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【第二章】赤い地球
第七十三話……みんなの建艦計画♪
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「もっとミサイル載せるクマ!」
「いや、レーザービームの方がいいポコ!」
砲術長殿と整備長殿が言い争う。
只今、7隻の新規艦の建造計画会議の真っ最中である。
この世界の宇宙での戦闘艦の主兵装はレーザービームかミサイルである。
主要兵器の中で、一般的にレーザービーム砲は有効射程がもっとも長い。
到達距離という概念よりも、初速がミサイルは遅いのだ。
発射時の一瞬により強い加速Gをかけると、ミサイル自体が瓦解しかねなかったからだ。
レールガンやレーザービーム砲は初速が速いのだが、これまた相手との距離が遠くなると当たらなくなるのである。
何故ならば、目標は概ね回避運動などをするためである。
その点、ミサイルは自己で目標の座標を再計算するので、相手との距離が離れても有利な点もあった。
ミサイルの最も優れた点は、それ自体が爆発するエネルギーを内蔵することである。
レーザービーム砲は内部に炸薬などが入っていることは無い。
この世界のレールガンも初速と貫徹性を上げるために、弾丸自体を堅い弾芯とする必要があったため、炸薬は無し、又は少なくしてあった。
よって、相手に有効に命中した場合、最も威力が出るのはミサイルだった。
「ミサイルは残弾が気になるクマ!」
「レーザーは機関の出力に影響されすぎポコ!」
二人が言い争っているが、それもそのはずで一長一短という感じであった。
「防御は電磁障壁ですわね!」
「いや、重力シールドですニャ!」
我々が想像する丈夫なものといえば、カーボンナノファイバーや核パスタなどの線である。
電磁障壁は電磁波の線を複雑に織り込んだトランポリンのような網の壁であり、高出力電磁波であるレーザービームに跳弾などの高い効能があった。
対して、重力線を織り込んだ重力シールドは、全ての攻撃に対し万能ではあったが、逆に技術的な問題により、すべての攻撃に対してそれほど高い防御性能は現せなかった。
今回製造する艦船は小型であったため、電磁障壁や重力シールドの出力が機関の出力に比例することから、エネルギーの容量的に両方を載せることができなかった。
「やっぱり艦載機は必要メェ~!」
「大砲があれば要らないポコよ!」
「ミサイル最強クマ!」
この世界の艦載機は、私たちの住む世界より少し弱い。
対空砲などの防空システムがより強力になり、必ずしも空母である宇宙母艦が最強といった単純な世界感では無かった。
「カタパルトつけると防御が弱くなるポコ!」
「格納庫はかさばるクマ!」
「うるさい! 艦載機はロマンメェ~!」
格納庫は嵩張り、また発艦用の電磁カタパルトの装着は艦の剛性を損なった。
しかし、艦載機には攻撃だけでなく、偵察や惑星戦といった用途もあり、一概にどうこう言える存在でもなかった。
……意見は全くまとまりそうもなかった。
「もうさ、みんなで好きな艦を一個づつつくらない?」
……戦闘艦は新規に七隻も必要なのだ。
幕僚殿が各自一艦づつ好きに作っても大丈夫な数だった。
「賛成ポコ♪」
「賛成ですわ♪」
「流石提督メェ~♪」
「……では、私も一隻♪」
Σ( ̄□ ̄|||) え?
内政担当アンドロイドのヨハンさんも一隻設計したいとのことだった。
……戦闘の知識とかあるんだろうか?
まぁ、いっか、何とかなるだろう。
やっぱり、なんでも仲良くやるのが大切だ。
☆★☆★☆
(数日後)
……各員の新規艦船設計データが提出された。
どれどれ、読んでみよう。
最初は副官殿か……。
〇クリームヒルト作・防御型装甲艦
全長200m
機関・通常型核融合炉
主砲・無し
対空砲・連装二基
防御システム
・重力シールド
・電磁防壁
……って、防御システムを重視するために、攻撃兵器がほぼ載ってない艦である。
撃たない軍艦ってどうなんだろうね?
これだと単艦での運用がほぼできないよね?
……とりあえず、保留だな、うん、仕方ない (´・ω・`)
次は砲術長どのか……。
どれどれ。
〇ポコリーヌ作・砲艦
全長200m
機関・通常型核融合炉
主砲・46.0cm4連装レーザービーム砲5基
他、無し
……他無しって、46センチの大口径レーザービーム砲を計20門とか、巨砲の夢を載せすぎだろ!?
夢とロマンは凄く感じるのだが。
……とりあえず、保留だな、うん、仕方ない (´・ω・`)
次は、内政型アンドロイド様の艦だな。
どれどれ。
〇ヨハン作・内務艦
全長200m
機関・通常型核融合炉
・電信設備
・病院設備
・輸送カーゴ
・高級食堂設備
連絡用艦載機二機。
……もはや、軍艦じゃないよなぁ。
ヨハンさんは何作るのかわかってるのかなぁ?
でも、この高級食堂設備ってのは、少し気になるよね。
……とりあえず、保留だな、うん、仕方ない (´・ω・`)
☆★☆★☆
……他3名の艦の設計図を読ませて貰ったが、皆自分の欲望を詰め込みすぎで、かなりバランスが悪い。
まぁ、ハンニバルもバランスが悪いのだけど。
仕方がない、こっそりと修正だ。
きっと、怒られるかもしれないけど……。
やっぱり防御と攻撃も大切だよね。
あと、機動力も艦載機も。
だけど、高級食堂設備は許可!
むしろ、利用してみたい……。
私はその日、修正作業に追われた。
……修正した結果。
やはり、皆様の痛烈な批判を受けまして。
「提督の晩御飯はこれポコ!」
……約束を破ったバツとして、今晩の私のお食事はお茶づけになりました (´・ω・`)
「いや、レーザービームの方がいいポコ!」
砲術長殿と整備長殿が言い争う。
只今、7隻の新規艦の建造計画会議の真っ最中である。
この世界の宇宙での戦闘艦の主兵装はレーザービームかミサイルである。
主要兵器の中で、一般的にレーザービーム砲は有効射程がもっとも長い。
到達距離という概念よりも、初速がミサイルは遅いのだ。
発射時の一瞬により強い加速Gをかけると、ミサイル自体が瓦解しかねなかったからだ。
レールガンやレーザービーム砲は初速が速いのだが、これまた相手との距離が遠くなると当たらなくなるのである。
何故ならば、目標は概ね回避運動などをするためである。
その点、ミサイルは自己で目標の座標を再計算するので、相手との距離が離れても有利な点もあった。
ミサイルの最も優れた点は、それ自体が爆発するエネルギーを内蔵することである。
レーザービーム砲は内部に炸薬などが入っていることは無い。
この世界のレールガンも初速と貫徹性を上げるために、弾丸自体を堅い弾芯とする必要があったため、炸薬は無し、又は少なくしてあった。
よって、相手に有効に命中した場合、最も威力が出るのはミサイルだった。
「ミサイルは残弾が気になるクマ!」
「レーザーは機関の出力に影響されすぎポコ!」
二人が言い争っているが、それもそのはずで一長一短という感じであった。
「防御は電磁障壁ですわね!」
「いや、重力シールドですニャ!」
我々が想像する丈夫なものといえば、カーボンナノファイバーや核パスタなどの線である。
電磁障壁は電磁波の線を複雑に織り込んだトランポリンのような網の壁であり、高出力電磁波であるレーザービームに跳弾などの高い効能があった。
対して、重力線を織り込んだ重力シールドは、全ての攻撃に対し万能ではあったが、逆に技術的な問題により、すべての攻撃に対してそれほど高い防御性能は現せなかった。
今回製造する艦船は小型であったため、電磁障壁や重力シールドの出力が機関の出力に比例することから、エネルギーの容量的に両方を載せることができなかった。
「やっぱり艦載機は必要メェ~!」
「大砲があれば要らないポコよ!」
「ミサイル最強クマ!」
この世界の艦載機は、私たちの住む世界より少し弱い。
対空砲などの防空システムがより強力になり、必ずしも空母である宇宙母艦が最強といった単純な世界感では無かった。
「カタパルトつけると防御が弱くなるポコ!」
「格納庫はかさばるクマ!」
「うるさい! 艦載機はロマンメェ~!」
格納庫は嵩張り、また発艦用の電磁カタパルトの装着は艦の剛性を損なった。
しかし、艦載機には攻撃だけでなく、偵察や惑星戦といった用途もあり、一概にどうこう言える存在でもなかった。
……意見は全くまとまりそうもなかった。
「もうさ、みんなで好きな艦を一個づつつくらない?」
……戦闘艦は新規に七隻も必要なのだ。
幕僚殿が各自一艦づつ好きに作っても大丈夫な数だった。
「賛成ポコ♪」
「賛成ですわ♪」
「流石提督メェ~♪」
「……では、私も一隻♪」
Σ( ̄□ ̄|||) え?
内政担当アンドロイドのヨハンさんも一隻設計したいとのことだった。
……戦闘の知識とかあるんだろうか?
まぁ、いっか、何とかなるだろう。
やっぱり、なんでも仲良くやるのが大切だ。
☆★☆★☆
(数日後)
……各員の新規艦船設計データが提出された。
どれどれ、読んでみよう。
最初は副官殿か……。
〇クリームヒルト作・防御型装甲艦
全長200m
機関・通常型核融合炉
主砲・無し
対空砲・連装二基
防御システム
・重力シールド
・電磁防壁
……って、防御システムを重視するために、攻撃兵器がほぼ載ってない艦である。
撃たない軍艦ってどうなんだろうね?
これだと単艦での運用がほぼできないよね?
……とりあえず、保留だな、うん、仕方ない (´・ω・`)
次は砲術長どのか……。
どれどれ。
〇ポコリーヌ作・砲艦
全長200m
機関・通常型核融合炉
主砲・46.0cm4連装レーザービーム砲5基
他、無し
……他無しって、46センチの大口径レーザービーム砲を計20門とか、巨砲の夢を載せすぎだろ!?
夢とロマンは凄く感じるのだが。
……とりあえず、保留だな、うん、仕方ない (´・ω・`)
次は、内政型アンドロイド様の艦だな。
どれどれ。
〇ヨハン作・内務艦
全長200m
機関・通常型核融合炉
・電信設備
・病院設備
・輸送カーゴ
・高級食堂設備
連絡用艦載機二機。
……もはや、軍艦じゃないよなぁ。
ヨハンさんは何作るのかわかってるのかなぁ?
でも、この高級食堂設備ってのは、少し気になるよね。
……とりあえず、保留だな、うん、仕方ない (´・ω・`)
☆★☆★☆
……他3名の艦の設計図を読ませて貰ったが、皆自分の欲望を詰め込みすぎで、かなりバランスが悪い。
まぁ、ハンニバルもバランスが悪いのだけど。
仕方がない、こっそりと修正だ。
きっと、怒られるかもしれないけど……。
やっぱり防御と攻撃も大切だよね。
あと、機動力も艦載機も。
だけど、高級食堂設備は許可!
むしろ、利用してみたい……。
私はその日、修正作業に追われた。
……修正した結果。
やはり、皆様の痛烈な批判を受けまして。
「提督の晩御飯はこれポコ!」
……約束を破ったバツとして、今晩の私のお食事はお茶づけになりました (´・ω・`)
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