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母親
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それから4ヶ月、ぼくは1日の休みもなく毎日客を取らされた。時には1日に3回も客を取らせれ、3PやSMもさせられ、酷い時は10人に連続して廻された。
泣きながら犯され続けるぼくの動画を売るためだった。
ぼくの身体は傷だらけで、肛門は入り口はもちろん内壁も充血して赤く腫れ上がり、突かれすぎた胃腸は常に鈍痛がした。
ぼくの心は次第に壊れていった。時々訳もなく涙が出たし、頭がぼんやりして本を読んでも内容がなかなか頭に入ってこなかった。犯されている時、いつものように本で読んだ物語の世界に逃避しようとしても物語を思い浮かべることができない事が多くなり、ただ苦痛のみを感じながら男達が吐精し解放されるのをひたすらに待った。
「ァン、、アッ、気持ち…良い…」
などと演技をしながら、いっそ本当に気持ち良くなれば楽かと快感を拾おうとしてみたが、うまくいかない時の方が多かった。優しく抱いてもらえる時はまだしも、大抵の客は性処理の道具としか思っていないぼくが気持ち良いかどうかなどに興味はなかった。乱暴に突かれる痛みに気持ちが萎えて、微かに拾えた快感もどこかに消えてしまうのだった。
その4ヶ月の間にぼくは3年生になった。
でもぼくにはそんな事は関係なかった。春休みは昼も夜も働かされて、休み明け、ボロボロになった身体を引きずるように学校に行った。給食を食べるためだ。朝まで寝かせてもらえない日も、どうしても起き上がれない程痛めつけられた日を除いて、昼前には起きてぼんやりした頭で学校に行き給食を食べた。給食を食べながらでも参考書を読む吉田君の横で、ぼくは食べ終わったら保健室のベッドで寝た。身体を起こしていられないのだ。
流石に教師も心配したが、何度かけても電話に出ない母に面倒になるのか、そのうち何も言わなくなった。
辛くなると吉田君に世界を粉々にする日の話をもう一度して、と強請った。その物語だけは、ぼくの中に残り続けた。
「どうしたの?身体、どこか悪いの?」
吉田君だけはずっとぼくを心配してくれた。大丈夫だよ、と笑う事が難しい日もあった。
「うん、ちょっとね。仕事が大変なんだ。」
「え?花森君仕事してるの?」
「うん。まあね。」
「何の仕事?え?中学生ができる仕事って言ったら…… え?芸能活動とか?」
吉田君は頭が良いくせに突拍子もない事を言う。
「ああ、えと、うん。まあ、そんなようなもんかな。内緒ね。」
「へー、やっぱりね。花森君ってすごく綺麗な顔してるから、芸能人みたいって思ってたけど、本当にそうだったんだ。すごいね。」
吉田君はやっぱりちょっとズレてる。でも、吉田君に綺麗な顔と言われて、ほんの少し嬉しい。ぼくが汚れてるの、吉田君にはまだバレてないんだ。それが嬉しかった。
その4ヶ月の間、母とは滅多に顔を合わせなかった。帰ってこない日も多く、たまに帰ってきても母は自分の部屋から出てこなかった。母の部屋は絶対に開けてはいけないと言われていたので、朝まで犯されて帰ってきた日などはそこに母がいるのかどうかも分からなかった。
たまに顔を合わせても、母は絶対に話しかけてはこなかったし、ぼくの方を見もしなかった。
お母さん、ぼくがこんなに痛めつけられるのは、お母さんの為じゃないの?辛い仕事も、お母さんのために耐えてるんじゃないのか。
ぼくが、酷い暴力や陵辱に耐えて得たお金で、母はホストクラブに行き酒を飲み、朝方に帰ってトイレで吐くのだ。そして、ぼくなどそこにいないように振る舞う。
母にとってぼくは何なのだろう。なぜ、ぼくを産んだのだろう。
ぼくは、母の物で溢れかえった狭い1DKのアパートのダイニングの片隅に敷かれた布団に丸まって身を横たえ、痛みと悲しみに耐えながら、母に一言声をかけてもらえるのを待っていた。
でも、母がぼくに声をかけてくれる事はなかった。ぼくは、死んだ父さんを思い浮かべた。
「父さんが死んだら、お前が母さんを守ってくれな。」
母さんは弱いから、弱すぎていろんな事に耐えられないから、だから現実逃避するために夜遊びに行っちゃうんだ、だから、許してやろう。
そう言ったのは、父さんだった。
お母さんを守り、ぼくも守ってくれてた父さんは、お母さんの借金を返済するために働き過ぎて過労死した。
父さん、ぼくも父さんのように、死ぬまでお母さんの為にこの身体を捧げないといけないの?じゃあ、ぼくは、ぼくと父さんは、何のために生きていたの?
ぼくはもう何も分からなかった。
ただ1つだけ分かった事は、お母さんにとっても、客の男達にとっても、この世界にとってぼくは、ただの薄汚れた道具である、という事だった。
ぼくは独りぼっちであまりにも孤独で、夜家に帰るのが苦痛になった。母の為にこんな事までして金を稼いだのに、その母に無視されて、惨めな気持ちでダイニングの薄汚れた布団に包まるのが、辛くなった。
あまりに淋しくて、神田さんのような優しいお客様に、
「宿泊コースにして下さい。朝まで一緒にいたい。」
と強請った事もあった。
そしてお客様に掻き抱かれながら朝を迎える度に、虚しさと激しい自己嫌悪に苛まれた。
ある夜、暴力を振るうのが好きな客に乳首にピアスをされた。オプションとしてどれだけのお金が支払われたのか、ぼくには分からない。許可しないでと泣いて懇願するぼくに、店長は平手打ちして言った。
「乳首ピアス位でガタガタ泣いてんじゃねーよ、うるせーな!!腕の骨折りてーって客だっているんだぞ!やられてえのか?」
ぼくは痛みと恐怖に震えながら耐えるしかなかった。散々弄くり回されて硬く勃ち上がり敏感になった乳首に、太い針がブスリと刺されて、ぼくは失禁して気を失った。男は気を失ったぼくをビンタしてわざわざ意識を取り戻させてから、もう片方の乳首に針を刺した。
その後の3日間は地獄のようだった。常に乳首にドクドクと波打つように激痛が走り、服に擦れると涙が出た。それでも仕事は休ませてもらえず、ピアスを見た客は皆喜んで触りたがった。
「ひ、酷く痛むんです。まだ開けたばかりで傷が治ってないから。お願いします。どうか、どうか今日だけは乳首触らないで下さい。」
と泣きながら頭を床に擦り付けて懇願しても、やめてもらえない時もあった。
学校で吉田君は、痛みのせいで食欲のないぼくを心配してくれた。服で擦れないように絆創膏を貼っていても、ほんの少しの身じろぎで声が漏れそうな程痛かった。
「どこが痛いの?病院行った方が良いんじゃない?」
ぼくはいつものように大丈夫、と笑う事ができなかった。
吉田君、早く爆弾作って。
早くこの残酷な世界を粉々にしてよ。
ぼく、もう限界なんだ。
ぼくはそれを声にできず、何も言わずに吉田君の顔を眺め続けた。
その夜、ぼくは我慢できずにお母さんの部屋の扉をノックした。
「お母さん、お願い。病院に連れて行って。もう、ぼく無理。身体が痛いんだ。助けて、お母さん。」
お母さんは何も言わなかった。
ぼくはもう嗚咽を堪えられなかった。
「お母さん、お願い。
もう、仕事辞めさせて。」
返事はなかった。
「ごめん。ごめんなさい。
お母さん。仕事、辞めないから。
お母さん、お願い。
せめて。せめて一言、ぼくの事を愛してるって言って。
お願い。
嘘でも良いから。
口で言うだけで良いから。
そうしたら、痛いのも我慢出来るかもしれない。お願いだよ、お母さん。
ねえ、お母さん。」
部屋の中からは、物音ひとつ、しなかった。
その夜、ぼくの心は完全に、粉々に、
砕け散った。
泣きながら犯され続けるぼくの動画を売るためだった。
ぼくの身体は傷だらけで、肛門は入り口はもちろん内壁も充血して赤く腫れ上がり、突かれすぎた胃腸は常に鈍痛がした。
ぼくの心は次第に壊れていった。時々訳もなく涙が出たし、頭がぼんやりして本を読んでも内容がなかなか頭に入ってこなかった。犯されている時、いつものように本で読んだ物語の世界に逃避しようとしても物語を思い浮かべることができない事が多くなり、ただ苦痛のみを感じながら男達が吐精し解放されるのをひたすらに待った。
「ァン、、アッ、気持ち…良い…」
などと演技をしながら、いっそ本当に気持ち良くなれば楽かと快感を拾おうとしてみたが、うまくいかない時の方が多かった。優しく抱いてもらえる時はまだしも、大抵の客は性処理の道具としか思っていないぼくが気持ち良いかどうかなどに興味はなかった。乱暴に突かれる痛みに気持ちが萎えて、微かに拾えた快感もどこかに消えてしまうのだった。
その4ヶ月の間にぼくは3年生になった。
でもぼくにはそんな事は関係なかった。春休みは昼も夜も働かされて、休み明け、ボロボロになった身体を引きずるように学校に行った。給食を食べるためだ。朝まで寝かせてもらえない日も、どうしても起き上がれない程痛めつけられた日を除いて、昼前には起きてぼんやりした頭で学校に行き給食を食べた。給食を食べながらでも参考書を読む吉田君の横で、ぼくは食べ終わったら保健室のベッドで寝た。身体を起こしていられないのだ。
流石に教師も心配したが、何度かけても電話に出ない母に面倒になるのか、そのうち何も言わなくなった。
辛くなると吉田君に世界を粉々にする日の話をもう一度して、と強請った。その物語だけは、ぼくの中に残り続けた。
「どうしたの?身体、どこか悪いの?」
吉田君だけはずっとぼくを心配してくれた。大丈夫だよ、と笑う事が難しい日もあった。
「うん、ちょっとね。仕事が大変なんだ。」
「え?花森君仕事してるの?」
「うん。まあね。」
「何の仕事?え?中学生ができる仕事って言ったら…… え?芸能活動とか?」
吉田君は頭が良いくせに突拍子もない事を言う。
「ああ、えと、うん。まあ、そんなようなもんかな。内緒ね。」
「へー、やっぱりね。花森君ってすごく綺麗な顔してるから、芸能人みたいって思ってたけど、本当にそうだったんだ。すごいね。」
吉田君はやっぱりちょっとズレてる。でも、吉田君に綺麗な顔と言われて、ほんの少し嬉しい。ぼくが汚れてるの、吉田君にはまだバレてないんだ。それが嬉しかった。
その4ヶ月の間、母とは滅多に顔を合わせなかった。帰ってこない日も多く、たまに帰ってきても母は自分の部屋から出てこなかった。母の部屋は絶対に開けてはいけないと言われていたので、朝まで犯されて帰ってきた日などはそこに母がいるのかどうかも分からなかった。
たまに顔を合わせても、母は絶対に話しかけてはこなかったし、ぼくの方を見もしなかった。
お母さん、ぼくがこんなに痛めつけられるのは、お母さんの為じゃないの?辛い仕事も、お母さんのために耐えてるんじゃないのか。
ぼくが、酷い暴力や陵辱に耐えて得たお金で、母はホストクラブに行き酒を飲み、朝方に帰ってトイレで吐くのだ。そして、ぼくなどそこにいないように振る舞う。
母にとってぼくは何なのだろう。なぜ、ぼくを産んだのだろう。
ぼくは、母の物で溢れかえった狭い1DKのアパートのダイニングの片隅に敷かれた布団に丸まって身を横たえ、痛みと悲しみに耐えながら、母に一言声をかけてもらえるのを待っていた。
でも、母がぼくに声をかけてくれる事はなかった。ぼくは、死んだ父さんを思い浮かべた。
「父さんが死んだら、お前が母さんを守ってくれな。」
母さんは弱いから、弱すぎていろんな事に耐えられないから、だから現実逃避するために夜遊びに行っちゃうんだ、だから、許してやろう。
そう言ったのは、父さんだった。
お母さんを守り、ぼくも守ってくれてた父さんは、お母さんの借金を返済するために働き過ぎて過労死した。
父さん、ぼくも父さんのように、死ぬまでお母さんの為にこの身体を捧げないといけないの?じゃあ、ぼくは、ぼくと父さんは、何のために生きていたの?
ぼくはもう何も分からなかった。
ただ1つだけ分かった事は、お母さんにとっても、客の男達にとっても、この世界にとってぼくは、ただの薄汚れた道具である、という事だった。
ぼくは独りぼっちであまりにも孤独で、夜家に帰るのが苦痛になった。母の為にこんな事までして金を稼いだのに、その母に無視されて、惨めな気持ちでダイニングの薄汚れた布団に包まるのが、辛くなった。
あまりに淋しくて、神田さんのような優しいお客様に、
「宿泊コースにして下さい。朝まで一緒にいたい。」
と強請った事もあった。
そしてお客様に掻き抱かれながら朝を迎える度に、虚しさと激しい自己嫌悪に苛まれた。
ある夜、暴力を振るうのが好きな客に乳首にピアスをされた。オプションとしてどれだけのお金が支払われたのか、ぼくには分からない。許可しないでと泣いて懇願するぼくに、店長は平手打ちして言った。
「乳首ピアス位でガタガタ泣いてんじゃねーよ、うるせーな!!腕の骨折りてーって客だっているんだぞ!やられてえのか?」
ぼくは痛みと恐怖に震えながら耐えるしかなかった。散々弄くり回されて硬く勃ち上がり敏感になった乳首に、太い針がブスリと刺されて、ぼくは失禁して気を失った。男は気を失ったぼくをビンタしてわざわざ意識を取り戻させてから、もう片方の乳首に針を刺した。
その後の3日間は地獄のようだった。常に乳首にドクドクと波打つように激痛が走り、服に擦れると涙が出た。それでも仕事は休ませてもらえず、ピアスを見た客は皆喜んで触りたがった。
「ひ、酷く痛むんです。まだ開けたばかりで傷が治ってないから。お願いします。どうか、どうか今日だけは乳首触らないで下さい。」
と泣きながら頭を床に擦り付けて懇願しても、やめてもらえない時もあった。
学校で吉田君は、痛みのせいで食欲のないぼくを心配してくれた。服で擦れないように絆創膏を貼っていても、ほんの少しの身じろぎで声が漏れそうな程痛かった。
「どこが痛いの?病院行った方が良いんじゃない?」
ぼくはいつものように大丈夫、と笑う事ができなかった。
吉田君、早く爆弾作って。
早くこの残酷な世界を粉々にしてよ。
ぼく、もう限界なんだ。
ぼくはそれを声にできず、何も言わずに吉田君の顔を眺め続けた。
その夜、ぼくは我慢できずにお母さんの部屋の扉をノックした。
「お母さん、お願い。病院に連れて行って。もう、ぼく無理。身体が痛いんだ。助けて、お母さん。」
お母さんは何も言わなかった。
ぼくはもう嗚咽を堪えられなかった。
「お母さん、お願い。
もう、仕事辞めさせて。」
返事はなかった。
「ごめん。ごめんなさい。
お母さん。仕事、辞めないから。
お母さん、お願い。
せめて。せめて一言、ぼくの事を愛してるって言って。
お願い。
嘘でも良いから。
口で言うだけで良いから。
そうしたら、痛いのも我慢出来るかもしれない。お願いだよ、お母さん。
ねえ、お母さん。」
部屋の中からは、物音ひとつ、しなかった。
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砕け散った。
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