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【第三章】燃え盛るカリバーン帝国
第百二十九話……王女様ケロ!?
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「はい……、しかし、私の一存では……」
副官殿が電話している。
相手は誰だろう……。
「提督、少しお願いが……」
電話を終えた副官殿が、私に話しかける。
「お願い? 何でしょうか?」
「いえ、宇宙船を一つ借りられませんか? 出来れば戦闘艦が良いのですが……」
「ぇ? なんで必要なの?」
「良かったら理由を話してみて……」
「……実は……」
副官である彼女が言うには、昔のアンドロイド仲間が住む惑星が、宇宙海獣によって被害に遭っているとのことだった。
「ああ、じゃあハンニバルで行こうか? 最近特には用事もないし……」
確かに、近隣星系の防衛には気を遣う必要があったが、最近は艦艇も充実してきたため、少しくらいの期間なら遠出しても良さそうだった。
「僕も行くポコ!」
「私も行くニャ♪」
「吾輩も行くケロ!」
Σ( ̄□ ̄|||)ぇ?
最後は聞きなれない声が……。
……一体誰?
声のする方角を見ると、全長3cmくらいのカエルさんであった。
「どちら様で?」
私はカエルさんに尋ねる。
「先ほどは民が世話になったな! 吾輩は宇宙アメーバの王女ケロ!」
「なにやら、物々しい様子、助っ人致すケロ!」
なんとカエルさんは、2kmを超える巨大アメーバたちの王族らしい。
スケール感がイマイチピンと来ないし、そもそもいつ艦内にはいったんだ?
「じゃあ、助っ人お願いしますね!」
「マカセロケロ!」
こんな小さなカエルさんに何かできるとは思えなかったが、せっかくのご厚意だし、連れていくことにした。
「提督、お聞き届け、ありがとうございます!」
トランジスタグラマーの副官殿に抱き付かれる。
彼女の体はバイオロイドなので、……その、その、や、柔らかい……。
「まぁ、困ったときはお互いさまで」
「お互い様ポコ!」
「お互い様メェ~!」
結局、我が第十艦隊の幕僚の中からアルベルトを除いた全員で行くこととなった。
目指すはグングニル共和国のアルファ星系。
パウリーネ様を安心させるために、戦力はハンニバル単艦で向かうこととした。
「みんな頼んだぞ!」
「「「了解!」」」
☆★☆★☆
【羅針眼】発動!!
眼力を上げ、接続した艦のコンピューターと共に、アルファ星系までの最適な航路を探す。
見知らぬ宙域への出撃なので、【羅針眼】を使って難所を避ける必要があったのだ。
「航路設定良し!」
「エネルギー機関部へ加圧充填!」
「充填良し!」
「長距離跳躍開始!」
機関のエネルギーをフルパワーで、長距離ワープを連続で行う。
途中、敵勢力圏も通過したが、素早い跳躍を反復し、予定地であるアルファ星系外縁部に到達した。
「こちらアルファ星系政府、ハンニバルの来援を歓迎する!」
アルファ星系内惑星より通信が来る。
……どうやら、喜ばれているようだ。
ここまで来て、嫌われても困るのでもあるが……。
その後、アルファ星系の代表者が、小さな宇宙船で挨拶に来た。
やってきたのは、初老の小太りの男性だった。
「この度はどうも有難うございます!」
「いえいえ、早速詳しいお話を聞かせてください!」
「では……」
この代表者から、事情を窺う。
このアルファ星系に、度々交易船を襲う宇宙海獣が出るとのことだった。
「以前は、宇宙海獣はでなかったのですか?」
「……で、出ておりませんでした」
「それはおかしいケロね!」
いつの間にカエル王女様が、ハンニバルの応接室の机の上にいた。
「おかしいといいますと?」
「我らは、よっぽどのことがないと、住み家を離れた外宇宙には出ないケロ!」
「へぇ」
「じゃあ、なんで出てくるのでしょうね?」
「わからないケロ!」
……結局、しばらくハンニバルはアルファ星系の外縁部で、宇宙海獣の出現を待つことにした。
☆★☆★☆
(……十日後)
「レーダーに接近する大質量物体確認! その数3!」
「ついに来たか!?」
「やってやるポコ!」
「お金を稼ぐニャ!」
敵を待っているというより、我々は魚を待っている釣り人のような気分だった。
肉眼で見ると、話に聞いたより小さめの宇宙海獣だった。
全長50mくらいだろうか?
太古の生物であるアンモナイトのような形をしていた。
「さらに接近、距離120光秒!」
「攻撃開始!」
「主砲斉射ポコ!」
タヌキ砲術長の狙いは的確で、宇宙海獣はその生体の核を正確に貫かれた。
堅い殻が割れ、大量の体液がばら撒かれる。
「やったポコ!」
「まだケロ!」
「ぇ!?」
「あの宇宙海獣は斥候ケロ、やられたら次が来るケロ!」
カエル王女の言質は正しかった。
「超巨大質量がワープアウトしてきます!」
「跳躍予定位置、……ほ、本艦至近!」
「回避! シールド全開!」
逆噴射ブラスターを使い、ジグザグに回避行動を行うハンニバル。
ワープアウトによる時空振動が走る。
先ほどの怪獣より、遥かに弩デカいアンモナイト型の宇宙海獣が現れた。
大きさは約2km。
巨艦ハンニバルの2倍強の大きさだった。
「攻撃開始!」
「主砲斉射ポコ!」
――ジジジ。
宇宙海獣が超巨大な電磁障壁を張って、ハンニバルの大口径レーザー砲を跳弾させた。
Σ( ̄□ ̄|||) バリアを使う宇宙海獣とかありかよ!?
「敵、巨大エネルギー集約を確認!」
「こちらも電磁障壁MAX! 衝撃に備えろ!」
敵、宇宙海獣がハンニバルめがけて、特大の硬エックス線の束を吐きかけてきた。
特大の衝撃が走る。
「第五装甲モジュール貫通!」
「第八装甲区画炎上!」
膨大なエネルギーが、軽々と戦艦の主砲をはじき返すハンニバルのシールドを突き破り、深々と艦体に突き刺さった。
副官殿が電話している。
相手は誰だろう……。
「提督、少しお願いが……」
電話を終えた副官殿が、私に話しかける。
「お願い? 何でしょうか?」
「いえ、宇宙船を一つ借りられませんか? 出来れば戦闘艦が良いのですが……」
「ぇ? なんで必要なの?」
「良かったら理由を話してみて……」
「……実は……」
副官である彼女が言うには、昔のアンドロイド仲間が住む惑星が、宇宙海獣によって被害に遭っているとのことだった。
「ああ、じゃあハンニバルで行こうか? 最近特には用事もないし……」
確かに、近隣星系の防衛には気を遣う必要があったが、最近は艦艇も充実してきたため、少しくらいの期間なら遠出しても良さそうだった。
「僕も行くポコ!」
「私も行くニャ♪」
「吾輩も行くケロ!」
Σ( ̄□ ̄|||)ぇ?
最後は聞きなれない声が……。
……一体誰?
声のする方角を見ると、全長3cmくらいのカエルさんであった。
「どちら様で?」
私はカエルさんに尋ねる。
「先ほどは民が世話になったな! 吾輩は宇宙アメーバの王女ケロ!」
「なにやら、物々しい様子、助っ人致すケロ!」
なんとカエルさんは、2kmを超える巨大アメーバたちの王族らしい。
スケール感がイマイチピンと来ないし、そもそもいつ艦内にはいったんだ?
「じゃあ、助っ人お願いしますね!」
「マカセロケロ!」
こんな小さなカエルさんに何かできるとは思えなかったが、せっかくのご厚意だし、連れていくことにした。
「提督、お聞き届け、ありがとうございます!」
トランジスタグラマーの副官殿に抱き付かれる。
彼女の体はバイオロイドなので、……その、その、や、柔らかい……。
「まぁ、困ったときはお互いさまで」
「お互い様ポコ!」
「お互い様メェ~!」
結局、我が第十艦隊の幕僚の中からアルベルトを除いた全員で行くこととなった。
目指すはグングニル共和国のアルファ星系。
パウリーネ様を安心させるために、戦力はハンニバル単艦で向かうこととした。
「みんな頼んだぞ!」
「「「了解!」」」
☆★☆★☆
【羅針眼】発動!!
眼力を上げ、接続した艦のコンピューターと共に、アルファ星系までの最適な航路を探す。
見知らぬ宙域への出撃なので、【羅針眼】を使って難所を避ける必要があったのだ。
「航路設定良し!」
「エネルギー機関部へ加圧充填!」
「充填良し!」
「長距離跳躍開始!」
機関のエネルギーをフルパワーで、長距離ワープを連続で行う。
途中、敵勢力圏も通過したが、素早い跳躍を反復し、予定地であるアルファ星系外縁部に到達した。
「こちらアルファ星系政府、ハンニバルの来援を歓迎する!」
アルファ星系内惑星より通信が来る。
……どうやら、喜ばれているようだ。
ここまで来て、嫌われても困るのでもあるが……。
その後、アルファ星系の代表者が、小さな宇宙船で挨拶に来た。
やってきたのは、初老の小太りの男性だった。
「この度はどうも有難うございます!」
「いえいえ、早速詳しいお話を聞かせてください!」
「では……」
この代表者から、事情を窺う。
このアルファ星系に、度々交易船を襲う宇宙海獣が出るとのことだった。
「以前は、宇宙海獣はでなかったのですか?」
「……で、出ておりませんでした」
「それはおかしいケロね!」
いつの間にカエル王女様が、ハンニバルの応接室の机の上にいた。
「おかしいといいますと?」
「我らは、よっぽどのことがないと、住み家を離れた外宇宙には出ないケロ!」
「へぇ」
「じゃあ、なんで出てくるのでしょうね?」
「わからないケロ!」
……結局、しばらくハンニバルはアルファ星系の外縁部で、宇宙海獣の出現を待つことにした。
☆★☆★☆
(……十日後)
「レーダーに接近する大質量物体確認! その数3!」
「ついに来たか!?」
「やってやるポコ!」
「お金を稼ぐニャ!」
敵を待っているというより、我々は魚を待っている釣り人のような気分だった。
肉眼で見ると、話に聞いたより小さめの宇宙海獣だった。
全長50mくらいだろうか?
太古の生物であるアンモナイトのような形をしていた。
「さらに接近、距離120光秒!」
「攻撃開始!」
「主砲斉射ポコ!」
タヌキ砲術長の狙いは的確で、宇宙海獣はその生体の核を正確に貫かれた。
堅い殻が割れ、大量の体液がばら撒かれる。
「やったポコ!」
「まだケロ!」
「ぇ!?」
「あの宇宙海獣は斥候ケロ、やられたら次が来るケロ!」
カエル王女の言質は正しかった。
「超巨大質量がワープアウトしてきます!」
「跳躍予定位置、……ほ、本艦至近!」
「回避! シールド全開!」
逆噴射ブラスターを使い、ジグザグに回避行動を行うハンニバル。
ワープアウトによる時空振動が走る。
先ほどの怪獣より、遥かに弩デカいアンモナイト型の宇宙海獣が現れた。
大きさは約2km。
巨艦ハンニバルの2倍強の大きさだった。
「攻撃開始!」
「主砲斉射ポコ!」
――ジジジ。
宇宙海獣が超巨大な電磁障壁を張って、ハンニバルの大口径レーザー砲を跳弾させた。
Σ( ̄□ ̄|||) バリアを使う宇宙海獣とかありかよ!?
「敵、巨大エネルギー集約を確認!」
「こちらも電磁障壁MAX! 衝撃に備えろ!」
敵、宇宙海獣がハンニバルめがけて、特大の硬エックス線の束を吐きかけてきた。
特大の衝撃が走る。
「第五装甲モジュール貫通!」
「第八装甲区画炎上!」
膨大なエネルギーが、軽々と戦艦の主砲をはじき返すハンニバルのシールドを突き破り、深々と艦体に突き刺さった。
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