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14話★R-18

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 アリステルはトモの解呪で自由になったものの、久しぶりに動いたからか「疲れた」と帰っていった。リゼもトモによって鎖が解かれ動けるようになったものの、嗅いだ薬のせいか身体が思った通りに動かない。そんなリゼをトモは抱え、森の中の自宅のベッドまで運んでくれた。ベッドにふたり並んで座り、夜を照らすランタンの明かりだけを頼りに手をつなぐ。それだけで幸せだった。
「助けてくれてありがとうございます。ところで、どうして僕の居場所が分かったんですか?」
「アリステルの加護のおかげだな。あいつはだいぶ過保護だぞ、リゼくんに何かあったら一発でバレる。義理の父親がアレだと俺もだいぶ覚悟しなきゃな……」
 義理の父親。トモは本当に自分の世界よりリゼを選ぶつもりなのだろうか。トモを疑うわけではない。だが、どうしても信じられなかった。都合が良すぎる現実に。
「……本当に番になってくれるんですか? 僕の聞き間違いじゃ……」
「何度も言わせるな」
 そう言うとリゼの頭上が陰る。なんだと顔を上げると降ってきたのは唇へのキスだった。それはすぐに離れていく。キスは初めてではない。解呪の時も額にしてもらった。トモが過呼吸になった時も唇にした。だけどそれらとは意味が違う。好き、と言う意味を込めたキスだった。
「好きな奴にしかこんなことはしない」
「好き……」
 幸福を噛みしめるようにリゼは反芻する。最初の好きは混乱や発情があったから事実として受け止める事しかできなかったが、だいぶ落ち着いた今はちゃんと受け止められる。
「僕も好きです。ふたりで幸せな家族になりましょうね」
「それなんだが」
 トモは言いずらそうに口を開く。
「もし、リゼくんが望むなら……赤ちゃんを作ろう」
「……確かに、発情に合わせれば妊娠は可能です。でも、トモ様は……大丈夫なんですか?」
 トモのトラウマは根深い。リゼは心配だった。例えばこれを軽いノリで了承して、子どもが生まれて。その赤ちゃんを見てトモは辛い記憶を思い出したりしないだろうかと。
「……俺は、リゼくんを信じたい。信じてる」
 彼はそう言ってリゼの手を握る。
「あの子はもう戻ってこない。事実は変えられない。俺にはどうにもできない。でも、新しい命をその倍愛することは出来る。大好きなリゼくんの子どもなら尚更」
 トモがそこまで言ってくれるのだ。手が震えている。本当は怖いんだと思う。リゼは愛されて育った。だが、それはレアケースで「あの子」のように愛される土台にすら立てない命もある。それにどんなに覚悟しようとも未来がどうなるかはわからない。生まれた子がどうなるかも。でも、ひとつ確信できることは、リゼはこの先何があっても、自分の子どもとトモを愛するだろう。
なら、リゼがやることはひとつだ。
 ベッドサイドの引き出しを開け、ピルケースを取り出す。Ωの商人から「いつかは必要になるかも」と渡されたものだが、本当に使うことになるとは思わなかった。薬を飲み込むと、トモは驚いたようにリゼを見た。
「リゼくん、それは……」
「発情期の誘発剤です。町ではこれで妊娠時期を調整するらしいですよ」
 トモはトラウマから勃起することができないと思っているが、館でリゼの発情期に当たった時は確かに少しではあるが反応していた。上手くいくかはわからないが、これで行為は何とかなるだろうか。
「上手くいくかはわかりませんが、やってみましょう。もし上手くいかなくてもいいです。時間はたっぷりあるんですから、僕たちのペースでやっていきましょう」
 即効性の薬だったのか身体がどんどん熱を持ち、頭が鈍っていく。だが、あの金髪の男と対峙した時のように頭が性的欲求に飲み込まれることは無さそうだ。少し安心する。リゼはトモの身体をベッドに押し倒すと、虚を突かれたような顔のトモが少しだけ微笑みを見せた。
「きみは慣れてるな。俺の世界だったらスマートすぎてモテそうだ」
彼の腕をとって自分の胸の方に導く。とくとくと心臓が早鐘を打っているのが伝わるだろうか。
「ばか。わかりますか? 僕、結構緊張してるんです」
 勿論リゼは経験が無い。今までひきこもっていた上にそもそも他人にあまり興味がなかったのだ。当たり前にセックスの経験などない。
「……トモ様のこと、襲っちゃってもいいですか?」
 おずおずとそう聞いてみると、トモは胸に当てていた手を退かし、リゼを自分の元へ引き寄せる。そうして体制を逆転させ上になると、唇同士が触れた。
「ん……」
 緊張して結んだ唇が、彼の舌に割られ歯列をなぞられる。緊張して鼻から息ができない。息苦しさを覚え、思わず口を開けると、トモの肉厚な舌が口内に入ってきた。それはリゼの薄い舌に触れ、水音を立て絡まっていく。ぴちゃぴちゃと薄暗い部屋に響く水音が気分を高ぶらせた。
 それから唇が離れる頃にはリゼは息も絶え絶えで。とろんとしているだろう、自分でもわかる力の抜けた視線でトモを見上げる。
「襲うのは俺の役目にさせてくれ。これでもきみをリードしたいんだ」
「ひゃい……」
 そう大好きでかっこいいトモに言われてしまえばリゼにはどうにもできない。
「服、脱がせてもいいか」
「じ、自分でやりますっ! トモ様の手を煩わせるわけには」
「俺がやりたいんだ。それに、もう力も入らないだろう」
 確かに誘発剤が効き始めてきたのかだんだん力が入りづらくなっている。だめだめと両手でトモを押すが力が入っていないのでトモはびくともしない。その間にもトモはリゼのベルトを緩め、下着ごと服を引き抜いた。
「……あんまり、見ないでください」
 見なくてもわかる。リゼのそこは濡れていた。幹から垂れる先走りも、秘奥から漏れる甘い蜜も、はしたないとは思う。でもこれはトモを受け入れるには必要なことで、子どもを作るのにも必要なことだ。生理的現象でこういう仕組みだといえば恥ずかしがらずに済むのかもしれないが、こうして身体が準備をしていること自体が恥ずかしい。
「……酒場で聞いたが、Ωと交わるのなら分泌液を摂取するのが一番盛り上がるらしい」
「……へ?」
 そう言うとトモはリゼの双丘を割りその間の蕾へ舌を伸ばす。そしてすでに濡れたそこをぺろりと一舐めした。
「な、ななにしてるんですか⁉」
「勃起するか不安だったから」
「だとしても……恥ずかしいです……!」
 発情期中のΩの体液にはαに作用する催淫効果があるものが含まれている。普通のαなら理性を失くすこともあるらしい。トモはαではあるが、性的に反応しづらいのでそこらに群がるαより発情中のΩに対して理性がある。本人としてはそれが気になるからということなんだろうが、リゼは理性的なトモが好きなのだ。そんなに気にしなくてもいいのに。
「あ、あ……だめ……」
 舌が窄まりの中に入ってくる。舌が肉筒を出入りしびくびくと快感が駆け巡った。本来舌を出し入れするところではないはずなのにざらざらとした舌が身体をくねらせてしまう。初めてなのにおかしいのかな。そう思った瞬間、身体に何か鋭いものが走った。
「だ……、あ、ああ……!」
「気持ち悪い? すまん、俺も初めてだから上手くできてるか。……ほぐれてはきてるみたいなんだけど」
 トモは舌を離すと両指でリゼの蕾を割るように広げる。彼の言うとおり、そこは十分にほぐれているうえに体液で濡れていて、リゼがこれからの行為に期待していることがバレバレだ。
「そん、な、ほぐさないで……」
「ほぐさないと痛いだろ」
「そう、ですけど……っ! こんなのはずかし……っ!」
 こんな自分でも見たことも無いところを見られるなんて恥ずかしすぎる。
 それでもトモは顔色を変えず言う。
「この世界じゃ普通じゃないのか?」
「お、おしりの穴を舐めるなんて普通じゃありませんっ」
「本当? 誰から聞いた?」
「誰から聞いたとかそういうのは無いですけど……」
「じゃあ、変って決めつけるのはおかしいだろ」
「じゃあ普通なのかな……」
 なんせリゼも経験が無い。何が普通かなんかわからないし、問われたところで堪えられない。
「少なくとも」
「ひゃっ」
 一回離れたというのに、トモはまた双丘に顔を近づけた。それから厚い肉にキスを落とす。
「ここを柔くすることは子づくりするのに大事だろう」
「もう、トモ様」
 リゼはトモにキスをする。
「これって、子どもを作るだけの作業ですか?」
 トモはきょとんとした顔をして子供のように笑った。
「違うな、悪かった」
 そうしてリゼにキスを落とした。
「子どもができればいいけど、それ以前に君と繋がりたい。作業なんかじゃないよ」
「トモ様……」
 ああもう、何回自分はこの人に惚れ直せばいいんだろう。
 かわいいこの人が好き。
 かっこいいこの人が好き。
 この人の全部が好きだ。
「トモ様、好き。好きです。大好き」
「あなたも同じ気持ちでいてくれてますか?」そう続けるとトモはリゼを抱きしめる。
「……うん。同じだよ。全く同じってわけじゃないけど、きみのことがこの世界で——いや、どんな世界の中でも大切だって思ってる。それが惚れてるってことなら俺はとっくにきみにべた惚れだ」
 それからはどちらからともなく顔を寄せ、唇を合わせた。
「ん……っ」
「……は……っ、ん……」
 舌を絡めあう濃厚なキスにリゼの頭はくらくらしてしまいそうで。頭の中は「キスしてるな」「あったかいな」そればかりに埋め尽くされている。子どもみたいな思考回路に笑ってしまいそうだった。だってリゼは人生でいちばん、ばかになってしまっている。いつかはすることになるだろうと思っていた、たかがセックスごときに。
「は……よかったです……」
「なにが?」
「貴方が、はじめての相手で。それから……、貴方の身体がもう冷たくなくて」
「興奮してるからかな」
「そういう意味じゃないですよ」
 トモの身体はもう冷たくなかった。彼の言う通り、興奮してるからではないかと言われたらそうかもしれないのだけど、リゼにはそうは思えなかった。トモの今まで凍っていた部分を溶かすことができたのだと、そう思うことはおかしいだろうか。だって、トモは笑ってくれた。
 決して笑わないトモがリゼに笑顔を見せてくれた。
 リゼは、想いが通ったことより、こうやってセックスをすることより、これからずっと一緒にいられることより、何よりそれが嬉しい。
「あ、ん……」
 秘奥の中がじゅぶじゅぶと卑猥な水音を立てて慣らされていく。そこは既に男を受け入れられるほど、しとどに濡れており、たらりと蜜が垂れ落ちる。
「少し自分で弄っていいか。フェロモンがあるとは言えまだ少し不安で」
「……僕がやります」
「え……」
 リゼはそう宣言すると体制を変え、トモの下腹部に顔をうずめる。着ているものをくつろげると、トモの中心が顔を出した。確かにまだ完全には勃起していないようだ。αのフェロモンが効きづらいのは異世界人だからだろうか。
 そんなことを考えたが、今やることではないとリゼはためらいなくそれを口に含む。
「……っ」
 手で処理するものだとでも思っていたのだろう、頭上で驚いて息を呑む音がする。それと同時に、こっちの方が身体に合っていたのだろう。口に含んだ屹立が少しだけ膨らみを持った。
「えへへ、おっきくなりましたね」
 よしよし、と先を撫でてやるとびくびくとトモの身体が跳ねる。
「うまくできるかは……初めてなのでわかりませんけど……んっ……」
 幹を下から上に舐め、上から含み唾液が溜まった口内であやす。トモはリゼのつたない動きにも反応してくれているようで、口の中のものが大きくなるのがわかって、やっている側としてはとても嬉しかった。
「ひもちいいでふか?」
 口にものを含みながら上目遣いでそう聞くと、トモは言いづらそうに答えた。
「……なん、というか、技巧と言うよりは視覚的に……」
「なんですか?」
「リゼくんちっちゃいから、その、犯罪臭が……」
「あはは、たぶんトモ様と年齢そんなに変わんないと思いますよ? これでもお酒飲めますし」
 だから、とリゼは見せつけるように舌で幹を舐めあげる。
「何にも考えないで気持ちよくなってください」
 それからじゅぽじゅぽと舌でトモのそれをしごく。時折トモの小さな声が漏れる。それにリゼは気を良くし手を動きを速めた。
「……っ、ん……」
「……り、ぜくん……。もう……」
「出ちゃいます? いいですよ、中に出して……」
「だめだろ……、はなれて」
 こちらとしては口に出しても何も思わない。妊娠するわけでもないし、これから人体に精を注ぐなら、どっちに注いだとして同じだろう。
 だけれど、彼にとってはそうでもないようで。
「はじめてでそんな酷いことさせる気はない」
「……トモ様はやさしいですね。別に貴方のものなんだから好きにしていいのに」
「ものじゃないだろう」
 トモはため息をついて、呆れたようにリゼの頭を撫でる。
「きみは俺の夫なんだから。俺の好きな人をものなんか例えでも言わないでくれ」
「……はい」
 リゼはトモの手に頭をこすりつけると「もっと撫でて」とでも言うように甘えた様子を見せる。
「あんまり煽らないでくれ」
 唾を飲み込む音がリゼの耳に届く。なんだと顔を上げると雄の目をしたトモが近づき、そのままキスが降ってきた。唇を重ね合わせたまま体重をかけられ、リゼの身体を柔らかい布団が受け止める。
「わっ」
「もう大丈夫だから。……いい?」
 頷くことしかできなかった。だってそれしかできるわけがないじゃないか。こんなに好きでかっこいい人に言われたら。こうなってしまうのは自分がαを相手にしたΩだからか、彼がビーストテイマーで、自分に獣の要素が少しでも残っているかもしれないからだろうか。いいや、違う。
 リゼ自身の心が彼を求めているからだ。
「来てください……。トモ様が欲しいんです……」
「そんなこと言われたら……我慢できなくなるぞ」
「……いいんです。……相手がトモ様なら……」
 そうしてトモはその言葉に安堵したようにリゼの首筋に顔をうずめると、ほっと息を漏らす。その吐息が首筋に当たり、リゼはびくりと身体を跳ねさせた。
「……挿れるぞ」
 よく慣らされた窄まりから濡れた音が聞こえる。熱い屹立が音を立てて押し付けられるのが分かった。そして徐々に腰を進めるとリゼの中に入ってきた。
「ぃ、っ……」
「…………っ」
 少しずつ彼のものが身体の中に沈み、飲み込む。よく慣らされたとは言え、はじめてだからきついのかもしれない。吐息を漏らすトモに、リゼは痛みを堪えながらもときめきを覚えた。自分の雄がこんなにも自分の肉体で快楽を拾ってくれていることを嬉しく思うのだ。
「あ……いた……」
「っ……、すまん……っ! やめるか」
「やめないで」
 リゼはトモを首に手をまわして抱きしめると続きをねだる。
「トモ様の赤ちゃん欲しいです……。やめないでください……」
「……わかった。……少しずつ、動くから……」
 トモはそう言って、身体をゆっくりと動かすと、リゼの身体も少しずつ馴染むように受け入れていく。
「……あ、ぜんぶ……はいった……」
「……痛くないか」
「だい、じょう、ぶです……」
 圧迫感は確かにある。正直辛いし、身体はしんどい。あんなに念入りに慣らされてもこれなのかと内心驚いたし、苦しさで息は浅くしか呼吸できない。
 それでも幸せだった。
好きな人と繋がれたこと、想いが通じ合えたこと。少し前のリゼならこんな幸せな気持ちにはならなかっただろう。ただの作業だと。セックスごときでこんな気持ちは恋をしたからだ。好きって気持ちはすごい。だってこんなに胸が熱くなって、ぎゅっと幸せな気持ちであふれそうになって。やっぱり、この人で良かった。この人を選んでよかった。
「トモ様、うなじを噛んでくださいますか?」
「……いいのか? 一回噛んだらきみはもう……」
「はい。いいんです。この気持ちを僕の中で永遠にしたいから」
 Ωがαにうなじを噛まれると、番契約成立として正式にリゼはトモのものになる。ただしそれは一生消えない呪いと同義だ。もし番契約が成立したら、リゼはトモに捨てられたり、別離した場合、誰とも結ばれることは出来ないし、子どももできない。その覚悟があるのか、ということだろう。
 でも、全てを失ってもよかった。今の幸福を永遠にできるなら、この後の人生全てを捨ててもよかった。何らかの理由でトモと離れ離れになっても生きていける確信があった。
 だから、よかった。
「リゼくん、リゼ……。ありがとう」
 うなじを噛まれた瞬間、身体が熱くなった。じくじくと疼く首筋の感覚に泣きたいほどの幸福感が溢れてくる。これでよかった。これが良かった。
「あ……っ!」
 動きが再開される。身体の弱いところをあばかれるのは何故か心地よかった。身体だけでなく心を繋げるためのセックスはどこまでも気持ちがよく、この記憶は一生忘れないだろうと沸いた頭で思う。喘ぎ声はまるで自分のものではないようで、少しだけ笑えた。
「すきです、ともさま……、すき……」
 うわごとの様に「好き」を唱える。それに意味があるのかはわからないけれど、どうしても言葉にしたかった。貴方が教えてくれたことが、貴方が守ってくれたこの身体が、それだけ貴方を求めているのかと。それをどうしても彼にわかってほしかった。
「俺も好きだよ、愛してる」
 その言葉を聞いて笑ってしまう。
 ——きっと貴方が思っているより、貴方のことを想っています。だからごめんなさい。もう離してしまうことは出来ないです。
 そんなことは言わない。だって人間は本当の意味で共感できないから。トモのトラウマを真の意味で全てを受け止められないように、トモもリゼの気持ちをすべて理解することは出来ないだろう。
 だから。
「トモさま、だいすき」
 これで、その一部で良いから受け止めてください。
「あ、ぅ……ああっ!」
 動きが激しくなり、トモの性感が高まっているのを体内で感じる。中の屹立は芯を強く持ち、熱さを纏っていた。リゼのものも勃地上がっていて、快感を処理しきれずたらたらと先走りに似た何かをたらし続けている。
「ゃ、あ、……くっ、いく……」
「ごめん……っ、もう……!」
「はい……、なか、出してください……っ、ともさまのあかちゃん、ぼくにください……っ!」
 リゼはトモの背中に両足を絡ませ、中の奥深くにトモから放たれる精を受け止める準備をする。そうすると、トモは一番深いところに腰を打ち付け、溶けるほど熱い精をリゼの中に放った。
「……っ!」
 どくどくと種が注がれる。その時のトモの身体が快感に耐え声を飲んだのがリゼには愛おしくて、強く強く抱きしめた。
 これから何があっても、離れないように。
離れたとしても、トモもリゼも、この一夜を決して忘れてしまわないように。
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