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フレイムちゃんのグルメ紀行~お寿司~♪

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 私はフレイム……。



 自称グルメであり、ご近所さんから『中の上の舌を持つ』の二つ名で呼ばれている。



 私の仕事は電話番兼事務員……。





 仕事帰りにそれは唐突に目に入った。



 看板に【旨さ控えめ】とある。




 もはや私に対する挑戦でしかない、タブン。



 意思を固め暖簾をくぐり店に入った。





「へい、らっしゃい!」

 威勢のいい板前さんの声だ。



 どうもお寿司屋さんのようだ(確認しておけよ…)。



 私の住んでいる村に、そう高い寿司屋はないと自覚している。

 一度でいいから、しょうゆを塗ってくれるようなお店で食べてみたいものである。



 さて、よく言われるのは、『コハダ』とか『卵』がその店の味を代表しているといわれるが、わたくしフレイムは卵もコハダもそう好きではない(好みの問題♪)。



 意外とわたしの周りの女性に人気があるのが『アナゴ』である。あまいタレのついた、少し温めてあるものが美味しいと思う。さらに言えば皮の部分は下がいい~♡



 とりあえず『アナゴ』を頼んでみた。モグモグ…普通だ。とりたてて美味しいというわけではない。タブン。



『はっ!しまった…』

 そうだった、この店の看板は【旨さ控えめ】だった。タブン書き間違えだと思うけど…。



「ビールください」

 隣の男性のお客さんがそういうと、板前さんが、



「アサヒとキリンとサッポロとサントリーとエビスがありますが…。」



 う?なんだか分からないけど、ビールについては神対応ではないだろうか?



 私は以前、日本料理屋さんで働いていたことがある。ビールの銘柄でウルサイお客様はどこでもいるものだ。

しかし、こんな田舎で5種類とは…。





 続いて赤だしを頼んでみることにする。



「ぶりのアラと鯛のアラがありますが…」



 女将さんぽい人に聞かれるが…。



「ぶりのアラで!!」

 めっちゃ大きな声で頼んじゃった、はしたない…(涙)。



 しばらくして、ぶりのアラが入った赤だしが登場~♪
  




『おいしぃ~♡』





 ぶりはアラ炊きにすると生臭みをとるのが大変なのである。上手に臭みさえとれれば味は鯛の比ではない…(完全な好みです)。



 さらに『かっぱ巻き』を頼んだ。



 『正解!』かっぱ巻きはわさびが入っている方が美味しい…(もちろん完全な好みの問題です)。



 すっくと立ちあがりお会計!



 『もう食べないのですかって?』

 いくら割安なお寿司屋さんでも私じゃ戦闘力(お財布の中身)が足りないわ!



 やっぱり、お寿司屋さんと焼肉屋さんはお爺ちゃんとこなきゃだめねぇ~♡



 なによ?ちゃんと血はつながっているわよ!







 るんるん♪気分で家に帰る途中、学校時代の同級生リーゼから電話が…。



「え?あのいじめっ子のノッタ君がお巡りさん?」



「え?あの先生にバレずにカツアゲしていたノッタ君が?」



 …驚愕の出来事に、お寿司の味を忘れたフレイムだった。





 (おしまい?!)
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