
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