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決戦

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 赤竜が、唸り声を上げる。
 狩野が左目を瞑った。
 空間が白んでは、硝煙の匂いが立ち込める。
 遅れて響いた轟音に、クレーターのように抉れた床。
 たった今、俺の認識の及ばぬ間に、一瞬の攻防が行われたのだと理解する。
 狩野は先刻と変わらぬ態勢のまま佇んでいたが、その頬には裂傷が刻まれ、一筋の血が流れていた。
 反面、赤竜には傷一つすら無い。
 そして真っ新なまま、車一台分くらいの巨大な頭を、ぐわんと振りかぶっては狩野に襲いかかる。
 抉れる床に、もはや半分屋外となった室内。
 校舎の下層から、混乱した生徒たちが悲鳴を上げながら転がり出てくる。
 紙風船みたいにバウンドして宙に投げ出された俺の首根っこを、グリードが掴んでは引き寄せた。
「返すよ」
 言いながら、ショールチェーンと万年水晶とを手渡してくる。手中に伝わる重みに、グリードを見て。
「ペンダントは貸しておいてくれ。大物の使役は魔力消費が馬鹿にならない」
 再び響いた咆哮に、弾かれるように視線を前へ移す。
 赤竜の片翼に、黄金の槍が突き刺さっていた。
「……切り替えが恐ろしく早いね」
 グリードの言葉の通り、物理での攻撃が効果的だと悟った瞬間に、狩野の背後には無数の槍が展開される。
 屈強な兵士一人が全身で扱うような重量のそれが、散弾銃のように止めどなく発射された。
 蒼天を飛び回る赤竜を、弾幕のように執拗に追いかける。
 赤竜の火炎放射を、片手間に防御術式で相殺。
 並行して座標を設定し、生成した物質を正確無比に照射する。
 歴戦の魔術師でも、回路が焼き切れるような超絶技巧。
 設定でもなんでもなく、あの適応能力と処理速度は自前のものであるという事実が末恐ろしかった。
 そして、一際大きな唸り声が上がる。翼を穿たれた赤竜が、空中でよろめいて。殺到する金槍が、全身を貫いた。
「潮時か」
 そしてそんな冷たい声音と共に、グリードが右手でペンダントを握りこむ。そして、何かを潰すように左手の指を折りたたんだ。
 ざわと騒めく空気に、細い藍髪が逆立つ。引き攣ったように弧を描いた口端からは、一筋の血が垂れた。
 咆哮。
 満身創痍の赤竜が、でたらめに首を振りたくりながらこちらへと突進してくる。鱗を削られ、心臓を貫かれ。それでも止まらぬ重量が、狩野の鼻先に迫って。
 回避行動をとった狩野の肢体が、ぐらと傾く。
「────!」
 見開かれた金眼。足元に注がれたそれは、地に伏したまま、右足を掴んだグラトニーの手に向けられている。狩野の視線を受け。僅かに相貌を擡げたその口角は、不敵に吊り上がっていた。
 轟音の末に、狩野の肢体は直ぐに圧潰されて見えなくなる。そして、床を新聞紙みたいに突き破っては、赤竜の巨体が一階の大理石の床に崩れ落ちた。
「……っ、」
「殺しは、しないさ。殺す気で行がなければ、お話にならなかったけれど」
 俺の内面を汲んでか、そんな言葉が補足される。この期に及んで、この状態の男に気を遣われる自分が、情けなかった。
 舞い上がる土煙が止むころ。
 グリードは、おぼつかない重心のまま、床に空いた大穴を覗き込む。暫く音沙汰がないことを確認して、自らもまた穴の底へ身を投げて。
 コアラみたいに柱をよじよじしながら降りる俺をよそに、コートをはためかせては、悠然と着地する。
「起きたまえ」
 狩野に命じる。赤竜と地面に挟まれたまま、青白い瞼が震える。やがてその下から現れたのは、どこまでも無機質な金色だった。
 きろ、と。グリードへと向けられたその色は、とても下肢を潰された人間のそれとは思えない。
「…………これは、契約だ」
 咳き込み、血を吐いて。そして、狩野の細首へと手を掛ける。俺が宣誓もなしに、小指一本で契約を吹っ掛けられたことを考えると、彼がいかに狩野を警戒しているのかが良く分かる。
「ひとつ。私に危害を加えないこと」
「…………」
「ひとつ。代替器に罪源を手放すこと」
 グリードの言葉に、依然無機質に瞬きをして。狩野は、「構いませんよ」と言った。
「一つ目、了承しました」
 妙な潔さに、グリードの眉が寄る。俺もまた、足元から這い寄って来るような嫌な違和感に、咄嗟に手元の手帳へと視線を遣っていた。
「…………二つめは」
「おれは、あなたを殺しません。『強欲』」
 そして、噛み合っているようで全く噛み合わない会話に、違和感の正体を悟る。
「……グリードさん、後ろ!」
 怪訝な表情で、俺の叫びに視線を上げるグリード。
 狩野の見開かれた瞳孔が、収縮する。
 俺達に向けられたそれは、しかし、俺達ではない…………丁度、その背後へと向けられていた。
「────おれ・・はね」
「~~~っ!」
 咄嗟に、グリードの胸を突き飛ばす。
 視界の端に、銀色の光線が走る。そしてそれは、瞬きの間にグリードの身体を背後から貫いていた。
 白いブラウスに、赤い花が咲く。散瞳した碧眼を塗りつぶすように、赤い鮮血が飛び散った。
 手を伸ばし、崩れ落ちる肢体を抱き留めて。
「グリードさん!」
 震えながらグリードの傷を抑えれば、血に濡れた左手が、俺の手に重ねられる。どうにか致命傷を避けたのか、かろうじて息はあるようだった。
 ゆる、と擡げられた右手が、背後を指さして。「何をしている、間抜け」と。唇だけで俺を叱責する。
 荒い息のまま、覚束ない視線でその指の先を追う。
 振り返って、そして。
「あぇ……?」
 辛うじて人の形を保っていただけの肉塊が、呆然と相貌を擡げた。
 立ち昇る魔力の残滓から、彼が何をしたのかは分かった。グリードを襲撃したのは、間違いなくグラトニーだった。
 そしてそれが、本人の意思ではないのは、その表情から一目瞭然だった。何より繰り糸に引きずられるような挙動は、どこまでも不安定で。
 元々限界だったのだろう。力尽きたように、その場に膝から崩れ落ちる。
『色欲』の固有魔法だ。あらかじめ仕込んでおいた攻撃コマンドを、ここぞというタイミングで発動させたのだろう。
「おまえ────!」
 激情のまま叫んだ俺に、黄金の双眸がこちらを向く。
 同時に、狩野が──正確には、狩野を下敷きにした竜の屍骸が、蒼炎に包まれる。
 幻獣を丁重に火葬して、やがて骨すら残らないまでに燃やし尽くして。
 炎が消えるときには、焦げ臭い残滓を纏ったまま、真っ新な青年が直立していた。
 潰れたはずの下肢でしっかりと地面を抑えつけたまま、小首を傾げる。腕の中のグリードを見ては、「それ」と指さした。
「それ、捨てたら」
「…………」
「重いでしょ」
「なんで、」
 俺の呟きに、狩野の目元が痙攣する。「なんで?」と復唱した声音は、心底理解できないとでも言いたげなものだった。
「急に、襲われたから」
「違──、それはお前が、俺のこと無理矢理引き摺ろうとしたからだろ?!」
 首を振れば、狩野は狼狽した様子で頬を掻いた。
「話、ちゃんと聞かなくてごめんね?」
 そして、血の香りすらちらとも感じさせない言動に、わけもなく絶望する。
 だって、グラトニーがぐちゃぐちゃになって、グリードは胸に穴が空いたまま死にかけている。
 そんな惨状の中央で、記憶の中のあいつと全く同じように微笑んでいる。
 取り返しようのない変質を、改めて突きつけられたような心地だった。
「でも、おれも焦ってたんだよ。早く圭一を助けなきゃって」
「助け……?なに、言って、」
「あれも、それも。今は味方でも、そのうちきっと圭一を傷つけるよ。罪源者って、そういう物だから」
「お前だって…………」
「そう。罪源者だからこそ、よくわかる」
 穏やかに言いながら、自らの胸へと手を添える。
 うっすらと伏せられた睫毛の下から、どこか酩酊したような琥珀色が覗いて。
「奪え、壊せ、閉じ込めろ。ずっとずっと、声が聞こえるんだよ」
「どうあってもおれたちは、それに逆らえない」
「だから、ね。終わりなの。一回『欲しい』って願っちゃったら、もう正気じゃいられない」
「おれはねぇ、圭一が欲しい!心も、身体も。ぜんぶ、ぜんぶが欲しい!」
 上擦った声が、空々しく反響する。
 細い腰を折っては、相貌を両手で覆う。温い息を吐く口元は、笑みの形に引き攣っていた。
 まだらいろの混乱のまま、ただただ狩野の言葉を待って。
 次にこちらを捉えたのは、恍惚に蕩けた──初恋の叶った、少女みたいな笑顔だった。
「圭一とずっと一緒にいるためなら、おれ、何だってできるよ」
 プツン、と。
 脳内の右端の方で、何かが切れたような音が聞こえた。
「何でも?」なんて。転がりでた言葉は、僅かに震えていた。
「良いよ、もう、分かった」
 水晶を持たせたまま、グリードの肢体を地に横たえる。意識はあるようなので、魔力源さえあればどうにか自力で回復できるかもしれない。今は、そう願うしかない。
 ゆらと立ち上がれば、熱っぽい双眸が、僅かに揺れるようで。
「圭一……?」
「全部、くれてやるって言ってるんだ」
「…………」
「だから、帰るぞ。あっちで、一生一緒にいてやる」
 その声音は、祈りの色すら帯びていた。
 まるで全くの別人になり果ててしまった青年が、俺の話に大人しく耳を傾けてくれると思えなかった。
 けれど、グリードとグラトニーが倒れた今、俺に残された道はこれしかなくて。
「そのために、ずっと用意してきたんだ。水晶と、ペンダント、あとはショールチェーン。それさえあれば、お前は──!」
「…………圭一」
 哀惜を滲ませた声が、すぐ耳元で聞こえた。
 瞬きの間だった。赤子の手をひねるように、俺は腕のなかに閉じ込められていた。
 目睫の間に迫った美貌に、臓腑が冷えるようだった。
 冷えた指先が、頸部に掛かって。
「…………」
 仄暗い欲のような物が、一瞬その瞳に過ったのを見た。
 真っ新な表情のまま、俺の頸部を軽く指圧する。まるで予行練習でもするような、他意の無い手付きだった。
 蛇に睨まれたみたい動けないまま、その感触を享受して。
「嬉しい」
 次にこちらを射抜いたのは、歓喜に色付いた視線だった。
 頸部に掛かっていた真っ白な指が、頬を這う。
「圭一もずっと、おれのことを考えてくれてたんだ」
 お揃いだね、なんて。そう、恍惚に満ちた表情で笑う。頬を赤く染めて、潤んだ目のまま唇を噛む。
「……いいよ。圭一の頼みだから」
 掠れた声が漏れる。
 俺の首元に相貌を埋めて。見えなくなった表情に、湧き上がるのは歓喜でもなく不安。ざらついた焦燥だけだった。
 そして、「でもね」と続けて吐き出された声には、子供を言い含めるような響きが伴っていた。
「帰るならおれは、罪源者を全員殺すね」
「は、」
「おれが、和解エンドを選ぶわけないでしょう」
 徐々に温度を失っていく声音。
 狩野は、本気だった。顔を見ずともわかる。
 そして俺にだけは、彼のその怒りを咎める資格が無い。
「おれは、『憤怒』の名のもとに──、この世界を、ぐちゃぐちゃにして帰る」
 咄嗟に腕の中の男へと目を遣ると、背に回された腕に力が籠る。
 とぐろを巻いた殺気が、顎をひらくようだった。
 据わった金眼が、こちらを覗き込む。気怠げな視線に充てられて、何も言うことができなかった。

「手帳、読んだんでしょう。どうだった、あれが、本当のおれ。あれを読んで、おれがこの世界と円満に縁を切れるって。本当にそう思った?」

 ──最善は無い。ほとんどの場合、私たちは選択を迫られることになる。

「旅は楽しかった?この世界と、そこに生きる人たちを知って。随分と愛着が湧いたみたいだね?」

 ──どれだけ憂鬱なテーマであっても、私たちは向き合い、迷い続けなければならない。

「それを全部捨ててでも、おれを選んでくれるなら。おれは、もう一度お前を信じるよ」

 ──その時になって、後悔の無い選択ができるように。
 
 そんな言葉に、目を閉じる。驚愕はない。焦りもない。胸中に落ちたのは、諦観じみた納得感だけだった。
 俺は、いずれ選択を迫られることになる。手帳を読んだあの時から、とっくに覚悟はできていた。
 そして今が、『その時』なのだということも。

 「選んでよ。世界か、おれか」

 ねぇ、圭一。なんて。縋り付いて、乞い願うみたいに。
 泣き笑いみたいな表情のまま、狩野は俺の名を呼んだ。
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