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第7話
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マリ隊長が捕まえた盗賊から他にも情報を聞き出していた。
村を襲った盗賊は下っ端の盗賊達でその盗賊をまとめている奴は別にいるらしくそいつがいる場所も聞き出したらしい。
あの斧を持った巨漢は盗賊の頭領ではなかった。
「アグルさんには私達と一緒にその盗賊のアジトに行って欲しいんです」
この流れからしてそうなるのは予想通りだった。
盗賊がいるのならまた村が襲われる可能性があるしメルさんが傷つくのは嫌だから放っておくことはできない。
「わかりました。盗賊退治に協力します」
マリ隊長は手を握って感謝しますと笑顔を見せた。
「そういえばその捕まえた盗賊はどうなったんですか?」
「盗賊なので殺しておきました」
綺麗な顔でさらっと恐ろしいことを言う。
盗賊はメルさんを襲って逃げた奴だろうからどうでもいいけど……
「しかし、あの盗賊が言ってた化け物がなんなのかはわかりませんでした」
それは僕のことを言っていたのだろうけどわざわざマリ隊長に言う必要はないと思って知らないふりをした。
「マリさんアジトに向かうのはいつですか?」
「今すぐ行きます」
「え……」
早くても明日だと思っていたがまさか今からだとは思わなかった。
この隊長はすごくせっかちな性格をしている。
そんなすぐに行くのはきついので明日の朝まで待ってもらうように説得をこころみる。
結果的に盗賊を討伐するのは次の日の朝に出発することになった。
マリ隊長は早く行きたいそうな顔をしていたが、なんとか納得してくれた。
そして次の朝、村の人達が朝早いのに旅立つ僕に会いにきてくれた。
もちろんメルさん達もきてくれた。
「またいつでも村に来てください」
「最初はびっくりしたが、村を守ってくれてありがとう」
村の人達に感謝の言葉を言われて嬉しかった。
「アグルさんなら大丈夫だと思いますが、無事に帰って来てください」
心配してくるメルさんを見てこの気持ちを伝えたくなった。
僕はいつのまにかメルさんに惚れてしまっていた。
「メルさん、無事戻って来たら僕と付き合ってくれませんか?」
いきなり告白したのでメルさんは驚いていた。
メルさんは困った顔をしていてしばらく黙り込んでしまったが、顔を赤らめながら呟いてくれた。
「はい……」
その言葉にお互い顔が真っ赤になった。
村の人達も歓声をあげている。
「絶対メルさんの為に戻って来ますから約束します」
「待ってます……」
勢いで告白してしまったが、勇気を持って伝えられたのでよかった。
僕は今最高に幸せです。
「さあ、マリ隊長行きましょうか」
テンションが上がった勢いでマリ隊長達に言った。
僕はメルさんに告白を無事成功して村を出るのだった。
「それにしてもアグルさんは同性が好きなんですね。好きになるのは人それぞれですから気にすることはないですよ」
村から離れてしばらくしてマリ隊長は笑顔で言った。
他の女騎士達も頷いていた。
どうやらマリ隊長達は勘違いしていたようだ。
無理もないが……
「あの―女っぽいですけど男ですよ」
え――――‼︎
マリ隊長達はすごい驚いた顔をしていた。
やっぱり僕が女だと勘違いしていたようだった。
◇ ◇ ◇
村を朝から出発して何時間か経ったが、盗賊のアジトは見つからず日が沈みかける時間帯になっていた。
マリ隊長達が捕まえた盗賊の話では森の奥に古い家があってそこを盗賊達のアジトにしている。
その場所の大体の方向を聞き出せていた。
だが、森の奥といっても周りは木で囲まれているのでどこのことなのかわからない。
最悪、アジトのある方向だけは間違っていないことを祈りたい。
アジトを探している途中、マリ隊長になぜそこまで盗賊退治にこだわっているのか聞いてみた。
「私達は民を救う正義の騎士団を目指しています。盗賊に襲われている村を放っておくことなどできません」
「王国からのドラゴン調査はいいんですか?」
「いるかわからないドラゴンより民を傷つけている盗賊を倒す方が大事だと私は思うのです」
この人は本当に正義感の強い女性なんだなと思った。
まあ、僕的にはドラゴンの調査はそのまま終わらせてくれる方がありがたい。
そんな話をしていると人が喋る声が聞こえて来た。
声のする方に進んでいくとマリ隊長達が捕まえた盗賊が話した通り古い家があった。
ギャハハ
盗賊達が外で酒を飲んで騒いでいた。
マリ隊長達と相談して、ひとまず気づかれないよう茂みの中になくれて様子を見ることにした。
見た感じ盗賊の頭領らしき人物は見当たらなかった。
家の中にいるのかまだ帰って来てないのかわからない状況だった。
このまま隠れていても意味がないと思った。
かといって、人が捕まっている可能性があるのに下手に攻撃をすることはできない。
なので、これからどうするかマリ隊長達と話し合った。
話し合った結果、盗賊達が寝静まった夜に奇襲をかけることになった。
村を襲った盗賊は下っ端の盗賊達でその盗賊をまとめている奴は別にいるらしくそいつがいる場所も聞き出したらしい。
あの斧を持った巨漢は盗賊の頭領ではなかった。
「アグルさんには私達と一緒にその盗賊のアジトに行って欲しいんです」
この流れからしてそうなるのは予想通りだった。
盗賊がいるのならまた村が襲われる可能性があるしメルさんが傷つくのは嫌だから放っておくことはできない。
「わかりました。盗賊退治に協力します」
マリ隊長は手を握って感謝しますと笑顔を見せた。
「そういえばその捕まえた盗賊はどうなったんですか?」
「盗賊なので殺しておきました」
綺麗な顔でさらっと恐ろしいことを言う。
盗賊はメルさんを襲って逃げた奴だろうからどうでもいいけど……
「しかし、あの盗賊が言ってた化け物がなんなのかはわかりませんでした」
それは僕のことを言っていたのだろうけどわざわざマリ隊長に言う必要はないと思って知らないふりをした。
「マリさんアジトに向かうのはいつですか?」
「今すぐ行きます」
「え……」
早くても明日だと思っていたがまさか今からだとは思わなかった。
この隊長はすごくせっかちな性格をしている。
そんなすぐに行くのはきついので明日の朝まで待ってもらうように説得をこころみる。
結果的に盗賊を討伐するのは次の日の朝に出発することになった。
マリ隊長は早く行きたいそうな顔をしていたが、なんとか納得してくれた。
そして次の朝、村の人達が朝早いのに旅立つ僕に会いにきてくれた。
もちろんメルさん達もきてくれた。
「またいつでも村に来てください」
「最初はびっくりしたが、村を守ってくれてありがとう」
村の人達に感謝の言葉を言われて嬉しかった。
「アグルさんなら大丈夫だと思いますが、無事に帰って来てください」
心配してくるメルさんを見てこの気持ちを伝えたくなった。
僕はいつのまにかメルさんに惚れてしまっていた。
「メルさん、無事戻って来たら僕と付き合ってくれませんか?」
いきなり告白したのでメルさんは驚いていた。
メルさんは困った顔をしていてしばらく黙り込んでしまったが、顔を赤らめながら呟いてくれた。
「はい……」
その言葉にお互い顔が真っ赤になった。
村の人達も歓声をあげている。
「絶対メルさんの為に戻って来ますから約束します」
「待ってます……」
勢いで告白してしまったが、勇気を持って伝えられたのでよかった。
僕は今最高に幸せです。
「さあ、マリ隊長行きましょうか」
テンションが上がった勢いでマリ隊長達に言った。
僕はメルさんに告白を無事成功して村を出るのだった。
「それにしてもアグルさんは同性が好きなんですね。好きになるのは人それぞれですから気にすることはないですよ」
村から離れてしばらくしてマリ隊長は笑顔で言った。
他の女騎士達も頷いていた。
どうやらマリ隊長達は勘違いしていたようだ。
無理もないが……
「あの―女っぽいですけど男ですよ」
え――――‼︎
マリ隊長達はすごい驚いた顔をしていた。
やっぱり僕が女だと勘違いしていたようだった。
◇ ◇ ◇
村を朝から出発して何時間か経ったが、盗賊のアジトは見つからず日が沈みかける時間帯になっていた。
マリ隊長達が捕まえた盗賊の話では森の奥に古い家があってそこを盗賊達のアジトにしている。
その場所の大体の方向を聞き出せていた。
だが、森の奥といっても周りは木で囲まれているのでどこのことなのかわからない。
最悪、アジトのある方向だけは間違っていないことを祈りたい。
アジトを探している途中、マリ隊長になぜそこまで盗賊退治にこだわっているのか聞いてみた。
「私達は民を救う正義の騎士団を目指しています。盗賊に襲われている村を放っておくことなどできません」
「王国からのドラゴン調査はいいんですか?」
「いるかわからないドラゴンより民を傷つけている盗賊を倒す方が大事だと私は思うのです」
この人は本当に正義感の強い女性なんだなと思った。
まあ、僕的にはドラゴンの調査はそのまま終わらせてくれる方がありがたい。
そんな話をしていると人が喋る声が聞こえて来た。
声のする方に進んでいくとマリ隊長達が捕まえた盗賊が話した通り古い家があった。
ギャハハ
盗賊達が外で酒を飲んで騒いでいた。
マリ隊長達と相談して、ひとまず気づかれないよう茂みの中になくれて様子を見ることにした。
見た感じ盗賊の頭領らしき人物は見当たらなかった。
家の中にいるのかまだ帰って来てないのかわからない状況だった。
このまま隠れていても意味がないと思った。
かといって、人が捕まっている可能性があるのに下手に攻撃をすることはできない。
なので、これからどうするかマリ隊長達と話し合った。
話し合った結果、盗賊達が寝静まった夜に奇襲をかけることになった。
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