42 / 60
42話 蠢く影
しおりを挟む
「6024、辛くはないか?」
「うん……大丈夫、それより王室にいなくていいの?」
「俺の事はいいんだ」
「よくないよ、やることあるでしょ?」
6024はようやく動けるようになった身体をゆっくり起こした
自身の為とはいえ激しすぎて後が地味に辛かった
変な箇所があちらこちらと筋肉痛である
外で兵士の声がした
「おい!魔王様はこちらか!?」
「そうだが、どうした?」
「緊急事態だ、入れてくれ」
「今入るとお邪魔だぞ」
「もうどんな状態でも構わん、入るぞ」
「あっコラ!」
扉を開けて兵士が入る、そして膝をついて状況を述べた。
「急ぎお伝えしたいことがございまして、緊急事態につき失礼ながら入らせていただきました、マグシェルとラビリスが戦争を開始しました!」
「はぁぁぁぁぁ!?」
「ええと」
「どっちも仲が良くて大きな国で豊かなのに、戦争!?」
「それで両国が『向こうが襲ってくるから仕方なく』と主張しておりまして」
6024は困った顔をした、政治に関しては自分が足枷になってしまっている為だ。
本当は魔王としてすぐ空を飛んで解決しに行けた筈で
自分のせいで国を弱くしているのが、悔しかった。
「兵士を仲介として向かわせよう、両者向かってくるので仕方なくならば両者向かわなければ済む」
「それと先ほどからヘリウズ様の姿が見えません」
「何!?さがして……」
外へ出ようとする魔王を、新たに部屋へ入って来た人物が止めた。
「必要ありませんよ」
「6155!?」
「彼なら今、私の部屋で寝ていますので」
しばらく、時が止まった
「何時のまに、そういう関係に!?」
「誤解してるようなので言っておきますが、部屋で拷問について教えてただけです」
「え」
「止めてくれっていうまで続けるって言ったら、あの人強情なもので……まぁ今ちょっと動けません」
兵士長がどんな拷問したのか、魔王は怖くて聞けなかった
「そう、か」
「両国が戦争になってしまったと、それは確かな情報なのですね?」
「フリル姫からの手紙です!間違いないかと」
6024は首を傾げた、昔ゼルディンを止める為に一緒に旅した仲なのは一応知っている。
だが今まで会っていない、結婚式にすらこなかったのだ。
昔の仲間にしてはずいぶんと薄情なような気もしてもやもやとしていた。
「……フリルは魔族でな、ただ町の人々は怖がるので国にこれないんだ」
「どういう事?」
「羽をしまうことが出来ないし、角も生やしたまましまえない、その姿を人々は恐れる」
「だから来るなって言ったの?」
「来て欲しかったが、各国の王たちの事も考えるといく訳にいかないと」
その言葉は、何だか6024には親近感があった。
同じ王族で民の目などを考えると下手には動けないというのは自分も同じだと。
「会いたいな、その人」
「6024はフリルと話がしたいのか?」
「うん、だけどお姫様なら国を離れられないよね……ええと戦争になった国の姫様?」
「いいやフリルは『シグラル』という、二つの国とは近いが挟まれる事は無い箇所の姫でな」
「そっか、巻き込まれてる訳ではないんだね……うーん」
「どうした?」
「これただの推測だよ?ミナトの力が無い時を狙って何者かが動いたんじゃないかなって」
「実は私も王妃と同じ意見です、事件のタイミングが良すぎますので」
「うん……大丈夫、それより王室にいなくていいの?」
「俺の事はいいんだ」
「よくないよ、やることあるでしょ?」
6024はようやく動けるようになった身体をゆっくり起こした
自身の為とはいえ激しすぎて後が地味に辛かった
変な箇所があちらこちらと筋肉痛である
外で兵士の声がした
「おい!魔王様はこちらか!?」
「そうだが、どうした?」
「緊急事態だ、入れてくれ」
「今入るとお邪魔だぞ」
「もうどんな状態でも構わん、入るぞ」
「あっコラ!」
扉を開けて兵士が入る、そして膝をついて状況を述べた。
「急ぎお伝えしたいことがございまして、緊急事態につき失礼ながら入らせていただきました、マグシェルとラビリスが戦争を開始しました!」
「はぁぁぁぁぁ!?」
「ええと」
「どっちも仲が良くて大きな国で豊かなのに、戦争!?」
「それで両国が『向こうが襲ってくるから仕方なく』と主張しておりまして」
6024は困った顔をした、政治に関しては自分が足枷になってしまっている為だ。
本当は魔王としてすぐ空を飛んで解決しに行けた筈で
自分のせいで国を弱くしているのが、悔しかった。
「兵士を仲介として向かわせよう、両者向かってくるので仕方なくならば両者向かわなければ済む」
「それと先ほどからヘリウズ様の姿が見えません」
「何!?さがして……」
外へ出ようとする魔王を、新たに部屋へ入って来た人物が止めた。
「必要ありませんよ」
「6155!?」
「彼なら今、私の部屋で寝ていますので」
しばらく、時が止まった
「何時のまに、そういう関係に!?」
「誤解してるようなので言っておきますが、部屋で拷問について教えてただけです」
「え」
「止めてくれっていうまで続けるって言ったら、あの人強情なもので……まぁ今ちょっと動けません」
兵士長がどんな拷問したのか、魔王は怖くて聞けなかった
「そう、か」
「両国が戦争になってしまったと、それは確かな情報なのですね?」
「フリル姫からの手紙です!間違いないかと」
6024は首を傾げた、昔ゼルディンを止める為に一緒に旅した仲なのは一応知っている。
だが今まで会っていない、結婚式にすらこなかったのだ。
昔の仲間にしてはずいぶんと薄情なような気もしてもやもやとしていた。
「……フリルは魔族でな、ただ町の人々は怖がるので国にこれないんだ」
「どういう事?」
「羽をしまうことが出来ないし、角も生やしたまましまえない、その姿を人々は恐れる」
「だから来るなって言ったの?」
「来て欲しかったが、各国の王たちの事も考えるといく訳にいかないと」
その言葉は、何だか6024には親近感があった。
同じ王族で民の目などを考えると下手には動けないというのは自分も同じだと。
「会いたいな、その人」
「6024はフリルと話がしたいのか?」
「うん、だけどお姫様なら国を離れられないよね……ええと戦争になった国の姫様?」
「いいやフリルは『シグラル』という、二つの国とは近いが挟まれる事は無い箇所の姫でな」
「そっか、巻き込まれてる訳ではないんだね……うーん」
「どうした?」
「これただの推測だよ?ミナトの力が無い時を狙って何者かが動いたんじゃないかなって」
「実は私も王妃と同じ意見です、事件のタイミングが良すぎますので」
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
王道学園なのに、王道じゃない!!
主食は、blです。
BL
今作品の主人公、レイは6歳の時に自身の前世が、陰キャの腐男子だったことを思い出す。
レイは、自身のいる世界が前世、ハマりにハマっていた『転校生は愛され優等生.ᐟ.ᐟ』の世界だと気付き、腐男子として、美形×転校生のBのLを見て楽しもうと思っていたが…
ブラッドフォード卿のお気に召すままに~~腹黒宰相は異世界転移のモブを溺愛する~~
ゆうきぼし/優輝星
BL
異世界転移BL。浄化のため召喚された異世界人は二人だった。腹黒宰相と呼ばれるブラッドフォード卿は、モブ扱いのイブキを手元に置く。それは自分の手駒の一つとして利用するためだった。だが、イブキの可愛さと優しさに触れ溺愛していく。しかもイブキには何やら不思議なチカラがあるようで……。
*マークはR回。(後半になります)
・毎日更新。投稿時間を朝と夜にします。どうぞ最後までよろしくお願いします。
・ご都合主義のなーろっぱです。
・第12回BL大賞にエントリーしました。攻めは頭の回転が速い魔力強の超人ですがちょっぴりダメンズなところあり。そんな彼の癒しとなるのが受けです。癖のありそうな脇役あり。どうぞよろしくお願いします。
腹黒宰相×獣医の卵(モフモフ癒やし手)
・イラストは青城硝子先生です。
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
ちょいダン? ~仕事帰り、ちょいとダンジョンに寄っていかない?~
テツみン
SF
東京、大手町の地下に突如現れたダンジョン。通称、『ちょいダン』。そこは、仕事帰りに『ちょい』と冒険を楽しむ場所。
大手町周辺の企業で働く若手サラリーマンたちが『ダンジョン』という娯楽を手に入れ、新たなライフスタイルを生み出していく――
これは、そんな日々を綴った物語。
【完結】もふもふ獣人転生
*
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。
ちっちゃなもふもふ獣人と、攻略対象の凛々しい少年の、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です。
本編完結しました!
おまけをちょこちょこ更新しています。
第12回BL大賞奨励賞、読んでくださった方、投票してくださった方のおかげです、ほんとうにありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる