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第1章
カルガモの2人と新しいカルガモ①
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「お帰り、祥介。丁度ご飯出来たから、手、洗って座って」
ダイニングテーブルに、久しぶりに秋彦は腕を振るった、祥介の好きな料理を並べていく。
最近、谷崎とご飯を食べて来たり、谷崎の家で谷崎が手早く作ってくれる炒飯等をご馳走になったりしていた。
谷崎は昔から両親が共働きで遅いからいつも独りで夕食を作り、独りで食べていたと言っていた。
家に帰る時間は遅くなって、晩ご飯は、つまむ程度。スーパーの値下げになったお惣菜にお世話になることが増えた。
甘えてしまっていた。 谷崎にも、家で独りで自分の帰りを待つ祥介にも。
でも今日は、久し振りに祥介と話がしたかった。
『僕、友達が出来たんだよ』
と、言いたかった。そして、
『これからはちゃんとご飯作るからね、ごめんね』
と謝りたかった。
今日のメニューは揚げワンタンと中華風春雨サラダとごま油が決めての、ワンタンの皮を入れた、かき玉スープ
「いただきます」
の言葉に始まる、久々に感じる
『いつも通り』の二人の夕食。
「美味しい?」
「うん。ありがとな。揚げワンタン面倒なのに。美味しいよ」
秋彦は、祥介が笑って自分の作ったご飯を丁寧に食べてくれるのが一番嬉しい。冬に、目を離した隙に、少し焦がしてしまって失敗した白菜のミルフィーユ鍋も、
「これはこれで美味しいから」
と、苦笑いして食べてくれた。談笑のあと、祥介は真面目な顔をして言った。
「秋彦。最近遅いのは………もしかして、また何か壊されたり、何か言われたりしてるのか?大丈夫なのか?」
心配そうな顔をする祥介に、少し苦しい笑顔で秋彦は横に首を振る。
心配させたくなくて、話をそらす。
「うん、大丈夫。話変わるけどさ、友達って言っていいのかな。少し仲良くしてくれる後輩ができたんだ。本の趣味もあって、楽しくて。日曜日、県立図書館行ってきて、勉強もみてあげた。あ、あと近々眼鏡も、新しくしてこようと思って。コンタクトにするかも。髪も切ろうと思うんだ。あのね、僕『先輩』って呼ばれてるんだよ」
秋彦は嬉しそうに、笑いながら冷たい烏龍茶を祥介の空のグラスにピッチャーで注ぐ。祥介の表情は一気に無表情になった。
「しょう、介?」
『お前、いい加減俺以外の友達作れよ』
苦笑しながら口癖のように祥介はそう言っていたから、秋彦は祥介は友達が出来たらきっと喜んでくれると思っていた。 だから初めて祥介が見せた能面のような冷たい顔に秋彦は困惑しかなかった。
祥介は、その顔のまま秋彦に言った。
「絶対にその後輩、家には連れてくんなよ。あと、誰かに絶対に俺と一緒に暮らしてること言うなよな。恥ずかしいから。てかさ、最近スーパーの惣菜ばっかだったけど、そういうわけ。心配して損した。飯作る暇はないけど、友達と遊ぶ暇はあるんだな。今日は何?俺のご機嫌取り?」
「ごめん………なさい………」
「俺、もう夕飯いいわ。寝る。ご馳走さま」
パシッと祥介はお揃いのウサギの箸置きに箸を置いた。
谷崎と仲良くなって、それまで話し相手は、祥介以外居なかった秋彦にとって、毎日が楽しかった。
クラスの中での嫌がらせや陰口は変わらないけれど、谷崎と公園のブランコに座って、安いアイスを齧って話を聞いてもらうだけで慰められた。
祥介にはこういう相談はできない。巻き込みたくない。心配させたくない。
それに悲しい顔をさせたくないからだ。
つい、帰るのが遅くなって、夕飯はスーパーの値下げのお総菜が増えたのは確かだ。祥介に悪いとは思っていた。
家事で食事以外は全て祥介は完璧にこなす。謝る気持ちも込めて作った祥介の好きな中華風春雨サラダと揚げワンタン、かき玉のスープ。
ろくに手もつけずに祥介は席を立ち、バタンッと音をたててドアを閉めた。
秋彦はポツリと呟いた。
「僕は、ずっと家で勉強して、ただご飯を作って祥介を待っていればいいの?友達も、本当は作っちゃいけないの?祥介は僕のことが恥ずかしかったの………?」
よく言われた。
『秋彦、いい加減俺以外の友達作れよ』
という祥介の言葉を秋彦は反芻する。困ったような笑顔でそう言いながら、祥介は解っていたのかもしれない。
秋彦には友達は作れないと。
もしかしたら友達をつくることすら望んでなかったのかもしれない。
実際、谷崎の話、友達の話をしたら、祥介は冷たい顔になった。
そう、疑いの芽が、育っていく。
言えることは、自分は家に居て、ただ、これまでのように勉強をして、祥介を待って、料理を作っていればいい。
それが祥介が望むこと。
友達は祥介以外は作っちゃいけない。
だって、祥介にとって自分は、
恥ずかしいけれど
面倒を見て『貰っている立場』
なのだから。
友達は祥介以外は作っちゃいけない。
だって、祥介にとって自分は、
恥ずかしいけれど
面倒を見て『貰っている立場』
なのだから。
泣きながら秋彦は、ろくに手のつけられていない夕食を食べた。
喉を通らなくなったワンタンは、手掴みで冷えた烏龍茶と一緒にお腹に押し込んだ。吐き気が続いて、
三十分くらい経って、
胃が痛くなってトイレで吐いた。
悲しくて、
悔しくて、
情けなくて、
痛くて、
胃がヒクヒク勝手に動くのをとめられなくて、吐くものがなくなるまで泣きながら吐いた。
貧血を起こしたのか、ふらふらする。
「痛いよう………気持ち悪いよう………しょう………すけ………助けて、しょう………すけ………」
秋彦が廊下に倒れたガタンッという音が家に響いた。
部屋を飛び出してきた祥介は秋彦に駆け寄り、座り込む。
「気持ち悪いよう……しょう……すけ……しょう、ちゃん………」
秋彦は壁を背にして横になり、丸まる。何でこんなときにも、自分は祥介を呼んでしまうんだろう。
秋彦は吐き気をこらえながら涙目で祥介を見つめる。
「秋彦!大丈夫か!」
祥介は、秋彦に駆け寄る。
『これが、大丈夫に見えるんだ、祥介には』
祥介に秋彦は、そんな悪態をつこうと思っていた。
けれど、秋彦の手を握る祥介の大きな手が震えていて、温度がどんどん下がっていくのを感じる。
祥介はうなだれて
『ごめんな』
を繰り返し、秋彦の右手に縋るように額をつけた。
秋彦の瞳からはポロポロ涙が零れるだけだった。泣きそうな祥介の頬に左手を伸ばし言った言葉は、
『大丈夫だから。ごめんね。寝てるとこ邪魔して』
一生懸命笑って、言おうとしたことの逆の言葉を言っていた。
祥介を傷つけたくない。
悲しい顔をさせたくない。
『ごめんね。僕は大丈夫だから』
祥介は、初めて聞く秋彦のここまでの弱々しい声の中、秋彦が、初めて見せた悲しみが濃縮したような顔を見て俯いた。
自分がここまで秋彦を傷つけた。
秋彦の力ない笑顔が祥介の胸に刺さった。
ダイニングテーブルに、久しぶりに秋彦は腕を振るった、祥介の好きな料理を並べていく。
最近、谷崎とご飯を食べて来たり、谷崎の家で谷崎が手早く作ってくれる炒飯等をご馳走になったりしていた。
谷崎は昔から両親が共働きで遅いからいつも独りで夕食を作り、独りで食べていたと言っていた。
家に帰る時間は遅くなって、晩ご飯は、つまむ程度。スーパーの値下げになったお惣菜にお世話になることが増えた。
甘えてしまっていた。 谷崎にも、家で独りで自分の帰りを待つ祥介にも。
でも今日は、久し振りに祥介と話がしたかった。
『僕、友達が出来たんだよ』
と、言いたかった。そして、
『これからはちゃんとご飯作るからね、ごめんね』
と謝りたかった。
今日のメニューは揚げワンタンと中華風春雨サラダとごま油が決めての、ワンタンの皮を入れた、かき玉スープ
「いただきます」
の言葉に始まる、久々に感じる
『いつも通り』の二人の夕食。
「美味しい?」
「うん。ありがとな。揚げワンタン面倒なのに。美味しいよ」
秋彦は、祥介が笑って自分の作ったご飯を丁寧に食べてくれるのが一番嬉しい。冬に、目を離した隙に、少し焦がしてしまって失敗した白菜のミルフィーユ鍋も、
「これはこれで美味しいから」
と、苦笑いして食べてくれた。談笑のあと、祥介は真面目な顔をして言った。
「秋彦。最近遅いのは………もしかして、また何か壊されたり、何か言われたりしてるのか?大丈夫なのか?」
心配そうな顔をする祥介に、少し苦しい笑顔で秋彦は横に首を振る。
心配させたくなくて、話をそらす。
「うん、大丈夫。話変わるけどさ、友達って言っていいのかな。少し仲良くしてくれる後輩ができたんだ。本の趣味もあって、楽しくて。日曜日、県立図書館行ってきて、勉強もみてあげた。あ、あと近々眼鏡も、新しくしてこようと思って。コンタクトにするかも。髪も切ろうと思うんだ。あのね、僕『先輩』って呼ばれてるんだよ」
秋彦は嬉しそうに、笑いながら冷たい烏龍茶を祥介の空のグラスにピッチャーで注ぐ。祥介の表情は一気に無表情になった。
「しょう、介?」
『お前、いい加減俺以外の友達作れよ』
苦笑しながら口癖のように祥介はそう言っていたから、秋彦は祥介は友達が出来たらきっと喜んでくれると思っていた。 だから初めて祥介が見せた能面のような冷たい顔に秋彦は困惑しかなかった。
祥介は、その顔のまま秋彦に言った。
「絶対にその後輩、家には連れてくんなよ。あと、誰かに絶対に俺と一緒に暮らしてること言うなよな。恥ずかしいから。てかさ、最近スーパーの惣菜ばっかだったけど、そういうわけ。心配して損した。飯作る暇はないけど、友達と遊ぶ暇はあるんだな。今日は何?俺のご機嫌取り?」
「ごめん………なさい………」
「俺、もう夕飯いいわ。寝る。ご馳走さま」
パシッと祥介はお揃いのウサギの箸置きに箸を置いた。
谷崎と仲良くなって、それまで話し相手は、祥介以外居なかった秋彦にとって、毎日が楽しかった。
クラスの中での嫌がらせや陰口は変わらないけれど、谷崎と公園のブランコに座って、安いアイスを齧って話を聞いてもらうだけで慰められた。
祥介にはこういう相談はできない。巻き込みたくない。心配させたくない。
それに悲しい顔をさせたくないからだ。
つい、帰るのが遅くなって、夕飯はスーパーの値下げのお総菜が増えたのは確かだ。祥介に悪いとは思っていた。
家事で食事以外は全て祥介は完璧にこなす。謝る気持ちも込めて作った祥介の好きな中華風春雨サラダと揚げワンタン、かき玉のスープ。
ろくに手もつけずに祥介は席を立ち、バタンッと音をたててドアを閉めた。
秋彦はポツリと呟いた。
「僕は、ずっと家で勉強して、ただご飯を作って祥介を待っていればいいの?友達も、本当は作っちゃいけないの?祥介は僕のことが恥ずかしかったの………?」
よく言われた。
『秋彦、いい加減俺以外の友達作れよ』
という祥介の言葉を秋彦は反芻する。困ったような笑顔でそう言いながら、祥介は解っていたのかもしれない。
秋彦には友達は作れないと。
もしかしたら友達をつくることすら望んでなかったのかもしれない。
実際、谷崎の話、友達の話をしたら、祥介は冷たい顔になった。
そう、疑いの芽が、育っていく。
言えることは、自分は家に居て、ただ、これまでのように勉強をして、祥介を待って、料理を作っていればいい。
それが祥介が望むこと。
友達は祥介以外は作っちゃいけない。
だって、祥介にとって自分は、
恥ずかしいけれど
面倒を見て『貰っている立場』
なのだから。
友達は祥介以外は作っちゃいけない。
だって、祥介にとって自分は、
恥ずかしいけれど
面倒を見て『貰っている立場』
なのだから。
泣きながら秋彦は、ろくに手のつけられていない夕食を食べた。
喉を通らなくなったワンタンは、手掴みで冷えた烏龍茶と一緒にお腹に押し込んだ。吐き気が続いて、
三十分くらい経って、
胃が痛くなってトイレで吐いた。
悲しくて、
悔しくて、
情けなくて、
痛くて、
胃がヒクヒク勝手に動くのをとめられなくて、吐くものがなくなるまで泣きながら吐いた。
貧血を起こしたのか、ふらふらする。
「痛いよう………気持ち悪いよう………しょう………すけ………助けて、しょう………すけ………」
秋彦が廊下に倒れたガタンッという音が家に響いた。
部屋を飛び出してきた祥介は秋彦に駆け寄り、座り込む。
「気持ち悪いよう……しょう……すけ……しょう、ちゃん………」
秋彦は壁を背にして横になり、丸まる。何でこんなときにも、自分は祥介を呼んでしまうんだろう。
秋彦は吐き気をこらえながら涙目で祥介を見つめる。
「秋彦!大丈夫か!」
祥介は、秋彦に駆け寄る。
『これが、大丈夫に見えるんだ、祥介には』
祥介に秋彦は、そんな悪態をつこうと思っていた。
けれど、秋彦の手を握る祥介の大きな手が震えていて、温度がどんどん下がっていくのを感じる。
祥介はうなだれて
『ごめんな』
を繰り返し、秋彦の右手に縋るように額をつけた。
秋彦の瞳からはポロポロ涙が零れるだけだった。泣きそうな祥介の頬に左手を伸ばし言った言葉は、
『大丈夫だから。ごめんね。寝てるとこ邪魔して』
一生懸命笑って、言おうとしたことの逆の言葉を言っていた。
祥介を傷つけたくない。
悲しい顔をさせたくない。
『ごめんね。僕は大丈夫だから』
祥介は、初めて聞く秋彦のここまでの弱々しい声の中、秋彦が、初めて見せた悲しみが濃縮したような顔を見て俯いた。
自分がここまで秋彦を傷つけた。
秋彦の力ない笑顔が祥介の胸に刺さった。
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