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〖第41話〗御詫び・発表時42話と41話を逆に発表してしまい、申し訳ありません。
しおりを挟む毎日私が会社に行くのと同じくして、真波は自分の家に帰る。スケッチを元に絵を描いているらしい。私を、描くらしい。そして、私より一足早く真波は家に帰っていて、温かい食事を用意してくれる。
丁度、仕事が終わる時間、LINEで『今日のご飯は鳥団子鍋だよ』とか、連絡をくれる。土日の仕事がない日は、歩いて二人で買い物へ行き、食事は私が作る。
食事は、重要なコミュニケーションだ。食べながらの一日のお互いの報告会。食べ終わり、片付けが終わってから、食後に二人で、おはぎとだいふくと遊ぶのも楽しい。
真波の笑うと下がる眉、私だけしか映さないベッドの中の野性味を帯びる瞳。私にとって真波は、なければならなくなるものになりつつある中毒性のあるものだ。
そして、私は『あの瞳』を真波に稀に見つける時がある。母のあの時の、あの瞳だ。勘違いかもしれないが、悲しい、今にも消えてしまいそうな、あの儚い灯火が揺れる『あの瞳』と重なってしまう。彼の不幸な過去を聴いたからだろうか。
この辺で彼に立ち入るのは、やめておいた方がいい。ただの可愛らしい恋人でいい、いつでも手放せる距離においていなければいけない。深入りは禁物だと、そう思っていたはずなのに、もういつの間にか心も身体も、私は真波に絡めとられている。
私の情熱が、想いの量が、時間と共に正比例していく。けれど、真波の情熱は、私の想いと反比例し、いつか消えてしまう。
いつか飽きられて、この二周りも年下の子に本気になった私は、捨てられるんだろう。私の恋愛なんて大体そんなものだ。
アクシデントで出会った私達の恋には賞味期限がある。とびきり甘い蜜月を過ごしたのに、最後には、私という存在が、彼にとって何の感慨も起こすこともなくなる、ただのおばさんになって廃棄されるのは、初めから予想がついていたことだ。
ただ、私にとって、耳元で「あいしてる」と囁かれるだけで指先まで熱くなるような恋をするのは、もしかしたら最後になるのかもしれない。だから、すやすや眠る真波を見ると胸が切なくなるのかもしれないと思う。
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