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第3章 アレクを狙って
【3巻書籍化!発売中】第792話 蔵之助の新たな目標と刺客!
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ノックスは、エリクサーを飲んで腕を再生させる。そして、蔵之助は腕輪の力で傷口が塞がって息を吹き返した。
「蔵之助、治ったぞ!起きろ!」
「うっ、寒気と痛みがなくなっているでこざる。本当に、凄い腕輪でござるな。あれ?腕輪がないでござる」
蔵之助は、上体を起こすと、胸に開いた風穴がないことに気付いて驚いたあと、腕輪が消えていることに気付いた。
「そいつは使い捨てだからな。一度死を迎えたら身代わりで壊れる。蔵之助、今回はいい勝負だった!まさか、奥の手まで使わされるとは思ってなかったからな」
ノックスは、神力を使う気はなく、更には強化薬も使う気はなかった。
しかし、想像以上の蔵之助の力に出さざるを得なかった。
「そうでござろうな。こんな力を持った魔道具が永遠に使えたら無敵でござるからな。フッ、奥の手はまだ隠しておるでござろう?余裕そうに見えたでござるよ」
ノックスが、神力を使った時に感じた底知れない力は、あれが限界領域ではないと考えていた。
「俺の今の限界は、あれが精一杯だぞ。あることをすれば違うがな。まぁ、俺もまだまだだ。二度も、蔵之助の限界を見誤るなんてな」
以前、薬で全盛期の力を引き出したことで、力の上限は飛躍したが、まだノックス自身が成長しきれていないせいで、その上限分の器を満たす力を出すことができない。
そして最後、蔵之助の動きと剣速と力を予測して、ノックスは攻撃を仕掛けたが、想像以上の動きをされて腕と剣を失った。
「私は、無我夢中だったでござる。もう一度、あの動きをしろと言われても出来ないでござろう。だが、この戦いで目標をまた持てたのはよかったでござるよ。清々しい気分でござる」
蔵之助から、初めて会った時のような笑顔が戻る。そして、妥当ノックスから自らの成長という新たな目標まで出来た。
「ブッハハハ、戦いの中で何回も限界を超えるとはな。武士道精神には恐れ入る。次は、周りを気付かないながら成長しろよ。確かに、強くなったが、あのままだと周りに人がいなくなるからな」
「精神修行にはもってこいでござる。今度、一緒に滝行に行くでござるよ。そうでござるな。今回の身勝手な行動は反省するでござる」
先の見えない今回の目標は、どれだけ精神力が強い蔵之助でさえ蝕まれつつあった。しかし、次は目標が見えていることで、自分を見失うことなく突き進むことができる。
◆
ノックスと蔵之助が、死闘を繰り広げている頃、陛下とマンテ爺は転移の魔道具がある場所に向かっていた。
「文官が、見送りに来てくれると言っておったが、何故断ったのだ?」
大和ノ国を訪れた際にいた。文官が、見送ると発言したのだが、マンテ爺は間髪入れずに断りを入れた。
「ノックスの予感が正しければ、邪魔になるじゃろう。それに、無駄な命を亡くすわけにはいかんからのぅ。陛下、あの魔道具と薬は持っておるじゃろうな?」
「ノックスの予感であろう。十中八九当たるであろうな。うむ。持っておる」
同盟国である陛下を死なせるわけにはいかないと、以前アレクがラヴァーナに交渉をして、魔道具を貰っていた。そして、アレクからは緊急時ポーション薬一式をプレゼントされていたのだ。
「はじめまして。手荒な真似はしたくないので、大人しく我々に従ってはもらえないでしょうか?」
陛下とマンテ爺の前に現れたのは、黒い布で顔を隠した三人の忍者だった。そして、真ん中にいたリーダーらしき人物が話しかけてきた。
「何故、急に現れた者に従わなくてはならん。それに、余を連れていけば、王国と大和ノ国の関係は悪化し、最悪戦争が起こるが良いのか?」
陛下は、少しでも情報を収集するために、怯えるのではなく、王として毅然な態度で接する。
「戦争ですか......我々が待ち望んだ結果に近付くとだけお教えしましょう。親王から何を吹き込まれたかはわかりませんが、親王は何もわかっていません。では、長話をしにきたわけではありませんでの、そろそろついてきてはもらえませんか?」
この忍者は、何かを隠しながら親王もとい大和ノ国を恐れている様子を一切見せない。
陛下は、その言葉が虚勢なのか本当の言葉なのか判断しかねてしまい、返答が遅れる。
「すまんが、陛下の護衛として、ただ黙って連れて行かせるわけにはいかないんじゃ。抵抗させてもらうわい」
「ならば仕方ありません。影丸、あの者を殺しなさい」
真ん中にいたリーダーらしき忍者が命令を下した瞬間、マンテ爺に向かってクナイを投げた。マンテ爺は、陛下の前にいたので、影丸からすると、避けられず身を挺して守るか、クナイを跳ね返すかの二択であり、その瞬間、マンテ爺を殺そうとした。
しかし、マンテ爺は何の躊躇もなく躱して抜刀し、影丸の懐に潜り込み胴体を斬った。
「ぐはぁ、何故......避け......」
影丸は、考えてもみなかったマンテ爺の行動に反応が遅れてしまい、やられるがまま斬られて絶命した。
「何も対策を練っとらんとでも思ったのかのぅ。クナイくらいじゃと、陛下は傷つけられんぞい」
「服の中に防具を仕込んでいたのですか、ならばこれでどうですか!な、なぜ......」
忍者のリーダーは、咄嗟に肌が露出している顔と首と手を狙ってクナイを投げたが、陛下は自信満々の表情でクナイを跳ね返した。
陛下の顔や首や手へ、まともにクナイが当たったにも関わらず、跳ね返されてしまい、忍者のリーダーは目を見開いて驚くのであった。
「蔵之助、治ったぞ!起きろ!」
「うっ、寒気と痛みがなくなっているでこざる。本当に、凄い腕輪でござるな。あれ?腕輪がないでござる」
蔵之助は、上体を起こすと、胸に開いた風穴がないことに気付いて驚いたあと、腕輪が消えていることに気付いた。
「そいつは使い捨てだからな。一度死を迎えたら身代わりで壊れる。蔵之助、今回はいい勝負だった!まさか、奥の手まで使わされるとは思ってなかったからな」
ノックスは、神力を使う気はなく、更には強化薬も使う気はなかった。
しかし、想像以上の蔵之助の力に出さざるを得なかった。
「そうでござろうな。こんな力を持った魔道具が永遠に使えたら無敵でござるからな。フッ、奥の手はまだ隠しておるでござろう?余裕そうに見えたでござるよ」
ノックスが、神力を使った時に感じた底知れない力は、あれが限界領域ではないと考えていた。
「俺の今の限界は、あれが精一杯だぞ。あることをすれば違うがな。まぁ、俺もまだまだだ。二度も、蔵之助の限界を見誤るなんてな」
以前、薬で全盛期の力を引き出したことで、力の上限は飛躍したが、まだノックス自身が成長しきれていないせいで、その上限分の器を満たす力を出すことができない。
そして最後、蔵之助の動きと剣速と力を予測して、ノックスは攻撃を仕掛けたが、想像以上の動きをされて腕と剣を失った。
「私は、無我夢中だったでござる。もう一度、あの動きをしろと言われても出来ないでござろう。だが、この戦いで目標をまた持てたのはよかったでござるよ。清々しい気分でござる」
蔵之助から、初めて会った時のような笑顔が戻る。そして、妥当ノックスから自らの成長という新たな目標まで出来た。
「ブッハハハ、戦いの中で何回も限界を超えるとはな。武士道精神には恐れ入る。次は、周りを気付かないながら成長しろよ。確かに、強くなったが、あのままだと周りに人がいなくなるからな」
「精神修行にはもってこいでござる。今度、一緒に滝行に行くでござるよ。そうでござるな。今回の身勝手な行動は反省するでござる」
先の見えない今回の目標は、どれだけ精神力が強い蔵之助でさえ蝕まれつつあった。しかし、次は目標が見えていることで、自分を見失うことなく突き進むことができる。
◆
ノックスと蔵之助が、死闘を繰り広げている頃、陛下とマンテ爺は転移の魔道具がある場所に向かっていた。
「文官が、見送りに来てくれると言っておったが、何故断ったのだ?」
大和ノ国を訪れた際にいた。文官が、見送ると発言したのだが、マンテ爺は間髪入れずに断りを入れた。
「ノックスの予感が正しければ、邪魔になるじゃろう。それに、無駄な命を亡くすわけにはいかんからのぅ。陛下、あの魔道具と薬は持っておるじゃろうな?」
「ノックスの予感であろう。十中八九当たるであろうな。うむ。持っておる」
同盟国である陛下を死なせるわけにはいかないと、以前アレクがラヴァーナに交渉をして、魔道具を貰っていた。そして、アレクからは緊急時ポーション薬一式をプレゼントされていたのだ。
「はじめまして。手荒な真似はしたくないので、大人しく我々に従ってはもらえないでしょうか?」
陛下とマンテ爺の前に現れたのは、黒い布で顔を隠した三人の忍者だった。そして、真ん中にいたリーダーらしき人物が話しかけてきた。
「何故、急に現れた者に従わなくてはならん。それに、余を連れていけば、王国と大和ノ国の関係は悪化し、最悪戦争が起こるが良いのか?」
陛下は、少しでも情報を収集するために、怯えるのではなく、王として毅然な態度で接する。
「戦争ですか......我々が待ち望んだ結果に近付くとだけお教えしましょう。親王から何を吹き込まれたかはわかりませんが、親王は何もわかっていません。では、長話をしにきたわけではありませんでの、そろそろついてきてはもらえませんか?」
この忍者は、何かを隠しながら親王もとい大和ノ国を恐れている様子を一切見せない。
陛下は、その言葉が虚勢なのか本当の言葉なのか判断しかねてしまい、返答が遅れる。
「すまんが、陛下の護衛として、ただ黙って連れて行かせるわけにはいかないんじゃ。抵抗させてもらうわい」
「ならば仕方ありません。影丸、あの者を殺しなさい」
真ん中にいたリーダーらしき忍者が命令を下した瞬間、マンテ爺に向かってクナイを投げた。マンテ爺は、陛下の前にいたので、影丸からすると、避けられず身を挺して守るか、クナイを跳ね返すかの二択であり、その瞬間、マンテ爺を殺そうとした。
しかし、マンテ爺は何の躊躇もなく躱して抜刀し、影丸の懐に潜り込み胴体を斬った。
「ぐはぁ、何故......避け......」
影丸は、考えてもみなかったマンテ爺の行動に反応が遅れてしまい、やられるがまま斬られて絶命した。
「何も対策を練っとらんとでも思ったのかのぅ。クナイくらいじゃと、陛下は傷つけられんぞい」
「服の中に防具を仕込んでいたのですか、ならばこれでどうですか!な、なぜ......」
忍者のリーダーは、咄嗟に肌が露出している顔と首と手を狙ってクナイを投げたが、陛下は自信満々の表情でクナイを跳ね返した。
陛下の顔や首や手へ、まともにクナイが当たったにも関わらず、跳ね返されてしまい、忍者のリーダーは目を見開いて驚くのであった。
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