760 / 763
第3章 アレクを狙って
第867話 閉店後の振り返りと今後について!
しおりを挟む
アレクが閉店を伝えると、冒険者達はお酒が入っているにも関わらず、素直に話を聞き、注文した物を食べ終わると足早に店をあとにした。
「ふぅ~、みんなお疲れ様~!よく最後の追い込みを乗り越えてくれたよ。まさかの材料なくなってビックリしたよね」
アレクは、カウンター席に座って大きく息を吐いて、みんなに労いの言葉を言う。
「ワシも疲れたわい。戦闘より大変じゃったぞ。こりゃ、今後の対策が必要になってくるのぅ」
普段疲れたなど言わないマンテ爺ですら、思わず言ってしまうほど大変だったようだ。
「本当よ。もし、注文を聞くなんてことがあったら大変だったわ。それと、お客さん同士で、セルフを教え合ってくれたから助けられたもの」
てんてこ舞いになっているアレク達を見て、冒険者達が気を利かせて勝手に接客をしてくれていた。そのお陰で、ホールはなんとか崩壊せずに済んだ。
「僕も疲れたでしゅよ。魔力いっぱい使ったでしゅ」
「本当にお疲れ様。お客さんが優しくて良かったよ。それより、大樹が運ぶ度に歓声が、厨房まで聞こえてたけど何かあったの?」
厨房にいたアレクとマンテ爺は、ラーメンと餃子を作るのに手一杯で、ホールの歓声が起きる度に、何が行われているのだろうとずっと気になっていた。
「大樹ったら、魔法で5人前くらいのラーメンを一気に運んだの。それを見ていた冒険者達が面白がっちゃって、何回も要求してたのよ」
「あぁ、それで魔力を使いすぎたのか。今回見せちゃったし、絶対次も要求されるだろうね。もしかしたら、名物になる可能性あるよ」
面白いことや騒ぐことが大好きな冒険者からすると、赤ん坊である大樹が、魔法で食器を運ぶ姿は、冒険者にとって大好物なのだ。
「忙しかったから、何も言わなかったけど、いつ落とすか、ずっとハラハラしてたわ。もし、お客様の頭にでも落したらどうするのよ。次から、運ぶのは1人ずつよ!いいわね?」
「1人ずつでしゅか?残念でしゅ。おじしゃんやお姉しゃんが、喜んでたでしゅよ。それでも、ダメでしゅか?......わ、わかったでしゅ」
大樹は、みんなが喜んでくれて嬉しかったので、上目遣いでヘルミーナに、またやりたいことをそれとなく伝えるが、キッとした顔で睨まれたので、即座に首を縦に振って断念した。
「大樹いい子だね。ママの言うことは聞かないとだよ。それはそうと、マンテ爺が言ってた今後だよね......でも、あれ以上は、仕込む時間が足りないよ」
大樹の気持ちがわかるアレクは、大樹の頭を撫でる。
そして、一番問題である売り切れになることと、今後も閉店間際に雪崩込むのではと懸念した。
「そうじゃな。グランが、転移魔道具を店に設置してくれたお陰で行き来は楽になったんじゃが、アレクは王の仕事があるからのぅ」
マンテ爺は、どうしようかと考えるが、いい案が思い付かず頭を悩ませる。
「う~ん?冒険者には悪いけど、閉店時間を早めるくらいしかないかな。流石に、あの人数を毎日捌くのは無理があるし、思い描いてる感じじゃなくなるしね」
「アレクが決めたことならワシは賛成じゃ。じゃが、店の前に時間を書いた看板を出しとくべきじゃろうな。冒険者が、勘違いして昼間にも来ると思うぞい」
「私も、賛成だわ。繁盛するのは嬉しいけど、満足いく接客が出来なかったもの。それと、マンテ爺の言うことは確かだわ。そうねぇ~、看板は、私が手配するわね」
アレクがオーナー兼店長の立場なので、お店の方針に関しては、否定せずに従う。しかも、ヘルミーナとマンテ爺は、アドバイスと協力を惜しまない。
「ならば、ワシがヘルミーナの護衛をしようかのぅ。アレクは、気にせず魔物の国に帰って構わんぞい」
「ヘルミーナもマンテ爺もありがとう。じゃあ、一度魔物の国に帰るよ。それと、師匠達が帰ってきてるはずだから、もしかすると少し店に来るのが遅れるかも」
アレクは、椅子から立ち上がって、ヘルミーナとマンテ爺にお礼を言いながら、残っていた洗い物をやりにいく。
そして、ヘルミーナは疲れて寝た大樹をベッドに寝かせに行き、ホールの掃除を始めた。マンテ爺は、アレクと一緒に洗い物と厨房の掃除をする。
「そうじゃろうな。ノックスとデストロイじゃからのぅ。まぁ、ワシ達がおるから少しくらいの遅れなら問題ないわい。仕込みもやっとくぞい」
マンテ爺の優しさにアレクは感謝する。
そして、意外にもマンテ爺は、ラーメン屋をすることを気に入っているようであった。
「ふぅ~、みんなお疲れ様~!よく最後の追い込みを乗り越えてくれたよ。まさかの材料なくなってビックリしたよね」
アレクは、カウンター席に座って大きく息を吐いて、みんなに労いの言葉を言う。
「ワシも疲れたわい。戦闘より大変じゃったぞ。こりゃ、今後の対策が必要になってくるのぅ」
普段疲れたなど言わないマンテ爺ですら、思わず言ってしまうほど大変だったようだ。
「本当よ。もし、注文を聞くなんてことがあったら大変だったわ。それと、お客さん同士で、セルフを教え合ってくれたから助けられたもの」
てんてこ舞いになっているアレク達を見て、冒険者達が気を利かせて勝手に接客をしてくれていた。そのお陰で、ホールはなんとか崩壊せずに済んだ。
「僕も疲れたでしゅよ。魔力いっぱい使ったでしゅ」
「本当にお疲れ様。お客さんが優しくて良かったよ。それより、大樹が運ぶ度に歓声が、厨房まで聞こえてたけど何かあったの?」
厨房にいたアレクとマンテ爺は、ラーメンと餃子を作るのに手一杯で、ホールの歓声が起きる度に、何が行われているのだろうとずっと気になっていた。
「大樹ったら、魔法で5人前くらいのラーメンを一気に運んだの。それを見ていた冒険者達が面白がっちゃって、何回も要求してたのよ」
「あぁ、それで魔力を使いすぎたのか。今回見せちゃったし、絶対次も要求されるだろうね。もしかしたら、名物になる可能性あるよ」
面白いことや騒ぐことが大好きな冒険者からすると、赤ん坊である大樹が、魔法で食器を運ぶ姿は、冒険者にとって大好物なのだ。
「忙しかったから、何も言わなかったけど、いつ落とすか、ずっとハラハラしてたわ。もし、お客様の頭にでも落したらどうするのよ。次から、運ぶのは1人ずつよ!いいわね?」
「1人ずつでしゅか?残念でしゅ。おじしゃんやお姉しゃんが、喜んでたでしゅよ。それでも、ダメでしゅか?......わ、わかったでしゅ」
大樹は、みんなが喜んでくれて嬉しかったので、上目遣いでヘルミーナに、またやりたいことをそれとなく伝えるが、キッとした顔で睨まれたので、即座に首を縦に振って断念した。
「大樹いい子だね。ママの言うことは聞かないとだよ。それはそうと、マンテ爺が言ってた今後だよね......でも、あれ以上は、仕込む時間が足りないよ」
大樹の気持ちがわかるアレクは、大樹の頭を撫でる。
そして、一番問題である売り切れになることと、今後も閉店間際に雪崩込むのではと懸念した。
「そうじゃな。グランが、転移魔道具を店に設置してくれたお陰で行き来は楽になったんじゃが、アレクは王の仕事があるからのぅ」
マンテ爺は、どうしようかと考えるが、いい案が思い付かず頭を悩ませる。
「う~ん?冒険者には悪いけど、閉店時間を早めるくらいしかないかな。流石に、あの人数を毎日捌くのは無理があるし、思い描いてる感じじゃなくなるしね」
「アレクが決めたことならワシは賛成じゃ。じゃが、店の前に時間を書いた看板を出しとくべきじゃろうな。冒険者が、勘違いして昼間にも来ると思うぞい」
「私も、賛成だわ。繁盛するのは嬉しいけど、満足いく接客が出来なかったもの。それと、マンテ爺の言うことは確かだわ。そうねぇ~、看板は、私が手配するわね」
アレクがオーナー兼店長の立場なので、お店の方針に関しては、否定せずに従う。しかも、ヘルミーナとマンテ爺は、アドバイスと協力を惜しまない。
「ならば、ワシがヘルミーナの護衛をしようかのぅ。アレクは、気にせず魔物の国に帰って構わんぞい」
「ヘルミーナもマンテ爺もありがとう。じゃあ、一度魔物の国に帰るよ。それと、師匠達が帰ってきてるはずだから、もしかすると少し店に来るのが遅れるかも」
アレクは、椅子から立ち上がって、ヘルミーナとマンテ爺にお礼を言いながら、残っていた洗い物をやりにいく。
そして、ヘルミーナは疲れて寝た大樹をベッドに寝かせに行き、ホールの掃除を始めた。マンテ爺は、アレクと一緒に洗い物と厨房の掃除をする。
「そうじゃろうな。ノックスとデストロイじゃからのぅ。まぁ、ワシ達がおるから少しくらいの遅れなら問題ないわい。仕込みもやっとくぞい」
マンテ爺の優しさにアレクは感謝する。
そして、意外にもマンテ爺は、ラーメン屋をすることを気に入っているようであった。
143
お気に入りに追加
6,141
あなたにおすすめの小説
妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。
しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹
そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる
もう限界がきた私はあることを決心するのだった
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
異世界人生を楽しみたい そのためにも赤ん坊から努力する
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は朝霧 雷斗(アサギリ ライト)
前世の記憶を持ったまま僕は別の世界に転生した
生まれてからすぐに両親の持っていた本を読み魔法があることを学ぶ
魔力は筋力と同じ、訓練をすれば上達する
ということで努力していくことにしました
異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。
お小遣い月3万
ファンタジー
異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。
夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。
妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。
勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。
ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。
夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。
夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。
その子を大切に育てる。
女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。
2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。
だけど子どもはどんどんと強くなって行く。
大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。
スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~
白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」
マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。
そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。
だが、この世には例外というものがある。
ストロング家の次女であるアールマティだ。
実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。
そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】
戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。
「仰せのままに」
父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。
「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」
脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。
アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃
ストロング領は大飢饉となっていた。
農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。
主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。
短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。