救い

ken

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神田さん

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「要る?」
隣にいた女子高生がカロリーメイトをくれた。
「ありがとう。」
「え?これ私のじゃないよ。ここのお菓子。食べても良いんだよ。」
「ぼくも?」
「え?良いんじゃないの?あんただけダメとか、あるの?」
「あ、えーと。わ、分かんない。」
「みんな食べて良いよってお菓子なんだから、あんたも食べて良いんじゃね?」
「あ、はい。あ、ありがとうございました。」
もらったカロリーメイトをモソモソと齧り、水を飲む。神田さんがもしご飯を食べさせてくれなかったら、今日のご飯はこれで終わりかも知れない。
「ねえ、あんたさ、親に売られたの?」
隣の女子高生がまた話しかけてきた。くるりとカールした睫毛に何か塗っている。ぼくはなるべく隣を見ないようにした。化粧をしているところをジロジロ見ると嫌がる人が多いから。
「あ、は、はい。えーと、そんなようなものです。」
「大変だね、あんたも。中学生なんでしょ?何年?」
「2年生です。」
「学校、行ってんの?」
「い、一応…」
「てかさ、さっき。フェラ、させられてたでしょ、店長の。」
「は、はい。下手だから、ぼく。練習しろって…」
「マジでクズだね、あいつ。死ねば良いのに。あたしさ、ここ来たばっかの時にあいつにヤラれてから、毎日あいつが病気になってちんこ腐って死ねって呪いかけてるんだ~」
「……フフ…  呪いか…(笑)」
「あ、やっと笑ったね。あんたさ、ずっと泣きそうな顔してるから。笑った方が良いよ、そっちの方が可愛い。」
「可愛いくなんかないよ。汚いから、ぼく。」
「森田に言われたんでしょ。気にしない方が良い。あいつさ、親が貧乏な癖に無理して金持ちの行く私立の大学行ってんのよ、バカだから国立大学とか行けないし、そのくせくだらないプライドだけあって。だからさ、金持ちのクラスメイトに嫉妬して僻んでんのよ。その鬱憤を私らで晴らしてんの。自分は身体売ってないってのだけがあいつのクソみたいなプライドの支えなんだよ、馬鹿みて~。でもね、見ててみ。そのうちあいつも身体売るから。金持ちのクラスメイトに馬鹿にされないように必死で、無理して金使いまくってるから。そんな事しても貧乏なのバレて馬鹿にされてんのに。アホみたい。」
「……すごいね。なんか、ハハハ。ありがとう。ちょっとすっきりした。」
「でしょ。今度汚ねぇとかあいつに言われたら、私らが汚いならお前は汚い私らの汗と涙の残り滓啜って生きてる寄生虫だろ?って心の中で言うの。店長も。ちんこ腐って悶え苦しみながら死ぬとこ想像するんだよ。」
「うん、そうする。ありがとう。」
ぼくはにっこりと笑って見せた。
「うん、良いね。可愛い。あ、待って。これ、馬油。あげるよ、使いかけだけど。傷に良いよ。ローションの代わりに使ってみ。治りが早いよ。」
「ありがとうございます!!」

時間だ。トイレに行ってウォシュレットで念入りに肛門の中を洗う。一番弱くしても、声が漏れそうな程の痛みが走る。トイレットペーパーには血が付いていた。もらった小瓶の白い軟膏みたいなのを塗ってみる。ローションよりベタベタしなくて良い。
トイレから出てもう一度お礼を言おうとした時には、もう彼女はいなかった。

店長に神田さんがマンションのエントランスまで来たと言われて、リュックを背負い下まで行く。
「こんばんは。今日は買って下さってありがとうございます。」
深々と頭を下げて挨拶をする。
「カケルくん!元気?久しぶりだね。」
「はい、お久しぶりです。」
ぼくはスッと神田さんの手を握る。
「おっ!カケルくん、今日は積極的だね。僕に会えなくて寂しかったの?」
神田さんは嬉しそうに指絡ませて手を密着させてきた。汗でベタベタした手が気持ち悪い。でもぼくはそんな事はおくびにも出さず、にっこりと笑いかける。
「すごく寂しかった。」
今日は特に神田さんの機嫌を損ねないようにしないと。何とか挿入無しで、フェラまでで満足してもらわないと。それに、できれば宿泊コース、それが無理ならせめて4時間コースにしてもらいたい。でないと、神田さんの後にもう1人くらい客を取らさせられるかも知れない。

「お腹空いた?なんか食べる?」

慎重に。どう言えば神田さんが喜ぶか…

「……あ、う、うん。でも…ぼくお金持ってないし、いい。いつも神田さんに奢ってもらってばかりだから。」
「もう、カケルくんは…遠慮しないの!カケルくんとご飯食べたいんだから!!」
ぼくは申し訳無さそうな顔を作って上目で神田さんを見つめる。ぼくはこういうのが本当は得意じゃないから、下手な芝居がバレて余計にお客様を怒らせる時がある。ボロが出る前に芝居をやめないと。
「わぁ!嬉しい。ありがとう、神田さん。楽しみ!」
これは嘘じゃない。別に神田さんと食べたくはないけれど、ようやくまともな食事ができるのは本当に嬉しい。本当はお腹が空き過ぎて足に力が入らない。
「僕のおすすめのピザ屋さんに連れてってあげるよ。」
「嬉しい!!ピザ、大好き!」
これも嘘じゃない。反射的にピザを思い浮かべたせいか、お腹がグルグルと鳴ってさらに神田さんを喜ばせた。

神田さんが追加で注文してくれた2枚目のピザを食べてる頃には、もうぼくは目の前の神田さんが本当に神様のように思えてきた。
「美味しい!!本当に、神田さん、ありがとう!!」
「そんな目をうるうるさせて言われると、もっと奢っちゃいたくなるな~。デザートも、食べる?」
「良いの?」
「もちろん!」
デザートの盛り合わせを目にしたぼくは、ほとんど泣きそうになる。
「後でいっぱいご奉仕するね。」
神田さんの耳元で囁くと、神田さんは満足そうに微笑んで頭を撫でてくれた。

ホテルの部屋に入るとぼくは、すぐに土下座して挨拶した。
「今日はありがとうございます。精一杯ご奉仕しますので、どうかぼくを使って下さい。」
頭を地面に付けたまま言う。
「良いよ、頭上げて。カケルくんって外では普通の中学生なのに、ギャップがすごいよ。エロいなぁ。」
ソファに座った神田さんのところまでそのまま四つ這いで行き、神田さんの足元に跪いて靴の先をペロペロと舐めた。時折神田さんの顔を見上げながら、たっぷり足に奉仕する。靴を脱がして、靴下を口に咥えて脱がせ、足の指一本一本にキスをする。蒸れて据えた臭いのする足の指や足の裏を丁寧に舐め上げ、指を口に含んで吸う。チラチラと神田さんを見上げると、満足そうに頭を撫でてくれて安心する。そのまま丁寧にふくらはぎや膝の裏、太ももに舌と唇を這わせる。
神田さんはもうすでに恍惚とした表情だ。今のところうまくいっている。
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