物語の終わりを君と

お芋のタルト

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第三章『炎舞』

第一節「第一歩」① ・城塞都市・

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 「すまないなお二人さん。身分を証明するものはあるかい?」

兵服を着た男が笑顔で尋ねてくる。
お手本のように綺麗な笑顔だったが、それがむしろ距離を感じさせる。

俺たちは事前に知っていた為すぐに冒険者証を提示する。
それを真剣な表情で確認した兵士はすぐにまた笑顔を作る。

「ありがとうございます。帝君ていくんの御加護があらんことを。」

兵士の男は右手のひらを真っ直ぐに伸ばし胸に当てる。
これは彼らにとっての正式な挨拶だ。
俺たちも同じようにして胸に手を当てる。

俺の出身、【ベルツ共和国】にはこんなことわざがある。

―――ベルツのカエルは自由を謳う―――

これは【ベルツ】がまだ王国だった頃、民衆の間で広く使われた言葉だ。

自由を信条に掲げ民主主義を唱える民衆は、どこの国から来たカエルでも【ベルツ】に入ればゲコゲコと歌うのではなく自由を謳うと表現した。
そこから転じて、その場に合った対応をしろという意味になった。

冒険者証のおかげで難なく入国審査を通って俺たちは目の前にある大きなゲートをくぐる。
このゲートを塞ぐための木製の扉は滑車を使って頭上に持ち上げられていた。
鉛筆のように削られた先端が俺たちを睨む。

「話には聞いてたけど………」
「なんて言うか、想像以上だね………!」

目の前に現れたのは真っ直ぐと伸びる巨大な岩の橋だった。
橋の下には落差500メートルの崖が顔を覗かせる。
下を見てしまうとどうしても足元がすくむ。

そして、長い橋を渡った先に見えるひとつの巨大な白城。

「た、頼むからはしゃぎすぎないでくれ!」

ゆっくりと橋を渡る俺の隣では、フィリイが楽しそうにはしゃいでいる。
奈落の底を前にしても怯える様子はない。
そんなに走り回って落ちないか心配だ。
しかし、そんな瞬間すら幸せに感じる。

【セルス】を魔物の群れが襲った事件から1週間。
つまり、フィリイが俺を殺そうとしてから1週間。
こうして今2人で並んで歩いていることすら奇跡だ。

【天才】が善なのか悪なのか、【天才】がなぜ現代にも存在しているのか、それを知るために俺とフィリイは旅に出た。
とりあえずセルスにはもう居られない、俺たちふたりはすぐさまセルスの街をった。

2人の旅の最初の目的は【天才】を探すこと。
【天才】が善か悪か、俺以外の残りの3人の【天才】に直接会って確認することにしたのだ。

ただし、【天才】は身を守る為に姿を隠している。
そう簡単に見つかるはずもない。
それでも【天才】を殺すことを目的としていたフィリイは有力な情報を知っていた。

(どれくらい信憑性があるか分からないけど、最近ある国で【天才】の目撃情報があったの。でも実際に姿を見た訳じゃなくて、それらしい【魔力】を感じたんだって。)

彼女が言うある国とは、セルスの街があるヘルツ共和国を南西に進み国をひとつ超えた先にあるこの国。
俺たちが今いるのは【】。
山岳地帯や高原が数多く存在する比較的標高の高い国だ。

その中でも【メール山岳地帯】は有名で、なだらかな高原に細長い岩をいくつも並べたような地形をしていて、その標高差は最大で1500mにもなるそうだ。

そんな【メール山岳地帯】にはひとつの街が存在する。
高原から500メートルも高い場所にあるその街は威厳さを醸し出しながら悠然と佇む。

長い橋を渡りきると目の前には真っ白な街が広がる。
建物全てが白一辺に統一され、屋根も朱色のレンガで揃えられている。

「ここが【城塞都市メルバイン】か………!」

街の中央には一際高い建物が配置されている。
そしてそこを中心として建物が敷き詰められている。
街にはチラホラと監視塔のような小高い建物がある。

この街には城と街の区別がない。
言わば街全体がひとつの大きな白城なのだ。
街には至る所に兵士が駐屯しており、常に街を巡回している。
街のどこから敵襲を受けても対応ができる。
そのため、【メルバイン】は城塞都市と呼ばれている。

ここが【天才】の目撃情報があった街。
言わば俺たちの第一歩。
この場所に俺とは別の【天才】がいる。

俺はフィリイの言葉の続きを思い出す。

(【魔力】を感じた兵士が確認しに行ったんだけど、もうそこから居なくなってて、その場所だけが黒くなってたんだって―――)

この場所にいる【天才】はどんな人物で、どんな考えを持っているのだろうか。
緊張と期待が入り交じったまま、俺は真っ白な街へと足を踏み入れた。


 ○


 コツ、コツと靴の硬い足音が廊下に響く。
その足音はしばらく同じリズムを鳴らした後、ひとつの扉の前で静止する。
男は重々しくその扉を叩いた。

「入れ。」

短い返事が帰ってくると、男はゆっくりと扉を開け部屋の中へと足を踏み入れる。
そして、左膝を地面につけてこうべを垂れる。

「見事にやられたな。隊員たちの間にも不名誉な噂が流れているぞ、マークス。」

部屋にいた男は顔色ひとつ変えずに話し始める。
姿勢を低くしているのはルーディン=マークス。
【政魔】の一番隊隊長を務める。

そんな男が最大限の敬意を示している。
それもそのはず、ルーディンの目の前にいる人物こそが【政魔】の総隊長。
名はラーリン=バトラー。
【一騎当千の三将】の1人に数えられる人物だ。

「【天才】を取り逃してしまい、申し訳ございません。【天才】は問題ではありませんでしたが、それに味方するもう1人が―――」
「黙れ。」

その一言でルーディンは背筋を凍りつかせる。
普段は気をつけているはずの地雷を踏んでしまったと心の中で自らを責める。

「その傷も、【天才】を取り逃したのも、全てはお前が招いた結果だ。」

総隊長はルーディンに巻かれた包帯を見てそう言った。

「【政魔ここ】では実力が全て。【天才】も、それに味方する人物にも1人で勝てないような第一隊長は要らん。」

「………心に刻んでおきます。」

ルーディンが精一杯反省の色を見せると、総隊長は腰を上げる。
クッション性の高い椅子はギシリと音を立てて形を元に戻す。
後ろにある窓からの逆光でルーディンからは総隊長の表情が見えない。

「まあいい。それで、【天才】の足取りは追えてるんだろうな。」

「はい、奴らが使った馬車の情報を仕入れました。その馬車は【ヘルツ共和国】を南西に出ています。【ヘルツ】の南西には小さな国がありますが、追っ手を逃れる為にそこに留まるとは思えません。おそらく今奴らがいるのは………【サウルメ帝国】かと。」

ルーディンは失われた信頼を取り戻そうと必死に頭を働かせる。
彼が手に入れたのは【天才】を乗せた馬車が【セルス】を南西に出たという情報だけ。

しかし、ルーディンはこれまでに培った経験と知識で大まかな予測を立てる。
確信は無かったが、役にも立たない情報だけを述べるよりはマシだと考えたのだ。

「【サウルメ帝国】か。………奴らだ。」

総隊長の影が笑う。
彼はこれから【天才】に訪れるであろう結末を予想していたのだ。

「ひとまず【天才】の話はこれで終わりだ。それで、本来の任務の報告をしてもらおうか。」

【政魔】での任務は大抵隊ごとに行う。
総隊長はある任務を第一部隊に預けていた。
今回【セルス】で起こった一連の事件は、正義感の強いルーディンが個人的に介入した事だった。

「【ベルツ共和国】にある【】にて起きた大量殺戮事件について報告致します。死者234名、行方不明者は56名。教員、生徒共に現場で生存していた者は居ませんでした。」

「行方不明者というのは、、で間違いないな?」

「………はい、その通りです。」

先日、【ベルツ共和国】で凄惨な事件が発生した。
【ベルツ】の中でも優秀な人材が集うと言われている【国立栄華学園】。
その中には「武闘コース」と呼ばれるものがあり、戦闘能力のある生徒も多い。
そして、学園にはそんな生徒たちを指導する実力も経歴もある教員が多数存在する。
そんな学園が、ほんの数時間で壊滅した。

とはその名の通り、損傷が激しく人物を特定できない遺体の事だった。
つまり、学園にいた生徒は皆殺しにされたという訳だ。

あまりの異常事態に【ベルツ共和国】は国際的に活躍する【政魔】に捜査を依頼した。
そして、そこに派遣されたのがルーディン率いる第一部隊だった。

「現場に残留していた【魔力】を感じるに、犯行は【闇の一族】によるものと思われます。」

「………なんだと。」

総隊長のが一気に張り詰める。
【闇の一族】は【天才】排除に向けて大きく活動している。
そしてそれは時に一般市民にも影響を及ぼす。

しかし、【闇の一族】が【天才】に関すること以外に手を下したりはしない。
つまり、今回の事件には【天才】が関与しているということだ。

「生徒名簿の内、当時学校に出席していなかった生徒は2名。その内1名の生存は確認できています。そしてもう1人の生徒ですが、つい最近退学届けを出していたそうです。」

、か。もし仮にそいつが【天才】だったとして、【闇の一族】の追っ手を逃れるために学園を辞めて【セルス】まで逃げていたとしたら。」

「今回現れた【天才】と辻褄つじつまが合います。その者の名前は―――」

ルーディンは一瞬の間を作る。
そして、手に入れた大きな成果を堂々と言い放つ。

「生徒の名は、。学園の間では【魔力】を持たないと有名だったそうです。」

「【魔力】を持たない?………益々ますます怪しいな。」

ルーディンは今回対峙した【天才】に初めて会った時、【天才の魔力】を感じられなかったことを思い出していた。
この【天才】は学園でも【魔力】を持たないとされていた。
もしかするとこの【天才】は【魔力】を誰にも悟られないレベルまで抑える事ができる術を持っているかもしれない、そうルーディンは予想した。

「【サウルメ帝国】に【天才・シェイム】の名を伝え、協力を要請しろ。但しその情報は公にはするな、と伝えておけ。2に動かれては困る。何としてでも【政魔】でそいつの首を取るぞ。」

総隊長が言う「他の2つ」とは、【政魔】と共に【世界三大兵団】に名を連ねる2つの組織の事である。
その2つの組織にも【一騎当千の三将】が存在する。

【一騎当千の三将】で唯一の女性、ソフィア=セルノルド率いる【壮聖隊】。

【一騎当千の三将】、セイリス=ヒューイック=アルン率いる【アルノルト龍帝軍】。

【政魔】、【壮聖隊】、【アルノルト龍帝軍】、この3つが世界の覇権を賭けしのぎを削っている。
そんな中で【天才】を討ち取る成果を挙げれば、間違いなく頭1つ飛び出る事ができる。

こうして【政魔】は総力を上げた【天才・シェイム】の捜索を始める。
シェイムが【政魔】と対立した瞬間だった。

総隊長の指示を受けたルーディンは、立ち上がって部屋を後にする。
パタリと静かに部屋の戸を閉める。

「はぁ」

「溜め息が聞こえてるぞ。」

「………っ!」

総隊長の部屋の前でルーディンは身体をびくつかせる。
ドアの外には壁にもたれかかっている男がいたのだ。

「………気配を消すの止めてくださいよ、フェルナンドさん。」

「この程度で気づけないとは、【天才】にやられて疲れてるんじゃないのか?」

フェルナンドと呼ばれた男は鼻で笑いながらルーディンにそう言った。
そんなことないですよと気持ちを抑えて答えるのがルーディンの精一杯だった。

「ま、あんまり無理すんなよ。お前を負かした【天才】くらい俺が余裕で殺ってやるから。」

そう言うとフェルナンドはその場を後にする。
ルーディンは見えなくなるまでその背中を睨んでいた。

「………許さねぇからな………」

こんな風にバカにされるのも、全てはあの【天才】がくだらない挑発をしてきたからだ。
そして、あの少女が邪魔をしてきたからだ。

「………お前らだけは、必ず俺が殺す。」

こうしてシェイムも例外ではなく、【天才】という残酷な運命に引きずり込まれて行くのだった。
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