姫君たちの傷痕

和泉/Irupa-na

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第二章 辱めと苦痛の日々

ヘイヴェン侯爵令嬢の秘密(2)

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「……んんっ! も、もう、許して頂戴。わたしは、もう。こわれて、しまう…」

「エリヴァル様は、これから壊れるのですよ。ニーナは指での責めがまだ弱いですから、少しずつ慣らしていきましょうね…」

 秘芯の奥に指が入れられた。小水の穴には中指が、肉芽との間には人差し指が当てがわれ、それぞれ別の動きをしながら人形使いのように揺れ動かされていく。

「はぁぅ、あぅ、んくっ!! もう、ダメなのに…、ぁああ! ……ゆ、指を止めて!
 もう、触れるの、は…もう、やめて…」

 背中からの寒気と突き動かされるような快楽が襲い、小水の穴に当てがわれた指の腹に力を入れられ、弾けるような刺激が頭を痺れさせた。

 これ以上は感じたくない。早く時間が過ぎればいいのに、という諦めの気持ちと。もっと深く気をやって楽しみたい。という、身体の悦びが反律し、あっあっ! と漏らし続ける声にさえ疑問と羞恥とを抱いてしまう。こんなはずじゃないのに、こんな淫らな姫君ではないと自分を言い聞かせているのに、身体はターニアの指の動きに合わせて更なる快楽を得ようと、腰を揺らして指を受け入れる。

「指だけでこれだけ乱れるなんて、エリヴァル様はニーナとレインから何を学んだと言うのですか? もう無理だ、ダメだ、壊れてしまうなんて甘い言葉を口にされても、私には誘っている淫らな娼婦のうそぶいた諫言にしか聞こえませんわ…。ほら、肉芽もこんなに大きくなってきて、私のように指先のサイズにまで広がってしまうのかしら?」

「言わない……で。私は、こんなの望んでいないのに、秘芯の奥が熱くて、蜜を溢れさせてしまっているの…」

「エリヴァル様にも、陛下の血が色濃く流れてますからね。貴方さまの一族は、従僕の自由を奪って孕ませて、その子供の舌に穴を開けて言葉を奪うのですよ? ほら、私の身体にまで傷痕を与えて、侯爵令嬢に罪人の刺青まで埋め込んで…。ふふっ、エリヴァル様のお道具で、可哀想なわたくしを可愛がって下さる…?」

 ターニアは腰に跨り、エリヴァルの秘芯に肉芽を擦り付けて身体を揺らしていく。銀の環が、乳房の敏感な箇所を刺激して、首筋には舌を這わされる。

「ごめん、なさい…。んっ、ごめん、なさい。で、でも、あぁ…、何も考えられなく、なって…、身体が浮いて、きて」

「二人がかりでは辿り着けなかった、快楽の波の先をご覧になっていて? 私はちっとも満たされていないのに、我慢が足りないですわね。エリヴァル様の肉芽を酷くつねって、被虐的に叩いてあげたいです…」

 舌先で砂糖菓子のように転がされ、エリヴァルは声にならない悲鳴を上げた。唇と、舌と顎とでターニアは秘芯から肉芽、腿の裏と刺激を与えていき、強く吸い上げられて腰を何度も浮かせて跳ね続けるように悶えて、気をやっていく。
 もう喘ぎ声も出せなくなり、何度も激しく咳をしながら快楽と羞恥に乱れて蜜を揺らした。

「また、音さえも出せなくなった淫らなお人形になりましたね。苦痛なのか、悦びなのか判断がつかなくなって、快楽を身体が恐れてきたのです。でも、私はそれを元に戻す手法も心得ていますから、エリヴァル様が楽に意識を失える事は有りませんもの」

 頭が真っ白になり、もう何も動けなくなった身体が無理やり揺り動かされる事を四度繰り返した所で、ようやくエリヴァルは湯に入れられて身体の自由を取り戻せた。
 最後のレッスンは、お互いに舌を絡ませながらの口付けの繰り返し。体と心のバランスを失いかけたエリヴァルを元に整えて、現実に引き戻していく。

 与えられた部屋に戻り、遅い夕食を口にして夜着を身に付けた頃には、深い快感に酔わされ続けた身体の揺れ戻しが起こり、エリヴァルは寝台の上で、生まれて初めての手慰めを泣きながらしていく。

 拙い手の動きでは得られない悦びに苛立つ自分を恥じて、それでも更なる刺激を求めればと指の数を増やしていく自分の腕を、切り落としたくなるくらいに妬んだ。
 少しずつ広がった快楽と指の動きは明け方過ぎまで続き、エリヴァルは気を失ったままの姿で床に伏した。
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