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放課後、帰宅部の俺たちは駐車場へ向かっている。
するといきなり琉弥が立ち止まった。

「琉弥?」

「光、今日は車で帰るのやめよう?」

「いいよ」

どうしたんだ急に? 

急だったけど、車に乗らず2人で帰ることはたまにあるから驚きはしなかった。

「じゃあ俺坂田さんに今言ってくるから。そっちも言っとけよ。」

「分かったー。」

坂田さんとは琉弥の運転手さんだ。

家の運転手がいる生徒はこの学校では少なくない。ちなみに俺の家にも運転手がいる。

「原沢さん、今日は琉弥と帰ることになりました。すみません。」

「いえいえ。大丈夫ですよ。楽しんでくださいね。」

「はい!」

原沢さんは昔から香川家の運転手として働いてくれていて、嫌なことがあったときいつも俺を慰めてくれた。すごく好きな人だ。

原沢さんに伝えたあと、俺は琉弥が待っているところへ行った。

「今日はどこ行くんだ?」

「うーん、ただ2人だけでいたいなって思っただけだから...」

俺と一緒にいたいのか.....

まぁ特に予定はないってことだな

「じゃあ弁当箱買いに行こう。」

「えっ?弁当箱?」
 
琉弥は困惑した目で俺を見た。

「俺実は弁当作れるんだよね。今まで作ってもらってたけど。」

「へぇ、知らなかった。」

「このこと言ったのお前が初めてだからな!まあだから、1週間に何回かは俺が琉弥に弁当作ってやるよ。」

琉弥の家も俺を害のないやつと認識してると思うからきっと琉弥の弁当作りは許してくれるだろう。

「それは嬉しい!」

「だからさ、おそろいの弁当箱買おう?」

「うん!」

俺たちは早速近くのデパートのキッチン用品売り場に行った。

そこの弁当箱ゾーンには、いろんな色や形の弁当箱がずらっと並んでいた。

「琉弥はどういうのがいいの?」

「んー、俺は木製のがいいな。」

おぉ

「俺もそう思った!」

木製の弁当箱は当たり前だけどほんのり木の香りがしてすごく好きだ。

「じゃあ形どれにする? 小さすぎるとお腹空くし、、、」

「この2段のやつとかいいんじゃない?」

琉弥が指したのは、長方形のような形をした弁当箱が2段重なったものだった。

「これなら十分だな!俺はこれでいいけど琉弥は?」

「俺もこれでいいよ。あとさ、ついでにおそろいの箸と巾着袋も買おうよ。」

えぇ、そしたら全部おそろになっちゃう...
と言おうとしてやめた。きっと琉弥はそうしたいんだろうな。

「いいよ。」


俺たちはそのあとおそろいの箸と巾着袋を買い、俺は1人で帰ったが、琉弥はいろいろと危ないので坂田さんに来てもらって帰って行った。

弁当箱を買うっていうのは急だったけど、俺前世では結構料理してたからこっちの世界でも料理したくなっちゃったんだよ。
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