15 / 60
15話 地獄を作った罪人
しおりを挟む「お早うございます、魔王様に奥方様」
「……」
静かにとやっている、まだ6024が夢の中である
「おはようございます!」
「あっコラ!」
「……う、ん?」
「大丈夫か?」
「うん」
記憶が消える上級魔法『デリート』が使われた様子は無い
抱かれた様子だけはある、どうみても昨夜は愛されていましたという格好である
「オホン(咳払い)、魔王様があまりに馬鹿なマネをしでかしたので少々城で騒ぎになっておりますゆえ、奥方様は共同食堂へいらしてください」
「俺は?」
「結婚式の日付と招待客を決めておいてください、特に隣国の王族をどうするか」
奥方を魔王の寝室から連れ出した
「お身体は平気ですか?」
「うん、本当にありがとね」
「魔王様は正体を明かしましたが、数字について誰にも言ってはいけませんよ」
「どうして?」
「それが大罪人の数字だからですよ、怨みを持つ者は大勢いますから」
共通の食堂へとくれば、皆が心配そうに彼を覗き込んだ。
「だいじょうぶでした?隣の部屋で悲鳴が聞こえた時は焦りましたよ」
「えーと」
「魔王様が、昔の男など忘れてしまえと忘却魔法を使おうとしてたんですよ、蹴り飛ばして何とか阻止しましたけども」
城内がざわついた、何てことしでかしてるんだと魔王を非難する声がいくつも耳に入る。
「ご飯美味しい」
「そういえば昨夜、たしかに最悪な男について質問しましたね」
「んぐ!?」
喉につまったようなので背中をさすった、数字について聞いているとは正直思わなかったが大罪人である事を知らなかったのであれば理解出来る。
「……人間には怨まれているナンバーでしたので、魔王も憎んでいるのかも?」
「ええっと、そう、かな!?どうだろ、えっとそれより美味しいよこれ!」
「そのコップ空ですが」
この人は嘘が苦手すぎる、隠し通すのは無理だろうと判断したがそれより
「奥方様はどのナンバーでどのような質問を?」
「1358ですよ、どうやら彼の友達だったようです」
『あんなののダチって、他所でいわねぇほうがいいぞぉ?』
態度の悪い魔族の兵士が肉を齧りながら口を挟んだ。
だが否定するような者はおらず、自分でも聞いていて納得がいった。
「何をしでかした、んですか?」
『そいつが唱えたのは滅びの呪文だよ、全国のニュースで中継されてた……本人に悪気はねーだろうが俺達人間が次々に『蒸発』していく地獄絵図で』
「僕、その時隣に……あっ」
呪文を唱えたクローンが1358なのは有名だが、隣にいた『死体』については知っている者が少ない、この世界でも昆虫の話をする時に捕まえたら隣にいた同じ種類のものが死んでいても話さないのと同じである。
別に死体があったからどうという事は無い、扱いなどそんなものである。
「6024様、信用のある何人かを見繕いますので結婚式まではその者たちとだけ会話して下さい」
0
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説
社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈
めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。
しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈
記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。
しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。
異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆!
推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結しました!
時々おまけを更新しています。
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
某国の皇子、冒険者となる
くー
BL
俺が転生したのは、とある帝国という国の皇子だった。
転生してから10年、19歳になった俺は、兄の反対を無視して従者とともに城を抜け出すことにした。
俺の本当の望み、冒険者になる夢を叶えるために……
異世界転生主人公がみんなから愛され、冒険を繰り広げ、成長していく物語です。
主人公は魔法使いとして、仲間と力をあわせて魔物や敵と戦います。
※ BL要素は控えめです。
2020年1月30日(木)完結しました。
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?
【第1章完結】悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼第2章2025年1月18日より投稿予定
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
嫁側男子になんかなりたくない! 絶対に女性のお嫁さんを貰ってみせる!!
棚から現ナマ
BL
リュールが転生した世界は女性が少なく男性同士の結婚が当たりまえ。そのうえ全ての人間には魔力があり、魔力量が少ないと嫁側男子にされてしまう。10歳の誕生日に魔力検査をすると魔力量はレベル3。滅茶苦茶少ない! このままでは嫁側男子にされてしまう。家出してでも嫁側男子になんかなりたくない。それなのにリュールは公爵家の息子だから第2王子のお茶会に婚約者候補として呼ばれてしまう……どうする俺! 魔力量が少ないけど女性と結婚したいと頑張るリュールと、リュールが好きすぎて自分の婚約者にどうしてもしたい第1王子と第2王子のお話。頑張って長編予定。他にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる