9 / 20
第2章 お決まり模擬戦と冒険者活動
第9話 冒険者登録とドンの協力?
しおりを挟む
ミナトは、尻もちをついているドンに手を貸して起き上がらせる。
「よいしょ、悪いな。本当に子供か疑う強さだぞ。それに、あの剣術はなんだ?見たことがない」
ドンは、全力で木斧を振っていたのだが、力が抜けるような感覚でいなされてしまう剣術を見たことがなく、どこの流派なのか気になった。
「偶々だよ。それで、合格かな?」
「偶々......まぁ、そう簡単には口できないか!おう。Bランクの俺に勝ったんだ。当たり前だろ。なぁ、エルマ?」
ドンは、斧を担ぎながら笑顔で答える。
そして、ドンは強さからもわかるように、かなりの高ランク冒険者だった。
「はい!こんな強い方が冒険者になってくれて、有り難い限りです。今すぐギルドカードを発行致しますね。受付までお越し下さい」
その後は、観客席から冒険者が下りてきて、皆が祝福してくれる。しかし、自らのパーティーに取り込もうと勧誘してくる冒険者に囲まれ過ぎて、なかなか抜け出せず受付に行けない状況になっていた。
しかし、ドンが大声で「お前ら!いい加減離してやれ」と言ってくれたので抜け出すことが出来た。
「ミナト様、遅かったですね。用紙の準備は出来ていますよ。文字は書けますか?」
受付に着くと、エルマはギルドカードを作るのに必須な個人情報を記入する用紙を準備して待ってくれていた。
「ずっと冒険者に捕まってまして、すみません。文字は、書けるので記入しますね」
この世界の情報をインストールした時に、文字と言語を習得していたので、迷うことなくあっさり記入をした。
「強い冒険者を欲するパーティーは多いですからね。ミナト様は、これからも狙われると思いますから、慎重にパーティーを選んでください。ギルドとしても、最近は口だけの新人ばかりでしたので、嬉しい限りです」
ミナトは、今のところパーティーに属する予定はないので、遺恨を残さないように、どう断っていこうかと考えていた。
エルマは、ミナトから用紙を受け取ると、不備がないか確認をする。
「記入漏れはございませんね。では、ギルドカードを発行してきますので、少しお待ち下さい」
エルマは、そう言って受付の奥へと向かって行った。それから、暫くしてエルマが戻ってくると、手には銀色のカードが握られていた。
「大変お待たせ致しました。こちらがギルドカードになります。再発行には、銀貨3枚掛かりますので、絶対に無くさないようにしてください」
「わかりました。大事に、ポケットに入れておきます」
ミナトは、ズボンのポケットにギルドカードを入れた。
「あ!ミナト様は、GランクからではなくFランクからになります。Bランクのドン様との戦いで、問題なく魔物と戦えると証明されましたので、ランクアップさせて頂きました」
本来であれば、新人教育を受けてから先輩冒険者同行の下、薬草採取などの依頼をこなしてからFランクに上がるのだが、エルマの判断でランクアップした状態から始められるようだ。
「ありがとうございます。色々わからないことが多いので、基礎知識が書かれた本などありますか?」
「ミナト様は、本当に珍しいですね。こんなに、しっかり聞いてくれる冒険者はいません。あ!ごめんなさい。こちらが、ハンドブックになります」
ミナトは、冒険者の基本というハンドブックを貰って、ランクの上がり方や基本的な薬草の種類やギルドカードの再発行には手数料などの情報が書かれていた。
「ありがとうございます。あ!そうだ。ラフラフの花の場所と爆炎テントウムシがいる場所を教えてくれませんか?」
「ラフラフの花と爆炎テントウムシですか?全部Dランク以上の依頼ですね。まだミナト様には危険な場所ですよ。もしよければ、依頼をしてみてはいかがですか?」
ミナトの最初の目的であったラフラフの花と爆炎テントウムシの情報を聞くが、どうやらランクが足らないようで、依頼を受けることが出来ないらしい。
「依頼ですか......結構な量ほしいんですよね」
「そう言われましても、ランクに見合わない依頼を承認することはできないもので、申し訳ございません」
ルールであれば、仕方ないなと思っていると、後ろにドンが立っていた。
「俺が同行すれば問題ないだろ?ミナト一緒に行くか?」
ドンは、ラフラフの花と爆炎テントウムシの話を聞いて、Bランクである自分が同行すれば問題ないのと、ミナトは何かおもしろい物を見せてくれるのではないかと興味も湧いていたので恩を売ることにした。
「いいのか?付き合わせてしまって?」
「あぁ、どうしてもほしいんだろ?それに、ラフラフの花に集まるデッドリーポイズンキラービーは、いい素材になるからな。俺にもメリットはあるんだ」
「そういうことなら頼む」
「なら防具を買いに行くぞ!それと、エルマ睡眠香を用意しといてくれ」
ドンは、肩を組んできて鍛冶屋に連行しようと引っ張って行くのであった。
「よいしょ、悪いな。本当に子供か疑う強さだぞ。それに、あの剣術はなんだ?見たことがない」
ドンは、全力で木斧を振っていたのだが、力が抜けるような感覚でいなされてしまう剣術を見たことがなく、どこの流派なのか気になった。
「偶々だよ。それで、合格かな?」
「偶々......まぁ、そう簡単には口できないか!おう。Bランクの俺に勝ったんだ。当たり前だろ。なぁ、エルマ?」
ドンは、斧を担ぎながら笑顔で答える。
そして、ドンは強さからもわかるように、かなりの高ランク冒険者だった。
「はい!こんな強い方が冒険者になってくれて、有り難い限りです。今すぐギルドカードを発行致しますね。受付までお越し下さい」
その後は、観客席から冒険者が下りてきて、皆が祝福してくれる。しかし、自らのパーティーに取り込もうと勧誘してくる冒険者に囲まれ過ぎて、なかなか抜け出せず受付に行けない状況になっていた。
しかし、ドンが大声で「お前ら!いい加減離してやれ」と言ってくれたので抜け出すことが出来た。
「ミナト様、遅かったですね。用紙の準備は出来ていますよ。文字は書けますか?」
受付に着くと、エルマはギルドカードを作るのに必須な個人情報を記入する用紙を準備して待ってくれていた。
「ずっと冒険者に捕まってまして、すみません。文字は、書けるので記入しますね」
この世界の情報をインストールした時に、文字と言語を習得していたので、迷うことなくあっさり記入をした。
「強い冒険者を欲するパーティーは多いですからね。ミナト様は、これからも狙われると思いますから、慎重にパーティーを選んでください。ギルドとしても、最近は口だけの新人ばかりでしたので、嬉しい限りです」
ミナトは、今のところパーティーに属する予定はないので、遺恨を残さないように、どう断っていこうかと考えていた。
エルマは、ミナトから用紙を受け取ると、不備がないか確認をする。
「記入漏れはございませんね。では、ギルドカードを発行してきますので、少しお待ち下さい」
エルマは、そう言って受付の奥へと向かって行った。それから、暫くしてエルマが戻ってくると、手には銀色のカードが握られていた。
「大変お待たせ致しました。こちらがギルドカードになります。再発行には、銀貨3枚掛かりますので、絶対に無くさないようにしてください」
「わかりました。大事に、ポケットに入れておきます」
ミナトは、ズボンのポケットにギルドカードを入れた。
「あ!ミナト様は、GランクからではなくFランクからになります。Bランクのドン様との戦いで、問題なく魔物と戦えると証明されましたので、ランクアップさせて頂きました」
本来であれば、新人教育を受けてから先輩冒険者同行の下、薬草採取などの依頼をこなしてからFランクに上がるのだが、エルマの判断でランクアップした状態から始められるようだ。
「ありがとうございます。色々わからないことが多いので、基礎知識が書かれた本などありますか?」
「ミナト様は、本当に珍しいですね。こんなに、しっかり聞いてくれる冒険者はいません。あ!ごめんなさい。こちらが、ハンドブックになります」
ミナトは、冒険者の基本というハンドブックを貰って、ランクの上がり方や基本的な薬草の種類やギルドカードの再発行には手数料などの情報が書かれていた。
「ありがとうございます。あ!そうだ。ラフラフの花の場所と爆炎テントウムシがいる場所を教えてくれませんか?」
「ラフラフの花と爆炎テントウムシですか?全部Dランク以上の依頼ですね。まだミナト様には危険な場所ですよ。もしよければ、依頼をしてみてはいかがですか?」
ミナトの最初の目的であったラフラフの花と爆炎テントウムシの情報を聞くが、どうやらランクが足らないようで、依頼を受けることが出来ないらしい。
「依頼ですか......結構な量ほしいんですよね」
「そう言われましても、ランクに見合わない依頼を承認することはできないもので、申し訳ございません」
ルールであれば、仕方ないなと思っていると、後ろにドンが立っていた。
「俺が同行すれば問題ないだろ?ミナト一緒に行くか?」
ドンは、ラフラフの花と爆炎テントウムシの話を聞いて、Bランクである自分が同行すれば問題ないのと、ミナトは何かおもしろい物を見せてくれるのではないかと興味も湧いていたので恩を売ることにした。
「いいのか?付き合わせてしまって?」
「あぁ、どうしてもほしいんだろ?それに、ラフラフの花に集まるデッドリーポイズンキラービーは、いい素材になるからな。俺にもメリットはあるんだ」
「そういうことなら頼む」
「なら防具を買いに行くぞ!それと、エルマ睡眠香を用意しといてくれ」
ドンは、肩を組んできて鍛冶屋に連行しようと引っ張って行くのであった。
30
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
鑑定能力で恩を返す
KBT
ファンタジー
どこにでもいる普通のサラリーマンの蔵田悟。
彼ははある日、上司の悪態を吐きながら深酒をし、目が覚めると見知らぬ世界にいた。
そこは剣と魔法、人間、獣人、亜人、魔物が跋扈する異世界フォートルードだった。
この世界には稀に異世界から《迷い人》が転移しており、悟もその1人だった。
帰る方法もなく、途方に暮れていた悟だったが、通りすがりの商人ロンメルに命を救われる。
そして稀少な能力である鑑定能力が自身にある事がわかり、ブロディア王国の公都ハメルンの裏通りにあるロンメルの店で働かせてもらう事になった。
そして、ロンメルから店の番頭を任された悟は《サト》と名前を変え、命の恩人であるロンメルへの恩返しのため、商店を大きくしようと鑑定能力を駆使して、海千山千の商人達や荒くれ者の冒険者達を相手に日夜奮闘するのだった。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
生活魔法しか使えない少年、浄化(クリーン)を極めて無双します(仮)(習作3)
田中寿郎
ファンタジー
壁しか見えない街(城郭都市)の中は嫌いだ。孤児院でイジメに遭い、無実の罪を着せられた幼い少年は、街を抜け出し、一人森の中で生きる事を選んだ。武器は生活魔法の浄化(クリーン)と乾燥(ドライ)。浄化と乾燥だけでも極めれば結構役に立ちますよ?
コメントはたまに気まぐれに返す事がありますが、全レスは致しません。悪しからずご了承願います。
(あと、敬語が使えない呪いに掛かっているので言葉遣いに粗いところがあってもご容赦をw)
台本風(セリフの前に名前が入る)です、これに関しては助言は無用です、そういうスタイルだと思ってあきらめてください。
読みにくい、面白くないという方は、フォローを外してそっ閉じをお願いします。
(カクヨムにも投稿しております)
ちょっと神様!私もうステータス調整されてるんですが!!
べちてん
ファンタジー
アニメ、マンガ、ラノベに小説好きの典型的な陰キャ高校生の西園千成はある日河川敷に花見に来ていた。人混みに酔い、体調が悪くなったので少し離れた路地で休憩していたらいつの間にか神域に迷い込んでしまっていた!!もう元居た世界には戻れないとのことなので魔法の世界へ転移することに。申し訳ないとか何とかでステータスを古龍の半分にしてもらったのだが、別の神様がそれを知らずに私のステータスをそこからさらに2倍にしてしまった!ちょっと神様!もうステータス調整されてるんですが!!
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる