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第2章 お決まり模擬戦と冒険者活動

第9話 冒険者登録とドンの協力?

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ミナトは、尻もちをついているドンに手を貸して起き上がらせる。

「よいしょ、悪いな。本当に子供か疑う強さだぞ。それに、あの剣術はなんだ?見たことがない」

ドンは、全力で木斧を振っていたのだが、力が抜けるような感覚でいなされてしまう剣術を見たことがなく、どこの流派なのか気になった。

「偶々だよ。それで、合格かな?」

「偶々......まぁ、そう簡単には口できないか!おう。Bランクの俺に勝ったんだ。当たり前だろ。なぁ、エルマ?」

ドンは、斧を担ぎながら笑顔で答える。
そして、ドンは強さからもわかるように、かなりの高ランク冒険者だった。

「はい!こんな強い方が冒険者になってくれて、有り難い限りです。今すぐギルドカードを発行致しますね。受付までお越し下さい」

その後は、観客席から冒険者が下りてきて、皆が祝福してくれる。しかし、自らのパーティーに取り込もうと勧誘してくる冒険者に囲まれ過ぎて、なかなか抜け出せず受付に行けない状況になっていた。
しかし、ドンが大声で「お前ら!いい加減離してやれ」と言ってくれたので抜け出すことが出来た。

「ミナト様、遅かったですね。用紙の準備は出来ていますよ。文字は書けますか?」

受付に着くと、エルマはギルドカードを作るのに必須な個人情報を記入する用紙を準備して待ってくれていた。

「ずっと冒険者に捕まってまして、すみません。文字は、書けるので記入しますね」

この世界の情報をインストールした時に、文字と言語を習得していたので、迷うことなくあっさり記入をした。

「強い冒険者を欲するパーティーは多いですからね。ミナト様は、これからも狙われると思いますから、慎重にパーティーを選んでください。ギルドとしても、最近は口だけの新人ばかりでしたので、嬉しい限りです」

ミナトは、今のところパーティーに属する予定はないので、遺恨を残さないように、どう断っていこうかと考えていた。
エルマは、ミナトから用紙を受け取ると、不備がないか確認をする。

「記入漏れはございませんね。では、ギルドカードを発行してきますので、少しお待ち下さい」

エルマは、そう言って受付の奥へと向かって行った。それから、暫くしてエルマが戻ってくると、手には銀色のカードが握られていた。

「大変お待たせ致しました。こちらがギルドカードになります。再発行には、銀貨3枚掛かりますので、絶対に無くさないようにしてください」

「わかりました。大事に、ポケットに入れておきます」

ミナトは、ズボンのポケットにギルドカードを入れた。

「あ!ミナト様は、GランクからではなくFランクからになります。Bランクのドン様との戦いで、問題なく魔物と戦えると証明されましたので、ランクアップさせて頂きました」

本来であれば、新人教育を受けてから先輩冒険者同行の下、薬草採取などの依頼をこなしてからFランクに上がるのだが、エルマの判断でランクアップした状態から始められるようだ。

「ありがとうございます。色々わからないことが多いので、基礎知識が書かれた本などありますか?」

「ミナト様は、本当に珍しいですね。こんなに、しっかり聞いてくれる冒険者はいません。あ!ごめんなさい。こちらが、ハンドブックになります」

ミナトは、冒険者の基本というハンドブックを貰って、ランクの上がり方や基本的な薬草の種類やギルドカードの再発行には手数料などの情報が書かれていた。

「ありがとうございます。あ!そうだ。ラフラフの花の場所と爆炎テントウムシがいる場所を教えてくれませんか?」

「ラフラフの花と爆炎テントウムシですか?全部Dランク以上の依頼ですね。まだミナト様には危険な場所ですよ。もしよければ、依頼をしてみてはいかがですか?」

ミナトの最初の目的であったラフラフの花と爆炎テントウムシの情報を聞くが、どうやらランクが足らないようで、依頼を受けることが出来ないらしい。

「依頼ですか......結構な量ほしいんですよね」

「そう言われましても、ランクに見合わない依頼を承認することはできないもので、申し訳ございません」

ルールであれば、仕方ないなと思っていると、後ろにドンが立っていた。

「俺が同行すれば問題ないだろ?ミナト一緒に行くか?」

ドンは、ラフラフの花と爆炎テントウムシの話を聞いて、Bランクである自分が同行すれば問題ないのと、ミナトは何かおもしろい物を見せてくれるのではないかと興味も湧いていたので恩を売ることにした。

「いいのか?付き合わせてしまって?」

「あぁ、どうしてもほしいんだろ?それに、ラフラフの花に集まるデッドリーポイズンキラービーは、いい素材になるからな。俺にもメリットはあるんだ」

「そういうことなら頼む」

「なら防具を買いに行くぞ!それと、エルマ睡眠香を用意しといてくれ」

ドンは、肩を組んできて鍛冶屋に連行しようと引っ張って行くのであった。
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