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17話 友だち
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俺は前世では一緒に過ごす友達と呼べる人いなかった。
「前世の話とか聞かせてくれよ」
「え」
「レイニーが異世界にきてからは重い過去とかありそうだしさ」
「……」
「元・日本人なら好きだったアニメの話とかできたらなって」
「転生して数百年は経過しているので日本でのことはほとんど覚えていません」
なら何の話をすりゃいいんだよ。失った元カノの話とかしたくないのは分かる。
お勧めの温泉か賭博場か、他には食い物が安くて美味いところとか。
いや王子が城に引きこもっているわけだからこうして話し相手になってやろーとかしているのに、店とか知らないよな。
「そういやこの国って――」
「その話はやめて下さい」
「税金――え、駄目?」
税金むちゃくちゃしぼりとっているようには見えなかったけどな?
メイドだって少ないし、贅沢三昧な王子というわけでもない。
かといって消費税ではないなら昔みたく徴収しているはず。
俺に納税義務があるか聞いておきたかったのだが、友達とはしたくないか?
「税金?」
「ダメかぁこの話」
「いえ思っていたのと違ったので構いません」
「どういう納税すればいい?」
「わが国では転生者は兵士として扱います。魔王討伐隊に参加してもらうことになる方々なので、税金は免除です」
これ、俺は役たたねぇから税金免除はされなくなるかもしれない。
町に出るなとは言うけど怪我も治ったわけだし働けとか思われてる?
「バイトするか」
「何でそんなに働きたがるのですか?」
「そりゃお前が俺に働いてほしいと思ってることぐらい分かる」
「何も分かっていませんが?」
「戦う才能が自分にないってのは分かったからさ?」
国を追い出される心配をしなければいけないほど役立たずな自覚ある。
友達とか1人で勝手に思っているだけでもカミノ国を出る最後まで共にいたい。
立派なところを見せておかなければ。
「全く繋がらないのですが」
「魔王に挑む奴らが免税なら俺は無理だってば」
「……魔王に挑んで欲しいわけではないのですが」
役にたたないから魔王に挑んで欲しくないのは分かる。
妙に話がかみ合わない気がするし、もう直接聞くか。
「レイニーは俺に何してほしいの?」
「城から出て行かなければ何をしても構いません」
「ああ内職ね」
「違います」
「もっと分かりやすく!!」
「引きこもりニートやめたら死刑」
What?
引きこもりニートやめたら死刑と聞こえて来た。
そんな訳ないだろ。俺は昔からよく人の声を聞きまちがえて苦労してきたんだ。
魔王と戦えと言ってくるなら分からんでもない。
「働いたら都合が悪い理由がよく分からん」
「……やはり、そうですよね」
「俺ら友だちなんだから仕事ぐらい手伝うのに」
酷く長い間のあとにレイニーはようやく言葉を認識した。
「…………はい?」
友だちだと思っていたの本当に俺だけだった。
「前世の話とか聞かせてくれよ」
「え」
「レイニーが異世界にきてからは重い過去とかありそうだしさ」
「……」
「元・日本人なら好きだったアニメの話とかできたらなって」
「転生して数百年は経過しているので日本でのことはほとんど覚えていません」
なら何の話をすりゃいいんだよ。失った元カノの話とかしたくないのは分かる。
お勧めの温泉か賭博場か、他には食い物が安くて美味いところとか。
いや王子が城に引きこもっているわけだからこうして話し相手になってやろーとかしているのに、店とか知らないよな。
「そういやこの国って――」
「その話はやめて下さい」
「税金――え、駄目?」
税金むちゃくちゃしぼりとっているようには見えなかったけどな?
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かといって消費税ではないなら昔みたく徴収しているはず。
俺に納税義務があるか聞いておきたかったのだが、友達とはしたくないか?
「税金?」
「ダメかぁこの話」
「いえ思っていたのと違ったので構いません」
「どういう納税すればいい?」
「わが国では転生者は兵士として扱います。魔王討伐隊に参加してもらうことになる方々なので、税金は免除です」
これ、俺は役たたねぇから税金免除はされなくなるかもしれない。
町に出るなとは言うけど怪我も治ったわけだし働けとか思われてる?
「バイトするか」
「何でそんなに働きたがるのですか?」
「そりゃお前が俺に働いてほしいと思ってることぐらい分かる」
「何も分かっていませんが?」
「戦う才能が自分にないってのは分かったからさ?」
国を追い出される心配をしなければいけないほど役立たずな自覚ある。
友達とか1人で勝手に思っているだけでもカミノ国を出る最後まで共にいたい。
立派なところを見せておかなければ。
「全く繋がらないのですが」
「魔王に挑む奴らが免税なら俺は無理だってば」
「……魔王に挑んで欲しいわけではないのですが」
役にたたないから魔王に挑んで欲しくないのは分かる。
妙に話がかみ合わない気がするし、もう直接聞くか。
「レイニーは俺に何してほしいの?」
「城から出て行かなければ何をしても構いません」
「ああ内職ね」
「違います」
「もっと分かりやすく!!」
「引きこもりニートやめたら死刑」
What?
引きこもりニートやめたら死刑と聞こえて来た。
そんな訳ないだろ。俺は昔からよく人の声を聞きまちがえて苦労してきたんだ。
魔王と戦えと言ってくるなら分からんでもない。
「働いたら都合が悪い理由がよく分からん」
「……やはり、そうですよね」
「俺ら友だちなんだから仕事ぐらい手伝うのに」
酷く長い間のあとにレイニーはようやく言葉を認識した。
「…………はい?」
友だちだと思っていたの本当に俺だけだった。
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