34 / 37
いつもの君に恋してる《白亜編》
仲直り。魔法使いは秀英《34》
しおりを挟む『白亜、だよ。可愛いな。ごめんな。みーんな俺が悪い。あのきっかけは俺なんだから。白亜がひとりぼっちで弁当食うようになったのも俺のせいなんだから』
『琥太郎、琥太郎の馬鹿!好きだよ。だから傍にいてよ!寂しかったよ!切なかったよ。お弁当、一緒に食べたかったよ!』
『俺、家庭科の先生に言われたんだ。実技は小1レベルって。大声で『自信がない』って言ったのは、弁当を作る自信。お前とやり直したいけど、自信はないな。あれだけのことした。手首つかんだ。唯彦が先生に泣きついたら白亜が悪者にされるって。言い訳だけど、ごめん』
しょんぼり尻尾をたれる秋田犬。そんな目でみないで。みんな許したくなる。
『琥太郎。お弁当なら僕がいくらでも作ってあげるよ。なるべく豪華にするよ。家の畑の朝採りアスパラで、アスパラのベーコン巻きでも作ってあげる。それから、それから………』
《涙目で、琥太郎を見つめる瞳が可愛い。唯彦よりも綺麗だし可愛いよ。琥太郎と仲直りできて良かったね》
秀英は保護者のようにそう思ってしまう。
《真一は幼馴染み。まあ、真一の彼氏と白亜は相性が良くないのでシカトということで、唯彦と真一は自由恋愛中って言うことで》
『はい、出来上がり』
ばさっと、ポンチョのような布をとる。切られた髪がはらはら床に散る。
『かなり、変わるね』
何だか照れ臭くて、僕は頬を人差し指で掻いた。
セットのしかたを教わり、秀英に、バームを3つももらう。
『どうして?』
『それは白亜がお姫様みたいに可愛くて、賢いからさ』
自分の生きる道を切り開いて目的地に着く。中々できない。
ここにいる三人、白亜がデブの髭もじゃのおっさんになっても、白亜が好きだから。変わらないものってあるよ。
『あれ、唯彦くんは?』
ドアの奥から何か気配がした。この美容院は玄関、廊下があって、ドアがあってフロアだ。
開けて見てみると、唯彦が体育座りで泣いていた。
18
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
つぎはぎのよる
伊達きよ
BL
同窓会の次の日、俺が目覚めたのはラブホテルだった。なんで、まさか、誰と、どうして。焦って部屋から脱出しようと試みた俺の目の前に現れたのは、思いがけない人物だった……。
同窓会の夜と次の日の朝に起こった、アレやソレやコレなお話。
肌が白くて女の子みたいに綺麗な先輩。本当におしっこするのか気になり過ぎて…?
こじらせた処女
BL
槍本シュン(やりもとしゅん)の所属している部活、機器操作部は2つ上の先輩、白井瑞稀(しらいみずき)しか居ない。
自分より身長の高い大男のはずなのに、足の先まで綺麗な先輩。彼が近くに来ると、何故か落ち着かない槍本は、これが何なのか分からないでいた。
ある日の冬、大雪で帰れなくなった槍本は、一人暮らしをしている白井の家に泊まることになる。帰り道、おしっこしたいと呟く白井に、本当にトイレするのかと何故か疑問に思ってしまい…?
ひとりぼっちの180日
あこ
BL
付き合いだしたのは高校の時。
何かと不便な場所にあった、全寮制男子高校時代だ。
篠原茜は、その学園の想像を遥かに超えた風習に驚いたものの、順調な滑り出しで学園生活を始めた。
二年目からは学園生活を楽しみ始め、その矢先、田村ツトムから猛アピールを受け始める。
いつの間にか絆されて、二年次夏休みを前に二人は付き合い始めた。
▷ よくある?王道全寮制男子校を卒業したキャラクターばっかり。
▷ 綺麗系な受けは学園時代保健室の天使なんて言われてた。
▷ 攻めはスポーツマン。
▶︎ タグがネタバレ状態かもしれません。
▶︎ 作品や章タイトルの頭に『★』があるものは、個人サイトでリクエストしていただいたものです。こちらではリクエスト内容やお礼などの後書きを省略させていただいています。
夜空に舞う星々のノクターン
もちっぱち
BL
星座と響き合う調べ、
野球場に鳴り響く鼓動。
高校生活が織りなす、
フルート奏者と
野球部キャプテンの出会い。
音楽の旋律と野球の熱情が
交差する中で、
彼らの心に芽生える友情とは?
感動と切なさが交錯する、
新たな青春の物語が始まる。
表紙イラスト
炭酸水様
@tansansui_7
太陽に恋する花は口から出すには大きすぎる
きよひ
BL
片想い拗らせDK×親友を救おうと必死のDK
高校三年生の蒼井(あおい)は花吐き病を患っている。
花吐き病とは、片想いを拗らせると発症するという奇病だ。
親友の日向(ひゅうが)は蒼井の片想いの相手が自分だと知って、恋人ごっこを提案した。
両思いになるのを諦めている蒼井と、なんとしても両思いになりたい日向の行末は……。
どうせ全部、知ってるくせに。
楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】
親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。
飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。
※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。
台風の目はどこだ
あこ
BL
とある学園で生徒会会長を務める本多政輝は、数年に一度起きる原因不明の体調不良により入院をする事に。
政輝の恋人が入院先に居座るのもいつものこと。
そんな入院生活中、二人がいない学園では嵐が吹き荒れていた。
✔︎ いわゆる全寮制王道学園が舞台
✔︎ 私の見果てぬ夢である『王道脇』を書こうとしたら、こうなりました(2019/05/11に書きました)
✔︎ 風紀委員会委員長×生徒会会長様
✔︎ 恋人がいないと充電切れする委員長様
✔︎ 時々原因不明の体調不良で入院する会長様
✔︎ 会長様を見守るオカン気味な副会長様
✔︎ アンチくんや他の役員はかけらほども出てきません。
✔︎ ギャクになるといいなと思って書きました(目標にしましたが、叶いませんでした)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる