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調査結果
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「話は変わるが昨日の悪魔の件、取り調べをして少し分かったことがある」
ライナー公爵様は昨日の誕生日会で現れた悪魔について分かったことを教えてくれた。
曰く、ビレフの他に悪魔と契約したものがいてその悪魔はビレフの悪魔、デビデスより階級が高くデビデスに指示を出していたそうだ。
その悪魔の契約者は───
「百パーセントでは無いがロバートの可能性が高いだろう。昨日から姿を見ない、雲隠れしたんだろう」
との事。
「ロバートってあのムカつく執事だよね?」
メリーが聞くと、
「まぁ、彼は選民思考が強いですからね。困ったものですよ」
アイシャさんがやれやれと言った感じで答える。
「まあ、報告はこんな感じだ。とこれでアルス君、エレナと結婚する気はないか?」
「ちょっと父様!?」
ライナー公爵様の突然の爆弾発言にエレナは声を張る。
それを気にもとめずにライナー公爵様は、
「エレナはアルス君のことを気に入っているしアルス君もエレナのことを憎からずおもっている。違うかい?」
「まあ、そうですけど・・・・・・」
「なら結婚すればいい」
「父様!そうはなりません!!」
焦った様子のエレナはライナー公爵様の口を物理的に塞ぐために飛びかかる。
ライナー公爵親子はもみくちゃになりながらジャれている。
その様子を呆然と眺めているとアイシャさんが、
「この光景はライナー公爵家では通常運転なので気にしないでください」
と言っていたが、とても驚いた。
いつもは大人しい印象のエレナが、あんなにはしゃいでいる。
普段とのギャップが凄い。
その様子を見てメリーが、
「私もお兄ちゃんとジャれる~!!」
といい僕に凄い勢いで抱きついてきた。
「グフゥ!!」
突然の衝撃で地面に押し倒されてしまった。
メリーは僕の胸に頬ずりをしている。
「お兄ちゃん♪ お兄ちゃん♪」
その様子を見かねたユリがメリーを僕から剥がす。
「メリーふざけすぎです。なんてうらやま、人様の前ですよ」
「ユリだってお兄ちゃんにイチャついたい癖にー!」
「なんのことでしょう?」
「むーー!!」
二人は基本的に仲が良く、やり過ぎるメリーをユリが止める、こんな構図がいつも出来ている。
いつの間にかライナー公爵親子の喧嘩も終わり、僕達がジャれているのを暖かい目で見ていた。
それに気づいたユリとメリーは赤くなりながら、
「「み、みないでください」」
仕切り直して聞く。
「エレナと結婚するとかどうとかの冗談はさておき、問題は悪魔についてです」
「聞こうか」
ライナー公爵様も真面目に聞く様子だ。
「僕の知っている情報は、悪魔は異世界から精神だけ入り込み人間に契約を持ちかける。その契約に応じると悪魔はその契約者の肉体を媒体にしこの世界に顕現できる。その他細かい制約はあるが大まかにはこんな感じ」
僕は続けて言う。
「ビレフの悪魔は顕現したが、ロバートの悪魔は顕現しなかった。それは偶然じゃないと僕は思います。悪魔側にも何か狙いがあると思います。ライナー公爵様も気をつけてください」
「忠告、痛み入るよ」
伝えたいことは全部伝えた。
これで僕たちは、
「明日にはロンドに向けて出ようと思います」
「やっぱりロンドに戻るんだね・・・・・・」
エレナは少し寂しそうだった。
そんなエレナを見てライナー公爵様は、
「アルス君はこのオストガルドを活動拠点にしないかい?」
と提案をする。
「なんなら活動拠点にするなら家も用意するけど」
僕からしたら目から鱗な提案だが、
「何故僕達みたいな一冒険者のためにそこまでするんですか?」
そう、この提案はライナー公爵からしたらそこまで良い条件じゃ無いはずだ。
ライナー公爵様はフッと笑い、
「娘の恩人に対してお礼をしたい。こんな理由じゃダメかい?」
「分かりました。しばらくこの都市を拠点に活動することにします」
「じゃあ家の用意があるから三日ほどまってくれるかい?」
ライナー公爵様は昨日の誕生日会で現れた悪魔について分かったことを教えてくれた。
曰く、ビレフの他に悪魔と契約したものがいてその悪魔はビレフの悪魔、デビデスより階級が高くデビデスに指示を出していたそうだ。
その悪魔の契約者は───
「百パーセントでは無いがロバートの可能性が高いだろう。昨日から姿を見ない、雲隠れしたんだろう」
との事。
「ロバートってあのムカつく執事だよね?」
メリーが聞くと、
「まぁ、彼は選民思考が強いですからね。困ったものですよ」
アイシャさんがやれやれと言った感じで答える。
「まあ、報告はこんな感じだ。とこれでアルス君、エレナと結婚する気はないか?」
「ちょっと父様!?」
ライナー公爵様の突然の爆弾発言にエレナは声を張る。
それを気にもとめずにライナー公爵様は、
「エレナはアルス君のことを気に入っているしアルス君もエレナのことを憎からずおもっている。違うかい?」
「まあ、そうですけど・・・・・・」
「なら結婚すればいい」
「父様!そうはなりません!!」
焦った様子のエレナはライナー公爵様の口を物理的に塞ぐために飛びかかる。
ライナー公爵親子はもみくちゃになりながらジャれている。
その様子を呆然と眺めているとアイシャさんが、
「この光景はライナー公爵家では通常運転なので気にしないでください」
と言っていたが、とても驚いた。
いつもは大人しい印象のエレナが、あんなにはしゃいでいる。
普段とのギャップが凄い。
その様子を見てメリーが、
「私もお兄ちゃんとジャれる~!!」
といい僕に凄い勢いで抱きついてきた。
「グフゥ!!」
突然の衝撃で地面に押し倒されてしまった。
メリーは僕の胸に頬ずりをしている。
「お兄ちゃん♪ お兄ちゃん♪」
その様子を見かねたユリがメリーを僕から剥がす。
「メリーふざけすぎです。なんてうらやま、人様の前ですよ」
「ユリだってお兄ちゃんにイチャついたい癖にー!」
「なんのことでしょう?」
「むーー!!」
二人は基本的に仲が良く、やり過ぎるメリーをユリが止める、こんな構図がいつも出来ている。
いつの間にかライナー公爵親子の喧嘩も終わり、僕達がジャれているのを暖かい目で見ていた。
それに気づいたユリとメリーは赤くなりながら、
「「み、みないでください」」
仕切り直して聞く。
「エレナと結婚するとかどうとかの冗談はさておき、問題は悪魔についてです」
「聞こうか」
ライナー公爵様も真面目に聞く様子だ。
「僕の知っている情報は、悪魔は異世界から精神だけ入り込み人間に契約を持ちかける。その契約に応じると悪魔はその契約者の肉体を媒体にしこの世界に顕現できる。その他細かい制約はあるが大まかにはこんな感じ」
僕は続けて言う。
「ビレフの悪魔は顕現したが、ロバートの悪魔は顕現しなかった。それは偶然じゃないと僕は思います。悪魔側にも何か狙いがあると思います。ライナー公爵様も気をつけてください」
「忠告、痛み入るよ」
伝えたいことは全部伝えた。
これで僕たちは、
「明日にはロンドに向けて出ようと思います」
「やっぱりロンドに戻るんだね・・・・・・」
エレナは少し寂しそうだった。
そんなエレナを見てライナー公爵様は、
「アルス君はこのオストガルドを活動拠点にしないかい?」
と提案をする。
「なんなら活動拠点にするなら家も用意するけど」
僕からしたら目から鱗な提案だが、
「何故僕達みたいな一冒険者のためにそこまでするんですか?」
そう、この提案はライナー公爵からしたらそこまで良い条件じゃ無いはずだ。
ライナー公爵様はフッと笑い、
「娘の恩人に対してお礼をしたい。こんな理由じゃダメかい?」
「分かりました。しばらくこの都市を拠点に活動することにします」
「じゃあ家の用意があるから三日ほどまってくれるかい?」
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