流れ星が落ちた

貴美月カムイ

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流れ星が落ちた2

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  確かに、ユウコは、変わった。影のような存在だった彼女は、今や中心にいるかのような存在感を示している。おどおどとしていた、多すぎる恥じらいの欠片すらもない。この一年で何があったのか、やっぱり彼氏にふられたせいで、何かがふっきれたのか、開き直ったのか、どう見ても引きずるようなタイプなのに、そんな様子を微塵も見せないのが不思議でたまらなかった。
「俺たちも行こうぜ」
 マキトの声に男性陣は海の中の女性陣と混じっていく。僕は ビーチボールを持って、輪の中にポーンと投げ込みながら海の中に入る。ワイワイと騒ぎながら、男性二人で女性の足を片方ずつ持って、ロケットのように勢いよく海へと投げ込んだり、男友達の一人は、僕をバックドロップしたりして遊んでいた。
 少し日が暮れだして、男性陣は夕食の準備をする。火をおこして、バーベキューの準備をしている間、女性陣は固まってユウコを中心にして話し合っているようだった。あの変貌ぶりに、ユウコの話題で持ちきりなのだろう。聞こえそうで聞こえない話し声が妙に気になる。彼氏のことも聞いていたが、肝心のことが聞こえない。でも、ユウコは肝心の質問を濁したり、茶化したりしているのは、女性陣の「えー!?」という反応でよくわかる。
 夕食の準備ができて、酒も入り、皆のテンションは最高潮になる。時間がたつにつ れ、酔いのせいか、男性のちょっとしたスキンシップも嫌がらずに、女性は逆にもたれかかってきていた。だんだんと男がふりだした軽い下ネタからセックスの 話に移ってきて、みな大胆にも赤裸々告白をしだした。
 その具体的なシチュエーションや感じ方を聞いているうちに、僕は勃起していた。話はユウコにもふられたが、その時ユウコはうっすらと笑って唇の周りをゆっくりと舐めまわした。舌先が唇を這うようにしてから口の中に舌が収められた。あの舌が、勃起した男のものに絡みついたらと思っただけで、僕はつばを飲んだ。
 その様子に男の一人が「やべぇ。エロい。マジ勃ったわ」と言って股間を抑えた。何を語るわけでもなく、しぐさだけで爆発的な威力を発揮したユウコは、「ひみつ。みんなで想像して」と言った。
  その時僕は、ユウコは本当に変わった、と思った。去年までなら、情欲的なことはおくびにも出さなかった彼女は、男の欲情を誘うかのような発言や仕草を恥じらいもなくしている。まるで男心を知り尽くした高級な情婦のようになまめかしかった。去年にはなかった、見透かしたような瞳が磁石のように男の視線を引き寄せていた。時々ユウコと目が合うと、胸が締め付けられるように高鳴った。
 だんだんと夜もふけ、皆のテンションも眠気からか下がってきたので、用意したテントで眠ることになった。僕は酔い覚ましをしようとしばらく砂浜に座って星を眺めていた。
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