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40(終) 未来へ
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澄み切った青空の下、紅葉した楓が鮮やかに街を彩る。
散った葉が地面を覆い、足元さえも美しい秋の色に染め上げていた。
「綺麗だな」
康介が感嘆の声を漏らす。
彼の隣に立つ楓がベージュ色の肩掛けを揺らして小さく頷いた。
整然と立ち並ぶ紅い街路樹の道を、康介と楓はゆっくりと歩く。
頭に巻かれている包帯は相変わらずだったが、楓は自宅に帰ることが許された。
出血こそ多かったが、頭蓋骨や脳への影響は無いことが判明したのだ。
時によろめく楓の体を康介がしっかりと支えて、二人はゆっくりと前に進んだ。
「この道を楓と一緒に歩くことができて良かった」
「僕も、この景色を康介さんと一緒に見れて嬉しい」
紅葉の中で楓が微笑む。
以前よりも陰を帯びたその佇まいは、美しい絵のように康介の目に映し出された。
それは神秘的で儚くて……
思わず手を伸ばした康介が、強い力で楓の腕を掴んだ。
「康介さん?」
「さあ、帰ろう。俺たちの家に」
「うん」
神にも悪魔にもその存在を奪い取られないように、康介はずっと楓の腕を離さなかった。
自宅に帰りつく。
何もかもが解決して辿り着いた自宅は、ようやく本当に“帰ってきた“ような気がした。
温かいお茶を飲み、他愛のない会話を交わし、笑い合う。
取り戻した日常の、その全てが堪らなく愛おしかった。
そうして眠りに就く前のこと、楓が妙なことを言い出した。
「もういいってどういう事だ? 俺は全然良くないんだが」
「康介さんの気持ちはありがたいけど、でもやっぱり相手の女の人に悪いから」
「は?」
一緒に寝ることを拒むようなことを楓が言ってきた。
だが、その理由として述べた言葉に康介は眉を顰める。
「一体何のことを言ってるんだ?」
「横井さんって女の人」
「横井だと?」
「康介さんの想い人でしょ?
リビングにヘアピンがあったし、街で腕を組んでるところも見かけたし。
事件のことがあるから僕に遠慮してくれてるんだと思うけど、
その人に悪いから、もう……」
「いやいやいや、そいつはとんだ勘違いだ」
何がどうなってそんな誤解が生まれてしまったのか、と康介は頭を抱える。
「確かに、あいつがうちに来たことはあるが、いずれも仕事の内だ。
あいつは本当にただの同僚で……いや、今はもう同僚ですらない」
「え?」
「あいつは、今やただの犯罪者だ」
「え……?」
「まあ、色々あってな。とにかく、お前が考えてるようなことは何も無い。
これだけは揺るがない事実だ」
「そうなんだ」
「分かったら、ちゃんと俺と一緒に居ろ。お前が気を遣うようなことは何も無いから」
「…………」
今ひとつ不安そうな顔をしている楓を見て、康介がやれやれとため息混じりに微笑む。
そして、両手で楓の顔を包んで、しっかりと目を合わせた。
「いいか? 俺が何よりも大事にしたいのはお前なんだ。
気を遣ってるとかじゃなくて、本当に心からそう思ってる」
「……うん。ありがと」
「まだ不安そうだな。だったら何度でも言ってやるぞ。俺は……」
「う、ううん。もう充分だから」
康介の言葉を真正面から受けて、楓は顔を赤くして目を伏せた。
その目には涙が浮かんでいた。
そうやって恥ずかしそうにしている様が可愛くて、康介は笑いながら楓の頭を撫でる。
「よし、良い子だ。じゃあ、寝るか」
康介に手を引かれて、寝室に入る。
同じベッドに横になり、その温もりに体も心も預けてしまいそうになる。
それを意思の力で思い留めて、楓は康介に話しかけた。
「あ、あのね」
「ん? どうした?」
「あの……」
先ほどの気恥ずかしさを引き摺っているのか、言い出しづらそうに口籠る。
が、やがて意を決したように口を開いた。
「僕も、同じ」
「ん?」
「康介さんのことを何よりも大切に思ってるから」
「楓……!」
必死に思いを口にすると、楓は真っ赤にした顔をシーツに埋めてしまった。
健気な言葉を受け取って、康介は心が満たされる思いを噛み締めた。
そして、顔を隠してしまった楓をそのまま抱き寄せて、耳元で囁いた。
「ありがとう」
カーテンの隙間から月の光が差し込んでくる。
それに楓を奪われないように、康介はより強い力で楓を抱き締めた。
その夜は、悪夢に魘されることもなく二人とも安らかな眠りを得ることができた。
明けた土曜日、そして日曜日。
康介と楓は実に穏やかな時を一緒に過ごした。
自宅で過ごす他に、外食をしたり買い物に行ったりもした。
先日行き損ねた現代アートの展示会も一緒に見に行った。
普通に一緒に過ごせることが本当に幸せだと、心から思った。
そうして月曜日の朝が来る。
「本当に大丈夫か?」
「うん」
「辛くなったら遠慮なく周りの人間に頼るんだぞ。何なら、俺に連絡しても良いから」
「うん」
「お前は、辛くても我慢して溜め込んで、仕舞いに倒れるタイプだからなあ。
やっぱり心配なんだよ」
「あはは……」
康介の心配ぶりに楓が苦笑いする。
楓は、高校の制服を纏っていた。
今日から登校を再開するのだ。
久しぶりに袖を通した制服は、以前よりも布が余ってしまっていた。
事件の影響で、思っていた以上に体がすり減ってしまったらしい。
その姿の頼りなさに、康介はますます不安を募らせる。
「もう少し自宅療養してても良かったと思うんだがなあ」
「さすがに、勉強についていけなくなりそう。出席日数とかも気になるし」
「そんなもの、どうとでもなる。大事なのは、お前自身だ」
「うん。頑張る」
「頑張らなくて良い。いや、無理しないように頑張れ。うーん、何言ってるんだ、俺」
「あはは……」
不毛なやり取りを繰り返しながら玄関の扉を開けて、マンションの外に出る。
秋晴れの空の下、ひんやりとした空気が肌に触れる。
通勤や通学で人々が行き交う、いつもの風景がそこにあった。
楓が通学の為に向かう駅と、康介の勤務先である警察署は反対方向にある。
つまり、一緒にいられるのはここまでなのだ。
そのことを肌で実感した楓は、急に不安そうに瞳を揺るがせた。
「………」
俯いて鞄を両手でぎゅっと握りしめる。
その手が僅かに震えていたのを見て、康介が楓の背中をポンと軽く叩いた。
「楓」
「あ、うん。ごめん、大丈夫だから」
「楓、良いものをあげよう」
「え?」
戸惑う楓の目の前で、康介は左手の薬指にはめていた指輪を外した。
そして、それを楓の制服の胸ポケットの中に入れた。
「この10年、俺とお前を守ってくれたものだ。
今までは俺が持ってたけど、これからはお前が持っておくと良い」
「でも、こんな大事なもの……」
「良いんだよ。また買うから。そうだなあ、次はお前とお揃いのものを買おうかな」
「え?」
「なんてな」
「…………」
「まあ、そういうわけだ。お守りだと思って持っておけ」
「うん」
楓は左の胸ポケットの布ごしに指輪の存在を確認する。
触れると、じんわりと胸が温かくなるような気がした。
「これで、少しはマシになったかな」
「……うん」
少し俯いて、それから顔を上げて楓は康介に微笑んで言った。
「あの……ありがとう、お父さん」
「えっ?」
思いもよらない言葉に康介は目を丸くする。
親子になる前からも、親子になってからも、ずっと「康介さん」と呼んでいた楓から、
初めて「お父さん」と呼ばれたのだ。
驚きと照れで、不思議な感情があふれる。
それは楓も同じだったらしく、顔を赤く染めて照れながら笑っていた。
「なんか、変な感じ。やっぱり慣れてないから、しっくりこないね」
「はは、そうだな。ははは……」
改めて深呼吸をしてから、楓は笑顔で手を振った。
「じゃあ、行ってきます。康介さん」
「ああ、行っておいで」
康介に背を向けて、楓は一人で駅のほうへ向かう。
ひょろひょろと歩く頼りない後ろ姿を、康介は不安そうに見守る。
そうやって見ていると、横の道から茶髪の少年が現れた。
楓の友人の北條蒼真だ。
蒼真に声を掛けられた楓は、一瞬ビクッと体を震わせて驚いたが、すぐに笑顔になった。
そうして、楓の隣に蒼真が立ち、二人で一緒に駅まで歩いていく。
「…………」
一連の様子を見ていた康介は、「ふう」とため息混じりに微笑んだ。
多分、大丈夫だと思えたのだ。
楓にとっての本当の闘いはむしろこれからだ。
浦坂が死んだところで、楓が受けた傷は消えることはないし、
忌まわしい記憶は悪夢となっていつでも襲いかかってくる。
祐子によって刷り込まれた『悪魔の声』も未だに楓を内側から壊そうとする。
それらを抱えて生きていくのは決して容易いことではない。
でも、楓の心を支える存在は確かにある。
だから、大丈夫。きっと一緒に生きてゆける。
そう思って、康介は微笑んだ。
そして、踵を返した。
勤務先である警察署に向かって歩きだす。
(さてと、もうすぐ楓の誕生日だな。プレゼントは何が良いかな)
少し先の楽しみに思いを馳せながら、康介は前に進んだ。
後には、街路樹の楓の葉が、ひらりと美しく舞うのだった。
終
─────────────────────────
これにておしまいです。
最後までご覧頂きまして、誠にありがとうございました。
散った葉が地面を覆い、足元さえも美しい秋の色に染め上げていた。
「綺麗だな」
康介が感嘆の声を漏らす。
彼の隣に立つ楓がベージュ色の肩掛けを揺らして小さく頷いた。
整然と立ち並ぶ紅い街路樹の道を、康介と楓はゆっくりと歩く。
頭に巻かれている包帯は相変わらずだったが、楓は自宅に帰ることが許された。
出血こそ多かったが、頭蓋骨や脳への影響は無いことが判明したのだ。
時によろめく楓の体を康介がしっかりと支えて、二人はゆっくりと前に進んだ。
「この道を楓と一緒に歩くことができて良かった」
「僕も、この景色を康介さんと一緒に見れて嬉しい」
紅葉の中で楓が微笑む。
以前よりも陰を帯びたその佇まいは、美しい絵のように康介の目に映し出された。
それは神秘的で儚くて……
思わず手を伸ばした康介が、強い力で楓の腕を掴んだ。
「康介さん?」
「さあ、帰ろう。俺たちの家に」
「うん」
神にも悪魔にもその存在を奪い取られないように、康介はずっと楓の腕を離さなかった。
自宅に帰りつく。
何もかもが解決して辿り着いた自宅は、ようやく本当に“帰ってきた“ような気がした。
温かいお茶を飲み、他愛のない会話を交わし、笑い合う。
取り戻した日常の、その全てが堪らなく愛おしかった。
そうして眠りに就く前のこと、楓が妙なことを言い出した。
「もういいってどういう事だ? 俺は全然良くないんだが」
「康介さんの気持ちはありがたいけど、でもやっぱり相手の女の人に悪いから」
「は?」
一緒に寝ることを拒むようなことを楓が言ってきた。
だが、その理由として述べた言葉に康介は眉を顰める。
「一体何のことを言ってるんだ?」
「横井さんって女の人」
「横井だと?」
「康介さんの想い人でしょ?
リビングにヘアピンがあったし、街で腕を組んでるところも見かけたし。
事件のことがあるから僕に遠慮してくれてるんだと思うけど、
その人に悪いから、もう……」
「いやいやいや、そいつはとんだ勘違いだ」
何がどうなってそんな誤解が生まれてしまったのか、と康介は頭を抱える。
「確かに、あいつがうちに来たことはあるが、いずれも仕事の内だ。
あいつは本当にただの同僚で……いや、今はもう同僚ですらない」
「え?」
「あいつは、今やただの犯罪者だ」
「え……?」
「まあ、色々あってな。とにかく、お前が考えてるようなことは何も無い。
これだけは揺るがない事実だ」
「そうなんだ」
「分かったら、ちゃんと俺と一緒に居ろ。お前が気を遣うようなことは何も無いから」
「…………」
今ひとつ不安そうな顔をしている楓を見て、康介がやれやれとため息混じりに微笑む。
そして、両手で楓の顔を包んで、しっかりと目を合わせた。
「いいか? 俺が何よりも大事にしたいのはお前なんだ。
気を遣ってるとかじゃなくて、本当に心からそう思ってる」
「……うん。ありがと」
「まだ不安そうだな。だったら何度でも言ってやるぞ。俺は……」
「う、ううん。もう充分だから」
康介の言葉を真正面から受けて、楓は顔を赤くして目を伏せた。
その目には涙が浮かんでいた。
そうやって恥ずかしそうにしている様が可愛くて、康介は笑いながら楓の頭を撫でる。
「よし、良い子だ。じゃあ、寝るか」
康介に手を引かれて、寝室に入る。
同じベッドに横になり、その温もりに体も心も預けてしまいそうになる。
それを意思の力で思い留めて、楓は康介に話しかけた。
「あ、あのね」
「ん? どうした?」
「あの……」
先ほどの気恥ずかしさを引き摺っているのか、言い出しづらそうに口籠る。
が、やがて意を決したように口を開いた。
「僕も、同じ」
「ん?」
「康介さんのことを何よりも大切に思ってるから」
「楓……!」
必死に思いを口にすると、楓は真っ赤にした顔をシーツに埋めてしまった。
健気な言葉を受け取って、康介は心が満たされる思いを噛み締めた。
そして、顔を隠してしまった楓をそのまま抱き寄せて、耳元で囁いた。
「ありがとう」
カーテンの隙間から月の光が差し込んでくる。
それに楓を奪われないように、康介はより強い力で楓を抱き締めた。
その夜は、悪夢に魘されることもなく二人とも安らかな眠りを得ることができた。
明けた土曜日、そして日曜日。
康介と楓は実に穏やかな時を一緒に過ごした。
自宅で過ごす他に、外食をしたり買い物に行ったりもした。
先日行き損ねた現代アートの展示会も一緒に見に行った。
普通に一緒に過ごせることが本当に幸せだと、心から思った。
そうして月曜日の朝が来る。
「本当に大丈夫か?」
「うん」
「辛くなったら遠慮なく周りの人間に頼るんだぞ。何なら、俺に連絡しても良いから」
「うん」
「お前は、辛くても我慢して溜め込んで、仕舞いに倒れるタイプだからなあ。
やっぱり心配なんだよ」
「あはは……」
康介の心配ぶりに楓が苦笑いする。
楓は、高校の制服を纏っていた。
今日から登校を再開するのだ。
久しぶりに袖を通した制服は、以前よりも布が余ってしまっていた。
事件の影響で、思っていた以上に体がすり減ってしまったらしい。
その姿の頼りなさに、康介はますます不安を募らせる。
「もう少し自宅療養してても良かったと思うんだがなあ」
「さすがに、勉強についていけなくなりそう。出席日数とかも気になるし」
「そんなもの、どうとでもなる。大事なのは、お前自身だ」
「うん。頑張る」
「頑張らなくて良い。いや、無理しないように頑張れ。うーん、何言ってるんだ、俺」
「あはは……」
不毛なやり取りを繰り返しながら玄関の扉を開けて、マンションの外に出る。
秋晴れの空の下、ひんやりとした空気が肌に触れる。
通勤や通学で人々が行き交う、いつもの風景がそこにあった。
楓が通学の為に向かう駅と、康介の勤務先である警察署は反対方向にある。
つまり、一緒にいられるのはここまでなのだ。
そのことを肌で実感した楓は、急に不安そうに瞳を揺るがせた。
「………」
俯いて鞄を両手でぎゅっと握りしめる。
その手が僅かに震えていたのを見て、康介が楓の背中をポンと軽く叩いた。
「楓」
「あ、うん。ごめん、大丈夫だから」
「楓、良いものをあげよう」
「え?」
戸惑う楓の目の前で、康介は左手の薬指にはめていた指輪を外した。
そして、それを楓の制服の胸ポケットの中に入れた。
「この10年、俺とお前を守ってくれたものだ。
今までは俺が持ってたけど、これからはお前が持っておくと良い」
「でも、こんな大事なもの……」
「良いんだよ。また買うから。そうだなあ、次はお前とお揃いのものを買おうかな」
「え?」
「なんてな」
「…………」
「まあ、そういうわけだ。お守りだと思って持っておけ」
「うん」
楓は左の胸ポケットの布ごしに指輪の存在を確認する。
触れると、じんわりと胸が温かくなるような気がした。
「これで、少しはマシになったかな」
「……うん」
少し俯いて、それから顔を上げて楓は康介に微笑んで言った。
「あの……ありがとう、お父さん」
「えっ?」
思いもよらない言葉に康介は目を丸くする。
親子になる前からも、親子になってからも、ずっと「康介さん」と呼んでいた楓から、
初めて「お父さん」と呼ばれたのだ。
驚きと照れで、不思議な感情があふれる。
それは楓も同じだったらしく、顔を赤く染めて照れながら笑っていた。
「なんか、変な感じ。やっぱり慣れてないから、しっくりこないね」
「はは、そうだな。ははは……」
改めて深呼吸をしてから、楓は笑顔で手を振った。
「じゃあ、行ってきます。康介さん」
「ああ、行っておいで」
康介に背を向けて、楓は一人で駅のほうへ向かう。
ひょろひょろと歩く頼りない後ろ姿を、康介は不安そうに見守る。
そうやって見ていると、横の道から茶髪の少年が現れた。
楓の友人の北條蒼真だ。
蒼真に声を掛けられた楓は、一瞬ビクッと体を震わせて驚いたが、すぐに笑顔になった。
そうして、楓の隣に蒼真が立ち、二人で一緒に駅まで歩いていく。
「…………」
一連の様子を見ていた康介は、「ふう」とため息混じりに微笑んだ。
多分、大丈夫だと思えたのだ。
楓にとっての本当の闘いはむしろこれからだ。
浦坂が死んだところで、楓が受けた傷は消えることはないし、
忌まわしい記憶は悪夢となっていつでも襲いかかってくる。
祐子によって刷り込まれた『悪魔の声』も未だに楓を内側から壊そうとする。
それらを抱えて生きていくのは決して容易いことではない。
でも、楓の心を支える存在は確かにある。
だから、大丈夫。きっと一緒に生きてゆける。
そう思って、康介は微笑んだ。
そして、踵を返した。
勤務先である警察署に向かって歩きだす。
(さてと、もうすぐ楓の誕生日だな。プレゼントは何が良いかな)
少し先の楽しみに思いを馳せながら、康介は前に進んだ。
後には、街路樹の楓の葉が、ひらりと美しく舞うのだった。
終
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これにておしまいです。
最後までご覧頂きまして、誠にありがとうございました。
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