イシュラヴァール戦記

道化の桃

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第一章 乱世到来

王子の宴

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 アディが広間に戻ると、王子を幹部たちが囲んで夕食が始まっていた。床には料理の載った皿が並んでいる。
「遅かったな」
 幹部の一人に声をかけられたが、アディは一言も喋らず、まっすぐに王子のそばに向かった。
 王子の横には女が座っていたが、王子はアディをちらりと見ると、女を下がらせ、アディに自分の横に座るよう促した。幹部の兵士たちの中には、隣に女を侍らせている者もいれば、アディのように女装した少年を従えている者もいた。もちろん一人で座っている者もいたし、数で言えばそちらのほうが多い。
 王子はアディに酌をさせ、時折腰に手を回してきた。アディには嫌悪感しかなかったが、拒否できる立場ではないことはわかっていた。王子の機嫌を損ねたら、もっと酷い目に遭うだろう。
 夜が更けてくると、食事からカーに移る。王子は酒を飲まないので、幹部たちも自然にそれに倣った。酒の代わりに、この気分が高揚する葉で宴が盛り上がる。
「踊れ」
 誰かが女たちに命じ、手拍子が始まった。よく見ると、アディとたいして変わらない年頃の少女だった。
「お前もだ、アディ」
 王子に言われ、アディも渋々広間の中央に出た。踊れ、と言われても、踊りなど知らない。少女たちの真似をしてぎこちなく手足を動かしてみたが、アディが動くたびに笑いが起きて、アディは真っ赤になった。ちらりと少女のひとりと目が合って、アディはとっさに顔をうつむけた。羞恥のあまり死にたくなる。なぜ自分はこんなことをしているのだろう。
 しばらくして王子がアディを連れて寝室に下がり、宴会は終わった。
 王子は女装姿のままのアディを寝台に押し倒すと、前の留め金を乱暴に引きちぎって胸をはだけさせた。カーで酔ったアディは、されるがままになっている。
「アディ、なぜ俺がお前を抱くかわかるか?」
 痩せた胸の、頼りないほど小さな突起を弄びながら、王子は言った。
「女は戦わない。深く考えることもしない。俺の考えなど理解できんだろう。ろくな話もできん。つまらん」
「んっ……」
 乳首をひねられて、痺れるような痛みがアディの身体を貫き、思わず上ずった声が漏れた。
「お前はいい。剣も使えるし、先陣切って切り込んでいく勇気もある。先に立つ者には、勇気と潔さが必要だ。でなければ人がついてこない。お前はそれがわかっているし、何より、ちゃんと考えている人間の目をしている。そのうち幹部に取り立ててやる」
 王子はアディを跪かせ、奉仕するように命じた。一瞬、アディは王子を睨みつけたが、大人しくそれを口に含み、舌を使って舐め回した。
「その目――戦う男の目だ。俺のことを殺してやると思っているだろう?――そこもいい。その目がそそる」
 アディは王子の一方的な語りを聞いているのがばかばかしくなって、早く達してしまえ、とばかりに手と唇で性器をしごきあげた。王子は愉悦の呻き声を上げた。
「いい子だ……アディ」
 王子はアディの口からそれをぬるりと引き抜いて、エディを仰向けに寝台に転がした。そのまま腰を抱えあげ、両脚を大きく広げて挿入する。
「い……っ……」
 まだあどけなさの残る顔が苦痛に歪む様を、王子は愉しそうに見下ろした。身体を広げられて犯される羞恥で、アディの顔と身体が紅潮していく。たまらずアディは両腕で顔を覆った。その手を乱暴に掴まれる。
「顔を隠すな」
 命じると同時に、奥を突き上げた。
「あうっ……!」
 唇を噛み締め、痛みと快楽の狭間で必死に耐えている顔は、王子を余計に興奮させた。そのまま激しく何度も突き上げる。
「あ!あ、あ……ああ!もう……いやあーっ……!」
 少女のような声を上げて、アディが泣きながら白濁したものを放った。アルナハブ王国第六王子ダレイは、アディが放った白濁を指先に絡め取り、アディの赤く腫れた乳首に塗りたくった。そして、涙に濡れたアディの顔を満足そうに見下ろしながら、長くたっぷりとアディの中に射精した。
 カーの甘い香りが、アディの意思の中枢を溶かしていく。
(もう、どうでもいい――)
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