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(琉弥目線)

お昼になった。

俺は光から弁当を渡され、1人で小栗くんがいるはずの裏庭まで行った。

裏庭で待っていた小栗くんを見つけて、手を振る。

すると小栗くんは嬉しそうに笑って手を振り返すと、こっちまで来てくれた。

「琉弥さん!お弁当、どこで食べますか?」

「どこでもいいよ。小栗くんは?」

「んー、じゃあ昨日と同じあそこのベンチで。」

「分かった。」

俺たちはベンチに座って、膝の上に弁当を開いた。

今日は光と食べれないが、その代わり弁当は光の手作りだ。

色とりどりで、すごく美味しそう。

光が料理できるなんて知らなかったなぁ...

「琉弥さんそのお弁当すごく美味しそうですね。」

小栗くんが目をキラキラさせながら俺の弁当を見た。

光が作ってくれたお弁当だけど、褒められると俺まで嬉しくなる。

「うん、光が作ってくれたんだ。」

「へぇ、、光さんが。あ、そういえば昨日誘うって言ってた光さんは...?」

.........

「なんかクラスで友達できたみたいで、今日はそいつらと食べるって言ってた。もし会うの楽しみにしてたらごめんね。」

そう言ったとたん、小栗くんは少しほっとしたような表情になった。

会いたくなかったのか?

「いえいえ! 全然大丈夫です。そういえば光さんは琉弥さん以外に仲良い人いたんですね。」

「あぁ、なんか昨日仲良くなったって言ってた。すごいよね光は。」

なんだか悲しくなってしまって、頭がモヤモヤする。

すると、小栗くんの目が一瞬ぎらっと光った。

「でも、その光さんって人は昔からの親友より昨日できた友達を選ぶんですね。」

「え.....?」

一瞬何を言えばいいか分からなくなってしまった。

目頭が熱くなり、腹痛で気持ち悪くなる。

けど口角を上げて、口は笑わせた。

「俺が光とずっと一緒にいることなんてできないからね。」

そういうと小栗くんはハッと顔を上げた。

「あ、違うんです!そういうことが言いたかったわけでは、あ、いや、でも...はい...」

......頼むからもうこれ以上光について何か言わないで。

「そういえばさ、連絡先交換しない?」

光の話を止めたくて、やっとでた言葉がこれだった。

小栗くんはびっくりして目を輝かせる。

「良いんですか?! 」

「いいよ、じゃあ教えるね。」

「はい! ありがとうございます!これでいつでも連絡できますね!」

小栗くんは予想以上に喜んでいた。
 
なんだか嬉しくなる。

別にそこまで小栗くんと仲良くする気はなかったけど、もうこの際仲良くなっちゃおうかな。

「ねぇ、明日も一緒に食べない?」

「僕でいいならいつでも誘ってください!」
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