19 / 24
19話 超級闇魔法
しおりを挟む
「はぁはぁはぁ………ついに」
「ここまで来るのに、随分と早かったのう」
俺の目の前には、ただひたすらに黒い穴が何個も空いていた。これは、魔王から教わった超級闇魔法の1つ。深淵。食らった者は、深淵の中で只管に落ち続ける。発動に時間はかかるものの、これで1つは奥の手を手に入れた。
しばらくすると、俺の目の前の黒い穴は消え、何も無かったように辺りは元に戻る。
深淵はどこまでも続く無。魔王のような空間魔法保持者、もしくは特殊スキルで脱出するか、同じ超級魔法もしくはスキルで相殺するしか対処法は無い。魔王ですら発動に10秒かかる所を見ると、不意打ちで使うくらいしか使い道はないように思えるが、これがあるのと無いのとでは心持ちが全然違う。
「超級闇魔法は手に入れた。次は、空間魔法じゃな」
俺は今、小さい魔物が2体入るくらいの大きさの空間に物をしまうことが出来る空間魔法を習得している。これも熟練度が上がれば入れられる量が増えるらしい。
「闇魔法と空間魔法は相性がいい。先に闇魔法を覚えさせたのもそのためじゃ」
「そうだったんだな。俺も魔王みたいに空間を移動できるようになるのか?」
「いずれはできるじゃろうな。して、お主」
「ん?」
「外に出る準備は出来ておるか?」
「あ、ああ。出来てる。ネイアはどうだ?」
「私はいつでもいけるぞ。この新しい力で早く銀狼の血のやつらをボコボコにしたくてうずうずしている」
「そうか……」
「とりあえず、一度英気を養ってから、冒険者ギルドとやらに向かうとしよう」
そう言って、魔王は魔法で土を堀って固めると、そこに空間魔法でどこからか持ってきたお湯を張り始めた。
「2人とも。臭う。風呂に入るんじゃ」
「は、ははは。そういえば、水浴びは出来ていなかったな」
「ワシはもう入った。お主らで入れ」
「ネイア、先に入っていいぞ」
「何を言う!水臭いことを言うな!一緒に入るぞ」
そう言って服を脱ぎ始めるネイア。俺は情けないことに、恥ずかしくて目を背けてしまう。
「なに!?私の裸が見られないというのか」
「そういうことじゃねぇ!」
「何をしている。お主もとっとと入らんか!」
結局、俺は服を脱がされ、ネイアと風呂に入ることになった。
久しぶりの風呂は気持ちよく、俺たちは一層元気になった。
これで、準備万端だ。
俺は、気持ちを引き締めた。
「ここまで来るのに、随分と早かったのう」
俺の目の前には、ただひたすらに黒い穴が何個も空いていた。これは、魔王から教わった超級闇魔法の1つ。深淵。食らった者は、深淵の中で只管に落ち続ける。発動に時間はかかるものの、これで1つは奥の手を手に入れた。
しばらくすると、俺の目の前の黒い穴は消え、何も無かったように辺りは元に戻る。
深淵はどこまでも続く無。魔王のような空間魔法保持者、もしくは特殊スキルで脱出するか、同じ超級魔法もしくはスキルで相殺するしか対処法は無い。魔王ですら発動に10秒かかる所を見ると、不意打ちで使うくらいしか使い道はないように思えるが、これがあるのと無いのとでは心持ちが全然違う。
「超級闇魔法は手に入れた。次は、空間魔法じゃな」
俺は今、小さい魔物が2体入るくらいの大きさの空間に物をしまうことが出来る空間魔法を習得している。これも熟練度が上がれば入れられる量が増えるらしい。
「闇魔法と空間魔法は相性がいい。先に闇魔法を覚えさせたのもそのためじゃ」
「そうだったんだな。俺も魔王みたいに空間を移動できるようになるのか?」
「いずれはできるじゃろうな。して、お主」
「ん?」
「外に出る準備は出来ておるか?」
「あ、ああ。出来てる。ネイアはどうだ?」
「私はいつでもいけるぞ。この新しい力で早く銀狼の血のやつらをボコボコにしたくてうずうずしている」
「そうか……」
「とりあえず、一度英気を養ってから、冒険者ギルドとやらに向かうとしよう」
そう言って、魔王は魔法で土を堀って固めると、そこに空間魔法でどこからか持ってきたお湯を張り始めた。
「2人とも。臭う。風呂に入るんじゃ」
「は、ははは。そういえば、水浴びは出来ていなかったな」
「ワシはもう入った。お主らで入れ」
「ネイア、先に入っていいぞ」
「何を言う!水臭いことを言うな!一緒に入るぞ」
そう言って服を脱ぎ始めるネイア。俺は情けないことに、恥ずかしくて目を背けてしまう。
「なに!?私の裸が見られないというのか」
「そういうことじゃねぇ!」
「何をしている。お主もとっとと入らんか!」
結局、俺は服を脱がされ、ネイアと風呂に入ることになった。
久しぶりの風呂は気持ちよく、俺たちは一層元気になった。
これで、準備万端だ。
俺は、気持ちを引き締めた。
1
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
ただしい異世界の歩き方!
空見 大
ファンタジー
人生の内長い時間を病床の上で過ごした男、田中翔が心から望んでいたのは自由な世界。
未踏の秘境、未だ食べたことのない食べ物、感じたことのない感覚に見たことのない景色。
未だ知らないと書いて未知の世界を全身で感じることこそが翔の夢だった。
だがその願いも虚しくついにその命の終わりを迎えた翔は、神から新たな世界へと旅立つ権利を与えられる。
翔が向かった先の世界は全てが起こりうる可能性の世界。
そこには多種多様な生物や環境が存在しており、地球ではもはや全て踏破されてしまった未知が溢れかえっていた。
何者にも縛られない自由な世界を前にして、翔は夢に見た世界を生きていくのだった。
一章終了まで毎日20時台更新予定
読み方はただしい異世界(せかい)の歩き方です
親友に彼女を寝取られて死のうとしてたら、異世界の森に飛ばされました。~集団転移からはぐれたけど、最高のエルフ嫁が出来たので平気です~
くろの
ファンタジー
毎日更新!
葛西鷗外(かさい おうがい)20歳。
職業 : 引きこもりニート。
親友に彼女を寝取られ、絶賛死に場所探し中の彼は突然深い森の中で目覚める。
異常な状況過ぎて、なんだ夢かと意気揚々とサバイバルを満喫する主人公。
しかもそこは魔法のある異世界で、更に大興奮で魔法を使いまくる。
だが、段々と本当に異世界に来てしまった事を自覚し青ざめる。
そんな時、突然全裸エルフの美少女と出会い――
果たして死にたがりの彼は救われるのか。森に転移してしまったのは彼だけなのか。
サバイバル、魔法無双、復讐、甘々のヒロインと、要素だけはてんこ盛りの作品です。
器用さんと頑張り屋さんは異世界へ 〜魔剣の正しい作り方〜
白銀六花
ファンタジー
理科室に描かれた魔法陣。
光を放つ床に目を瞑る器用さんと頑張り屋さん。
目を開いてみればそこは異世界だった!
魔法のある世界で赤ちゃん並みの魔力を持つ二人は武器を作る。
あれ?武器作りって楽しいんじゃない?
武器を作って素手で戦う器用さんと、武器を振るって無双する頑張り屋さんの異世界生活。
なろうでも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる