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1章 チュートリアル

12.5話 移動回 ガルチ村へ

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 王様が宿の前に馬車を用意してくれていたのと、さいわい道中に魔物が出なかったおかげで、夕方に飛び出して2時間ほどで村に着いた。

「こんな時間に到着か…1週間も一体何をしていた?!」

「ごめん、熱中症で倒れてた」

「トウジは昼が苦手なの。私が無理言って連れ出したから…」

「君は悪くないよ。体調管理は自分の仕事だ」

 イラつくが、言い返せない。

「…はぁ。とりあえず。この村付近の魔物はある程度倒していったら大人しくなった。もう時間もないし、二手に分かれる。君はここから東に進んだあるガルチ村にいけ。僕は西の村にいく」

「…了解」

「カルミアさん、僕と一緒に来ないか?僕なら君を守ってあげられる」

「あはは、大丈夫です。病み上がりのトウジを守ってあげないといけないので」

 カルミアがそう言い放つと、遼馬がこちらをにらみ、小さく舌打ちした。

「じゃあ、行こう」

 *

 道中魔物と2度戦闘になったが、ガルチ村には1時間ほどでついた。

「おぉ、やっと来てくだされた勇者殿、どうぞこちらへ」

 村の門の前にいた門番に、手紙に入っていた手形を見せると、村の中でも一際ひときわ大きい家に案内された。

 そこで、村長に村の状況を聞き、

「わかりました。急いでなんとかします」

 そう言い、村から出る。

「さぁ、1週間でなまった体を鍛えるぞ…ん?」

 森の方で何か赤い点が光った。森を10mほど埋め尽くしている。

「あー、えっと、どうする?カルミア」

「…やるしかないでしょう。引くわけにはいかないんだから」

「まあ、俺も引くつもりはないけどさ」

 赤い点はぞろぞろと勢いよくおそいかかってきた。元の世界では、イノシシや、象、オオカミなどに似ている。

 ここに来るまでほとんど魔物がいなかった理由はこれか。

「カルミア、魔物呼んで!」

「わかった!」

 まずい。多すぎる。

 逡巡しゅんじゅんしていると、魔物の数が半分ほどに減った。カルミアが遠くに飛ばしてくれたのだ。

「助かる、ありがとう」

 そして、こちらの準備が整った。

「最近、助けられてばっかだな。」

 呟き、一斉いっせいに魔物へと向かっていった。
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