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6.5 みんなの視点から4

幼馴染たちの憂鬱と獅子の咆哮の無駄遣い

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 王宮の皇帝や皇妃のプライベートルームにあたる後宮とその管轄にある離宮については、文官、武官、この王宮でも後宮で働くものには口にはしてはいけない不文律がある。

 後宮で起きていることを他言してはいけない。

 後宮に出入りする人間の事を他言してはいけない。

 後宮で何が行われているか他言してはいけない。

 まだまだあるのだが、要は


 後宮で見聞きし得た情報を他言するな、言ったら殺す。



 である。

 これを後宮に勤めるときに魔法で契約をさせられる。

 制約に課せられるものは、後宮に勤めるその者とその親戚一同の命である。

 大変におっかない。

 しかもこの契約、宰相補佐官と騎士団長が連盟で契約書を書き、宮廷魔術師長が自ら契約を施す。

 強面三人ブリザードに囲まれるなかで、文官、武官、侍女、メイドなどなど、すべての者が契約を行うのであるが、この三人に囲まれた時点でちびるようなら契約以前の問題である。

 勤まらないからだ。

 おかげで両手で数えられるくらいしか勤めているものは居ない。

 何とかなっているのでいいのであるが、困ったもんである。





「お茶をお持ちいたしました。」

「あぁ、おいておいてくれ。」

 本日の、後宮のなかでも皇帝ご夫妻が大変にお気に入りの温室になっているティサロンは、並々ならぬ緊張感が漂っている。

「皆は下がってよい。」

 言われ、サロンに集まった6人以外が全員腰を折って下がっていくのを全員が確認すると、椅子から立ち上がった人影が、自ら進んで厚手で小さめの敷物が敷かれた場所に正座した。

 かの人は正座をすると、しゅん……とうなだれている。

 その人とは、ルフォート・フォーマ皇妃、ルナック・マルス・オクロービレ・ルフォートである。

 しかしその姿にうろたえるものも、止める者もいない。

 ただただ、それをながら見ているだけである。

「あのな、ルナーク……」

 ティカップを手にしてため息をつく獅子……ではなくルフォート・フォーマ皇帝のラージュが口を開いた。

「おまえ、フィランがだから助かったけど、あれ本当にやばかったからな。」

 何だ、その砕けた口調。

 っていうか、言うに事欠いてあほの子。

 すかさず声を上げるものが出てくる。

「まて、あほの子って何だ、フィランはあほじゃないぞ。」

 飛んできた発言もあほだった。

 聞き捨てならん、と言葉を発した赤髪の青年……センダントディ・イトラことセディを、まぁまぁ、と諌めたのは、本日はいつもの白銀の鎧ではなく、とてもラフな格好をした虎の獣人、ルフォート・フォーマ将軍のロギンティイ・フェリオことロギイ。

「こいつ、本当に妹のことになると途端に馬鹿になるな。」

 黒衣の宮廷魔術師長アケロウス・クゥことアケロスが目の前に置かれた焼き菓子を手に取れば、セディを抑えつけたロギイが大げさに首を振って言う。

「ほんとだよ、あの時もすごかったなぁ。 セスを嫁にくれって挨拶に行った後のミゲト見た? 顔以外の見えないところ青アザだらけのボロボロ。 お前、影が素手とはいえ本気出すって本当に大人げないよ。」

「嫁にやるから殴らせろと言っただけだ。」

「顔はよけて殴ってるところでかなり確信犯だからな。 その後、使い物にならなくて大変だったんだ。ポーション飲ませて仕事をさせたけどな。あと、あのあほの子は妹じゃないぞ。」

 ひとり、こともなげに静かにソファに深く座り、足を組んで紅茶をたしなんでいる宰相補佐、白銀の髪に琥珀の瞳のストレンミル・フォトンことスールに言われ、はっとしたセディは、ガタリと立ち上がる。

「養子縁組してくる。」

「いやいや、落ち着け、お前。 それだと親子になるし、そもそもそれで今問題になっているんだろうが。」

「フィランはもう俺とセスの妹だ。」

 きりっと真剣な表情で、宰相補佐に詰め寄り書類は何が必要だと言い出したセディをロギイが椅子に座らせる。

「いいから座れ! 本当、お前普段は冷静なのに家族絡むとだめだな!」

「うるっさいわ! 黙ってろ馬鹿ども!」

 イラッとしていたラージュが叫ぶと、温室内にうぉんっ!っと大きな波が打ち付けるような衝撃。

 温室の花や葉がざわめき、飼っている鳥が飛び立つ。

 なんなら数羽、気絶して落ちた。

 その一喝。

 空気がシン……っとなり、立っていた者が席に着いたあたり、さすがは皇帝陛下だと思われるだろが、スキル『獅子の咆哮』と言われる威圧・制圧スキルである。

 本当に獅子のひと吠えのように心臓と、ついでに男性の大切なところもギュン! となるくらい怖いらしく、新人がこれで漏らすか漏らさないかが、騎士団の間では新人の根性を見極める基準になってるとかいないとか。

「まったく、どいつもこいつも……手間のかかる……」

 そんなことはさておき、黙った面子にふん! と鼻を鳴らしながら、大きく、ものすごくわざとらしい溜息をついたラージュに、ルナックはますますうなだれる。

「お前もなんで子供になって、くらいでやめておけなかったんだ。 側妃って何だ側妃って。」

「だ、だって、とっても可愛かったんだもん。 手元に置きたかったんだもん。」

 べそべそと泣きながらそういう皇妃に、全員がため息をつく。

「じゃあ、医官に任命しようか。 一人辞めたところだからちょうどいい。 そうすれば王宮の寮を使えるし、セス問題も込みで特別待遇してやるが?」

 と、スートが言えば。

「いえ、うちの新人として受け入れましょう、七精霊の加護付きですからね。 実質私の弟子ですし。」

 と、アケロスが言う。

 セディが殺気を放っているのにお構いなしだが、そこでもまだべそべそとルナークは涙を流す。

「そうじゃなくて、一緒に遊んだりお買い物したりしたいの! 魔術師や医官じゃお仕事しなきゃそれができないじゃない!」

「……バカか?」

 全員思った言葉を、ロギイはぽろっといってしまった。

「なによ! ロギイはいいわよ! 一緒にダンジョン攻略とかしちゃって! わたくしも行きたい!」

 うわぁーんと泣き出す皇妃。

「いや、お前それはほんと勘弁して。」

「なんでラージュはいいのよ! ラージュだってダンジョン攻略に行ったじゃない!」

「俺は監視役だからしょうがないだろ! 確かに楽しかったけど、俺のは仕事でもあるんだからな! 何なら皇帝業よりも優先事項だぞ!」

「今、楽しかったっていったっ!」

「仕事だ仕事! もっかい吼えるぞ!」

 その言葉に、全員が押し黙る。

 その事情を知っている事もだが、単純にみんな咆哮(きん〇まギュン!)が嫌いなのだ。

「ま、まぁそれがなければ、ラージュをダンジョンに行かせたりすることは絶対にないしな……」

 スールがため息混じりにそう言ったところで、そうだわ! と、ルナークが立ち上がった。

「わたくしも一緒にアカデミーに行く!」

「「「「「「あほかー!」」」」」

 一斉にルナーク以外の全員の声がシンクロしながら反響した。

 何なら皇帝のスキル咆哮も出ちゃったので、ツッコミ直後の不意打ちギュン!に、へなへなと全員一回椅子に座る。

「ルナーク、何でもしてやるからとりあえずお前は王宮にいてくれ。 俺が不在にする間を守るのが当初の約束だっただろう?」

「でもでも! その約束をした時はフィランちゃんいなかったもの! セスが一緒にいてくれたから納得出来たけど、今はセスはいないじゃない! 私ばかり寂しい……」

 なだめるように言うラージュに、ボロボロ泣いて訴えるルナーク。

 確かにフィランはその時居なかった、そりゃそうである。

 そしてセスの件もこれまたどうしようもないことである。

 ルナーク以外の全員が、様々な理由と思惑で内心頭を抱えていた。

「百年前の約束だからなぁ……」

「長いな、俺たちよく頑張ってきたな。 とくにルナークは番がいるのに、形ばかりでもラージュと婚姻して、一番めんどくさい皇妃なんか引き受けて、社交界の付き合いや貴族院のヤジに、あほ貴族のやっかみ嫌がらせもぜんぶ受け止めてくれいるのだから。 しかもこの面子の中でも一番仲の良かったセスもいない。 そろそろ一回ご褒美なんじゃないのか、ラージュ。 お前だって今回のアカデミー入学、ご褒美みたいなもんだろ……」

「フィランにはとんだ災難だけどな。」

 セディが最後に付け加えたのは、みんな無視することにした。

「……ルナーク」

 はぁ、とため息をついてラージュは手を差し出す。

「すまない。 皇妃をやめさせることはできないし、イフリートを今お前のもとに戻してやることはできないけれど……百年分の褒美を願え。 できる限りのことはする。」

 彼女の一番の望みであろうふたつをふたつとも叶えられないことを謝ると、彼女はまた、涙をこぼす。

 そして少し考えたあと、顔を上げた。

「もし、もしも。」

 それは幼なじみ達に対する嫌がらせと、自由にならなかった百年分を楽しむための願い。

「フィランちゃんが許してくれるなら、ラージュとフィランちゃんと一緒にアカデミーに行きたいわ。」

「「「「はぁ?」」」」

 いうに事欠いてそこ?! 

「フィランちゃんが嫌といえば辞めますし、アカデミー通学の時間以外は頑張って皇妃を演じるわ。……どうかしら?」

「どうって……お前……。」

 呆れた顔をしてから、ややあって考え込むラージュ。

 どうじゃねぇよ、馬鹿野郎。 確かに褒美をやれとは言ったけど、アカデミーは四年間だぞ。 二人同時入学って、公務はどうするんだよ、公務はよ! そこは皇妃として空気読もうよ! 皇帝も断われ!

 と、全員心の中で力いっぱい突っ込む中、ふむ、と顎をしゃくったラージュはちらりとアケロスを見た。

「できるか?」

「馬鹿か?」

 圧倒的言葉の足らなさも、長い付き合い特有の脳内補正でカバーした会話である。

「材料がない、材料が。 お前の分だけでも……あ。」

 そこまで言って、アケロスとセディが顔を合わせた。

「「あるな、材料。」」

「おいお前ら、何をするつもりだ。」

「わりと新鮮な材料が最近手に入っていたな、アケロス。」

「なかなかにイキのいい状態のいいものがストックされたばかりだ。 別の実験に使いたかったがしょうがない。 そうだな、公務の件を宰相補佐殿にも協力させるとして……後、騎士団長殿にもぜひ、足りない分の材料集めをお願いしたい。」

「アケロス? セディ? ロギイ? スール?」

「あーはいはい。 わかったわかった、解りましたよ! いいか俺は予定調和や予定を崩されるのが一番! 嫌いなんだ! その俺が動いてやるんだから本当にうまくやれよ!」

 ラージュに涙を拭かれながら、きょとんとしているルナークを横目に見ながら、スールはお前ら本当に許さないと唸る。

「ルナークへの褒美を言い出したのは俺だから王宮内のフォローはしてやるが、絶対にボロ出すんじゃないぞ。」

 全員が頷いたところで、悪ガキのような顔をして全員が立ち上がった。

「さて、それでは、また報告会の日に……早く材料をお願いしますね。」

「ちゃんと寝るんだぞ、ルナーク。」

「フィランちゃんにお願いね、セディ。」

「次に何かやった時にはとりなしませんけどね……。」

「いや、全体的に俺のせいじゃないし!」

「早く全員持ち場に帰れ!」

 獅子の咆哮が早いか、皆が魔法陣で持ち場に帰るのが早いか。

 誰一人いなくなり、急に静かになった空間で、ラージュは静かに冷めてしまった紅茶を口につけた。

 その口元にはうっすらと、優しい微笑みが僅かに浮かんでいた。
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