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国軍尉官期
12 猛者です
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「会合中に失礼します。赤獅子隊所属中尉、ジェイソン・キャンベルであります。至急、報告したいことがあって参りました!」
緊張感のあるジェイソンの声が聞こえて、その内容を気にするよりも先に、ほっとしてしまった。
この混沌とした状況で、私以上の常識人がやってきたのだ。突っ込み役をしてくれないまでも、なんとか盛り上がっている2人を落ち着けてくれるかもしれないという希望を持って何が悪い。
扉を開けたジェイソンがアーロンに気付き、膝をつこうとして止められるという、私の時と同じくだりがあってから、ジェイソンはやっと部屋に入ってきた。
アリアがいるからだろうが、ロペス大将に何やらこそこそと話すと、さっさと礼をして出て行ってしまう。
突っ込み要員が……と内心でがっかりする私の横で、今度はロペス大将とアーロンがこそこそ話をした後、アーロンが居住まいを正した。
「さて、もう少し話していたかったが、もう時間が無いようだ」
アーロンは私に、他国での“アリアの護衛”を特別任務という形で言い渡した。
「そしてアリア殿。次にこの国に来たときは遠慮無く、また俺を訪ねてくるといい。友として歓迎しよう」
「もちろんですわ」
アリアの答えを聞くと満足気に頷き、「ではな」と言って、アーロンは颯爽と出て行った。
「私も失礼する。アリア殿はレミーとの打ち合わせが必要でしょう。このままこの部屋を使っていただいてかまいません」
そう言ったロペス大将も部下を連れて出て行った。
上司が出て行った後、『特別任務』の打ち合わせのために残った部屋で、早速アリアを問い詰めた。
「いつアーロン様と接触してたんですか?というか、よくそんな機会ありましたね」
「ほんと、アーロン様って凄いわよね!行政局で会ったとき、私の隠遁魔法を看破したのよ!」
「ちょっ、もしかして行政局で隠遁魔法使ってたんですか!?バレたら大事じゃないですか!」
「そうそう、私もバレないと思ってたから声を掛けられたときは真っ青で」
「大事になってるし!」
「それが、アーロン様お一人だったから大丈夫だったの。事情を説明したら分かってもらえて、ついでに内緒話してから逃がしてもらったわ」
ついに突っ込みが追いつかなくなって絶句した。
なんというかこの世界、猛者が多すぎる!
政治の中心である行政局で隠遁魔法を使ったアリアもアリアだが、使ってるのを目撃した国主がその当人と仲良くなっているのはどういうことだと聞きたい。
“女子なのにイケメン”って自分で言うのも何だけど、突っ込まれる要素過多なのに、どうして私はよく突っ込む側になっているのか……
頭を抱えた私を見て、アリアは楽しそうに笑った。
「“レミー”が頭を抱えるなんて、珍しいものを見たわ」
「あなた方はそれだけのことをしているのですよ……」
「ふふっ次からは気をつけるわ」
さらっと答えられて、乾いた笑いが漏れる。
きっと彼女の前世はかなりやんちゃで、“アリア”の真面目さではカバーできなかったのかもしれない。
どうしよう。前にあったときの印象でだまされたかもしれない……。
「そうしてください……」
私にはそう言うのが精一杯だった。
緊張感のあるジェイソンの声が聞こえて、その内容を気にするよりも先に、ほっとしてしまった。
この混沌とした状況で、私以上の常識人がやってきたのだ。突っ込み役をしてくれないまでも、なんとか盛り上がっている2人を落ち着けてくれるかもしれないという希望を持って何が悪い。
扉を開けたジェイソンがアーロンに気付き、膝をつこうとして止められるという、私の時と同じくだりがあってから、ジェイソンはやっと部屋に入ってきた。
アリアがいるからだろうが、ロペス大将に何やらこそこそと話すと、さっさと礼をして出て行ってしまう。
突っ込み要員が……と内心でがっかりする私の横で、今度はロペス大将とアーロンがこそこそ話をした後、アーロンが居住まいを正した。
「さて、もう少し話していたかったが、もう時間が無いようだ」
アーロンは私に、他国での“アリアの護衛”を特別任務という形で言い渡した。
「そしてアリア殿。次にこの国に来たときは遠慮無く、また俺を訪ねてくるといい。友として歓迎しよう」
「もちろんですわ」
アリアの答えを聞くと満足気に頷き、「ではな」と言って、アーロンは颯爽と出て行った。
「私も失礼する。アリア殿はレミーとの打ち合わせが必要でしょう。このままこの部屋を使っていただいてかまいません」
そう言ったロペス大将も部下を連れて出て行った。
上司が出て行った後、『特別任務』の打ち合わせのために残った部屋で、早速アリアを問い詰めた。
「いつアーロン様と接触してたんですか?というか、よくそんな機会ありましたね」
「ほんと、アーロン様って凄いわよね!行政局で会ったとき、私の隠遁魔法を看破したのよ!」
「ちょっ、もしかして行政局で隠遁魔法使ってたんですか!?バレたら大事じゃないですか!」
「そうそう、私もバレないと思ってたから声を掛けられたときは真っ青で」
「大事になってるし!」
「それが、アーロン様お一人だったから大丈夫だったの。事情を説明したら分かってもらえて、ついでに内緒話してから逃がしてもらったわ」
ついに突っ込みが追いつかなくなって絶句した。
なんというかこの世界、猛者が多すぎる!
政治の中心である行政局で隠遁魔法を使ったアリアもアリアだが、使ってるのを目撃した国主がその当人と仲良くなっているのはどういうことだと聞きたい。
“女子なのにイケメン”って自分で言うのも何だけど、突っ込まれる要素過多なのに、どうして私はよく突っ込む側になっているのか……
頭を抱えた私を見て、アリアは楽しそうに笑った。
「“レミー”が頭を抱えるなんて、珍しいものを見たわ」
「あなた方はそれだけのことをしているのですよ……」
「ふふっ次からは気をつけるわ」
さらっと答えられて、乾いた笑いが漏れる。
きっと彼女の前世はかなりやんちゃで、“アリア”の真面目さではカバーできなかったのかもしれない。
どうしよう。前にあったときの印象でだまされたかもしれない……。
「そうしてください……」
私にはそう言うのが精一杯だった。
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