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第七章 愛執編
治安部隊出動
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アルサーシャの大店、サヴァ商会の表玄関はその日もいつものように大勢の客が出入りしていた。
そこへ突然、国軍治安部隊の兵士たちが物々しい様子でやってきて、入り口を囲んだ。
「なんだなんだ?」
「治安部隊だ。なんかあったのか?」
町の人々がざわめく中、兵たちは剣を抜き放った。
「きゃあっ――!」
「おいおい、こんな場所で!?」
人だかりの輪がざっと広がった。
兵たちは剣を構えたまま、店に乗り込んでいった。
「カスィム・サヴァはいるか!隠し立てする者は仲間と見做す!」
接客をしていた店主の顔色が変わる。店員や客たちは悲鳴を上げて外へ逃げ出そうとしたが、入り口は同じく抜き身の剣を持った兵に塞がれていた。
「……カスィムは、今、出ております……」
店主――カスィムの兄は震える声で言った。
「お前がここの主人か。弟はいつ戻る?」
「さ、さあ……なにせ年中ぶらぶらとしているものですから、私どももなんとも……」
震える声でそう言った時、外でカスィムを呼ぶ声がした。
カスィムは店の手前で異変に気づいた。何やら遠巻きに人だかりができている。よく見ようと伸び上がったところで、ちらりと店の中に兵士の服が見えた。
(――まずい)
くるりと踵を返し、何食わぬ顔でもと来た道を引き返す。
が、そこを呼び止められた。
「あ、おーい!カスィム!なんかお前の店に……」
「――――!」
カスィムは振り返らずに、脱兎のごとく走った。
店から兵士たちが飛び出してくる。
「いたぞ!あそこだ!」
ピリリリリ――――と、呼子が鳴った。周辺の辻からも兵士たちが現れる。
四区画ほど逃げたところで、カスィムは四方を兵士に取り囲まれた。地面に引き倒され、押さえつけられる。更に両手を後ろ手に縛り上げられると、近くで待機していた軍用馬車に放り込まれた。
カスィムは反乱軍の一味として逮捕され、ダーナが収容されている監獄に繋がれた。
そこへ突然、国軍治安部隊の兵士たちが物々しい様子でやってきて、入り口を囲んだ。
「なんだなんだ?」
「治安部隊だ。なんかあったのか?」
町の人々がざわめく中、兵たちは剣を抜き放った。
「きゃあっ――!」
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人だかりの輪がざっと広がった。
兵たちは剣を構えたまま、店に乗り込んでいった。
「カスィム・サヴァはいるか!隠し立てする者は仲間と見做す!」
接客をしていた店主の顔色が変わる。店員や客たちは悲鳴を上げて外へ逃げ出そうとしたが、入り口は同じく抜き身の剣を持った兵に塞がれていた。
「……カスィムは、今、出ております……」
店主――カスィムの兄は震える声で言った。
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震える声でそう言った時、外でカスィムを呼ぶ声がした。
カスィムは店の手前で異変に気づいた。何やら遠巻きに人だかりができている。よく見ようと伸び上がったところで、ちらりと店の中に兵士の服が見えた。
(――まずい)
くるりと踵を返し、何食わぬ顔でもと来た道を引き返す。
が、そこを呼び止められた。
「あ、おーい!カスィム!なんかお前の店に……」
「――――!」
カスィムは振り返らずに、脱兎のごとく走った。
店から兵士たちが飛び出してくる。
「いたぞ!あそこだ!」
ピリリリリ――――と、呼子が鳴った。周辺の辻からも兵士たちが現れる。
四区画ほど逃げたところで、カスィムは四方を兵士に取り囲まれた。地面に引き倒され、押さえつけられる。更に両手を後ろ手に縛り上げられると、近くで待機していた軍用馬車に放り込まれた。
カスィムは反乱軍の一味として逮捕され、ダーナが収容されている監獄に繋がれた。
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