5 / 20
第5話
しおりを挟む
巨漢の男は部下を全員殺されたことに腹をたてていた。
「おとなしく村をでていくなら見逃してやる」
「何が見逃すだ。部下達を殺されてこのままで済むと思うなよ。このアマが――」
おとなしく去るつもりはやっぱり盗賊達にはなかった。
顔面めがけて殴りかかるが、巨漢は斧を盾がわりに僕の攻撃を塞いだ。
だが、斧はそのまま砕け散った。
「反応はいいけどやっぱり弱いね」
僕は少し笑みを浮かべて呟いた。
「斧を砕いたくらいで調子に乗るな――」
斧を砕かれても怯みもせずに巨漢は僕の首を掴み何度を地面に叩きつける。
どんなに叩きつけられても痛みはなかった。
痛みより地面に当たる音とぶんぶん振り回すので酔いそうになる方が辛かった。
「なんでこんなにやっているのに効いてねぇんだ」
「もう終わりかい?」
「なんだと‼︎」
巨漢は僕の顔面を殴るが1ミリも痛みを感じなかった。
逆に殴った方の巨漢の手が砕かれて痛がっている。
「イッテェ――なんなんだお前の体は鉄にでもなっているのか?」
痛みに耐えられずその場で膝をついた巨漢。
「もう飽きたから死んでもらうね」
僕は巨漢の両肩を掴み全身を炎の魔法で燃やしてあげた。
「ぐっあー熱い、熱い許してくれ……」
「灰になるまで燃やし尽くしてやる」
そうして残ったのは、人間だったのかわからないくらいに黒く焦げた遺体と肉が焼けた匂いだけが残っていた……
少しは歯応えがあると思っていたが、そうでもなかった。
木に隠れていたメルさんとリカちゃんは血だらけの父親のそばに駆け寄っている。
「お父さん死なないで」
「お前達が無事でよかった。メル、母さんとリカを頼んだよ……」
僕もメルさんの父親のところに駆け寄ると僕に話しかけてきた。
「どなたか知りませんが、村と娘達を助けていただきありがとうございます……」
このままでは死んでしまいそうな雰囲気だったので、メルさんの父親に回復魔法をかけてあげた。
魔法をかけると父親の体が光出す。
それと同時に全身の傷という傷を全て塞ぎ、健康な体に回復させる。
「何が起こったんだ?私は生きているのか?」
父親は何が起こったのかわかっていないようだ。
「回復魔法なんて上級の魔法ですよ。アグルさんて何者なんですか?」
重症の怪我を治す回復魔法は見たことがないとメルさんは驚いていた。
ドラゴンからしてみれば回復魔法など簡単な魔法なのでこんなに驚かれるとは思わなかった。
「お兄ちゃん、お父さんを助けてくれてありがとう」
涙を流しながらリカちゃんはお礼を言ってくれた。
「この恩は忘れません」
父親は助けてくれたことに感謝し、娘達を抱きしめていた。
すっかり忘れていたが、村人達にかけていた防御魔法の結界も解いておいた。
「おっ、消えた」
「盗賊はもういないの?」
何が起こったのかわかっていない人や僕を見て警戒している人もいたが、それでよかった。
「この村を助けていただきありがとうございます」
後ろから声がして振り向けば老人の人が立っていた。
「私はこの村の村長です」
彼はこの村の村長で盗賊を倒した僕にお礼がしたくって話しかけてきてくれたようだ。
「宿に泊まれるように手配しましょう」
「いいんですか?」
お言葉に甘えて今日は村の宿屋に泊めさせてもらうことになった。
村に小さい宿屋があってそこに泊まらせてもらうことになった。
村の宿にしては掃除も行き届いていて綺麗な場所だった。
宿屋を経営しているおばさんとおじさんにも村を助けてくれたことに感謝された。
「村を助けてくれたあんたなら何日でもここに泊まっていきな」
おばさんは気前よく言ってくれてありがたかった。
僕が泊まる部屋はベッドと机だけのシンプルな部屋だったけどこの世界に来て初めてベッドで寝ることができるなんてとても嬉しかった。
ふかふかなベッドに倒れ込み天井を見上げた。
1人になると色々と考えてしまう。
住んでいた洞窟はもうない……
姉は元気にしているだろうか?
父と母は無事だろうか?
色々と考え事が頭によぎる。
あの2人組のドラゴンスレイヤーはなぜドラゴンを殺そうとするのかわからないが、あいつらがしたことを許すわけにはいかない。
だけど今は両親が無事かどうか探すのが先だ。
ついでに姉がどこにいるのか探してみるのもいいかもしれない。
あの洞窟に遺体はなかったのだから2人は生きている可能性がある。
「今日は疲れた……」
僕はいつのまにか眠りについた……
「おとなしく村をでていくなら見逃してやる」
「何が見逃すだ。部下達を殺されてこのままで済むと思うなよ。このアマが――」
おとなしく去るつもりはやっぱり盗賊達にはなかった。
顔面めがけて殴りかかるが、巨漢は斧を盾がわりに僕の攻撃を塞いだ。
だが、斧はそのまま砕け散った。
「反応はいいけどやっぱり弱いね」
僕は少し笑みを浮かべて呟いた。
「斧を砕いたくらいで調子に乗るな――」
斧を砕かれても怯みもせずに巨漢は僕の首を掴み何度を地面に叩きつける。
どんなに叩きつけられても痛みはなかった。
痛みより地面に当たる音とぶんぶん振り回すので酔いそうになる方が辛かった。
「なんでこんなにやっているのに効いてねぇんだ」
「もう終わりかい?」
「なんだと‼︎」
巨漢は僕の顔面を殴るが1ミリも痛みを感じなかった。
逆に殴った方の巨漢の手が砕かれて痛がっている。
「イッテェ――なんなんだお前の体は鉄にでもなっているのか?」
痛みに耐えられずその場で膝をついた巨漢。
「もう飽きたから死んでもらうね」
僕は巨漢の両肩を掴み全身を炎の魔法で燃やしてあげた。
「ぐっあー熱い、熱い許してくれ……」
「灰になるまで燃やし尽くしてやる」
そうして残ったのは、人間だったのかわからないくらいに黒く焦げた遺体と肉が焼けた匂いだけが残っていた……
少しは歯応えがあると思っていたが、そうでもなかった。
木に隠れていたメルさんとリカちゃんは血だらけの父親のそばに駆け寄っている。
「お父さん死なないで」
「お前達が無事でよかった。メル、母さんとリカを頼んだよ……」
僕もメルさんの父親のところに駆け寄ると僕に話しかけてきた。
「どなたか知りませんが、村と娘達を助けていただきありがとうございます……」
このままでは死んでしまいそうな雰囲気だったので、メルさんの父親に回復魔法をかけてあげた。
魔法をかけると父親の体が光出す。
それと同時に全身の傷という傷を全て塞ぎ、健康な体に回復させる。
「何が起こったんだ?私は生きているのか?」
父親は何が起こったのかわかっていないようだ。
「回復魔法なんて上級の魔法ですよ。アグルさんて何者なんですか?」
重症の怪我を治す回復魔法は見たことがないとメルさんは驚いていた。
ドラゴンからしてみれば回復魔法など簡単な魔法なのでこんなに驚かれるとは思わなかった。
「お兄ちゃん、お父さんを助けてくれてありがとう」
涙を流しながらリカちゃんはお礼を言ってくれた。
「この恩は忘れません」
父親は助けてくれたことに感謝し、娘達を抱きしめていた。
すっかり忘れていたが、村人達にかけていた防御魔法の結界も解いておいた。
「おっ、消えた」
「盗賊はもういないの?」
何が起こったのかわかっていない人や僕を見て警戒している人もいたが、それでよかった。
「この村を助けていただきありがとうございます」
後ろから声がして振り向けば老人の人が立っていた。
「私はこの村の村長です」
彼はこの村の村長で盗賊を倒した僕にお礼がしたくって話しかけてきてくれたようだ。
「宿に泊まれるように手配しましょう」
「いいんですか?」
お言葉に甘えて今日は村の宿屋に泊めさせてもらうことになった。
村に小さい宿屋があってそこに泊まらせてもらうことになった。
村の宿にしては掃除も行き届いていて綺麗な場所だった。
宿屋を経営しているおばさんとおじさんにも村を助けてくれたことに感謝された。
「村を助けてくれたあんたなら何日でもここに泊まっていきな」
おばさんは気前よく言ってくれてありがたかった。
僕が泊まる部屋はベッドと机だけのシンプルな部屋だったけどこの世界に来て初めてベッドで寝ることができるなんてとても嬉しかった。
ふかふかなベッドに倒れ込み天井を見上げた。
1人になると色々と考えてしまう。
住んでいた洞窟はもうない……
姉は元気にしているだろうか?
父と母は無事だろうか?
色々と考え事が頭によぎる。
あの2人組のドラゴンスレイヤーはなぜドラゴンを殺そうとするのかわからないが、あいつらがしたことを許すわけにはいかない。
だけど今は両親が無事かどうか探すのが先だ。
ついでに姉がどこにいるのか探してみるのもいいかもしれない。
あの洞窟に遺体はなかったのだから2人は生きている可能性がある。
「今日は疲れた……」
僕はいつのまにか眠りについた……
5
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
私はあなたの母ではありませんよ
れもんぴーる
恋愛
クラリスの夫アルマンには結婚する前からの愛人がいた。アルマンは、その愛人は恩人の娘であり切り捨てることはできないが、今後は決して関係を持つことなく支援のみすると約束した。クラリスに娘が生まれて幸せに暮らしていたが、アルマンには約束を違えたどころか隠し子がいた。おまけに娘のユマまでが愛人に懐いていることが判明し絶望する。そんなある日、クラリスは殺される。
クラリスがいなくなった屋敷には愛人と隠し子がやってくる。母を失い悲しみに打ちのめされていたユマは、使用人たちの冷ややかな視線に気づきもせず父の愛人をお母さまと縋り、アルマンは子供を任せられると愛人を屋敷に滞在させた。
アルマンと愛人はクラリス殺しを疑われ、人がどんどん離れて行っていた。そんな時、クラリスそっくりの夫人が社交界に現れた。
ユマもアルマンもクラリスの両親も彼女にクラリスを重ねるが、彼女は辺境の地にある次期ルロワ侯爵夫人オフェリーであった。アルマンやクラリスの両親は他人だとあきらめたがユマはあきらめがつかず、オフェリーに執着し続ける。
クラリスの関係者はこの先どのような未来を歩むのか。
*恋愛ジャンルですが親子関係もキーワード……というかそちらの要素が強いかも。
*めずらしく全編通してシリアスです。
*今後ほかのサイトにも投稿する予定です。
トレンダム辺境伯の結婚 妻は俺の妻じゃないようです。
白雪なこ
ファンタジー
両親の怪我により爵位を継ぎ、トレンダム辺境伯となったジークス。辺境地の男は女性に人気がないが、ルマルド侯爵家の次女シルビナは喜んで嫁入りしてくれた。だが、初夜の晩、シルビナは告げる。「生憎と、月のものが来てしまいました」と。環境に慣れ、辺境伯夫人の仕事を覚えるまで、初夜は延期らしい。だが、頑張っているのは別のことだった……。
*外部サイトにも掲載しています。
聖女業に飽きて喫茶店開いたんだけど、追放を言い渡されたので辺境に移り住みます!【完結】
青緑
ファンタジー
聖女が喫茶店を開くけど、追放されて辺境に移り住んだ物語と、聖女のいない王都。
———————————————
物語内のノーラとデイジーは同一人物です。
王都の小話は追記予定。
修正を入れることがあるかもしれませんが、作品・物語自体は完結です。
農業令嬢は円満な婚約解消を希望します!只今幸福な老後生活を計画中!
ユウ
ファンタジー
農業をこよなく愛するリゼットは領地で農作物を育てることに生きがいを感じていた。
華やかな王都よりも、生まれ育った領地で作物を育てるのが大好きな奇特な令嬢だったことから一部では百姓令嬢と呼ばれていた。
その所為で宮廷貴族から馬鹿にされ婚約者にも蔑まれないがしろにされてしまうのだが、前向き過ぎる性格と行動的なリゼットは不毛な婚約関係を続けるよりも婚約解消をして老後生活を送ることを決意した。
…はずだったのだが、老後資金が足りないことに気づき王女殿下の侍女募集に食らいつく。
「ある程度稼いだら国を出よう」
頓珍漢で少しずれた考えで王宮のメイドとして働きお金を稼ぐことにした。
婚約解消をするために慰謝料と老妓資金を稼ぐべくリゼットの奮闘が始まるのだったが、物事は意外な方向に進ものだった。
王命により宮廷庭師を任されることとなったのだ。
料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します
黒木 楓
恋愛
隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。
どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。
巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。
転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。
そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。
腹黒薬師は復讐するために生きている
怜來
ファンタジー
シャルバリー王国に一人の少女がいた。
カナリヤ・ハルデリス
カナリヤは小さい頃から頭が冴えていた。好奇心旺盛でよく森に行き変な植物などを混ぜたりするのが好きだった。
そんなある日シャルバリー王国に謎の病が発生した。誰一人その病を治すことができなかった中カナリヤがなんと病を治した。
国王に気に入れられたカナリヤであったが異世界からやってきた女の子マリヤは魔法が使えどんな病気でも一瞬で治してしまった。
それからカナリヤはある事により国外追放されることに…
しかしカナリヤは計算済み。カナリヤがしようとしていることは何なのか…
壮絶な過去から始まったカナリヤの復讐劇
平和な国にも裏があることを皆知らない
☆誤字脱字多いです
☆内容はガバガバです
☆日本語がおかしくなっているところがあるかもしれません
①子育てママは突然の異世界に、ワクワクしかありません
伊東 丘多
ファンタジー
はじめて書いた文なので読みづらいです…。
しかも、一人称です。
でも、かなり、気に入ってるのでセルフリメイク?します。
落ち着いたら。
異世界で子育てをしながら、料理をしたり探検したり家族と楽しむお話です。
あと、アナザーストーリーをいくつか同時に書いてます。
俺は何処にでもいる冒険者なのだが、転生者と名乗る馬鹿に遭遇した。俺は最強だ? その程度で最強は無いだろうよ などのファンタジー短編集
にがりの少なかった豆腐
ファンタジー
私が過去に投稿していたファンタジーの短編集です
再投稿に当たり、加筆修正しています
収録作品
①俺は何処にでもいる冒険者なのだが、転生者と名乗る馬鹿に遭遇した。俺は最強だ? その程度で最強は無いだろうよ
②自分勝手な弟が『ざまぁ』スキルを手に入れた!? ヤバイざまぁされる!?と思っていたら、どうも様子がおかしい
③ハブられ勇者の付き人やってます 別の場所に旅立った屑王子の体が、いつの間にか魔王に乗っ取られているんだが、どう言うことなんだ?
④誰でも最強になれるゲームの世界に転移したんだが、色々あって転移した先が修羅の世界になるかもしれない
とりあえずこの4作になります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる