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第3章 アレクを狙って
【3巻書籍化!発売中】第775話 死の病がドワーフの国を襲う!
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アレク達は、山岳地帯の拓けた場所に降りて、ワイバーンを連れながらドワーフの国の入り口に向かう。
「二人共、これをこんな感じでつけといてね。息苦しくても外しちゃだめだから」
アレクは、裁縫と服飾を得意とするドワーフにマスクを作ってもらっていた。
ラヴァーナとおやっさんは、何をするものか分からず、頭を捻りながらもアレクの言われた通りにつける。
「これは、何なのだ?」
「う~ん?なんて説明したらいいかな?簡単に言ったら目に見えない病の元になる悪魔の侵入を防ぐ物だよ。だから、安全が確認されるまで外しちゃだめだからね」
ラヴァーナとおやっさんは、見えない悪魔とそれを防いでしまうマスクというアイテムに驚いてしまう。
「見えない悪魔だと!?それを、こんな布1枚で防げるというのか?」
「うん。これだけでも十分なんだけど、俺の作った病原菌分解薬をマスクに染み込ませてるから、もしマスクを通過しても分解されて体には入らないよ」
マスク1枚で、ガスマスク並みの効果を発揮する代物を作り上げてしまった。
「坊主、入り口に誰か倒れておるぞい!」
門番をしていたであろうドワーフが、ぶっ倒れていて、アレク達は走って駆け寄った。
「二人は、絶対に触らないで。さっきの言った悪魔が手についてしまう可能性があるからね。診断」
患者:バックス
病名:緑死病
症状:高熱、悪寒、頭痛、痛みを伴うリンパ節の腫れ
感染︰媒介確率あり(危険)
余命:20日
「間違いじゃないなら、かなり危険な病気だよ。俺の故郷に類似した病気があったんだけど、感染力が凄すぎて、5000万人以上が亡くなったらしい。すぐに、治療薬を作るから二人は絶対に近付かないでね」
地球のヨーロッパで大流行した病気とそっくりであり、体には緑の斑点が出てきている。唯一違うのが死ぬまでの日数に少し余裕があるということだ。
アレクは、全知全能薬学で薬に必要な材料を調べて、薬素材創造(ex) で素材を出して、調合(ex) で瞬く間に作り出していく。
「助けにきました!この病気に効く薬です。飲めますか?目を開けてください」
アレクは、簡易的な作りではあるが、魔法鞄から防護服を取り出して着用する。
そして、ゴム手袋がないのでアルコールのような液体を手にかけて消毒をした。
声をかけると、ドワーフは薄っすらと目を開けて、アレクの声に呼応するように頷く。
アレクは、すぐさまポーション瓶を口にもっていって、ドロっとした薬を少しずつ与えていく。
「これで、大丈夫だとは思うけど......やる事が山積みだね。おやっさん、木の在庫あるかな?少し離れた場所に、大きな平屋をいくつか作ってほしい」
治療済みの患者が再感染しないように、収容場所を作ってもらおうとした。
更に、動物やノミなどから媒介している可能性もあるので、治療してからも大変だとアレクは頭を抱えたくなる。
「任せるんじゃ。余材は山程あるからのぅ」
おやっさんは、アレクから渡された防護服を着用して、倒れていたドワーフを担いで連れて行く。
「おやっさん、待って!こまめに、これで手を消毒するのと、ワイバーンも一緒に連れて行ってほしい」
アレクは、アルコールの入った瓶をおやっさんに渡す。そして、ワイバーンが感染しないように離れた場所に避難してもらう。
おやっさんは、「わかったのじゃ」と言って、アルコール瓶を魔法鞄に仕舞って、ワイバーンを連れて行く。
「アナベルも、防護服を着て俺についてきて。やってほしいのは、治療した患者をおやっさんが作った家に運んでほしい。アナベルも、消毒を欠かさずやりながら、ねずみとか動物を見たら、触らず放置しておいてね。感染する可能性があるから」
「うむ。アレクの言う通りにしよう。今日は、眠れそうにないな」
アレク達が着いたのが、夕暮れ時であり、もう暫くすると夕日が沈んで夜になる。
ラヴァーナは、治療を終える頃には朝日を眺めるだろうなと思う。
「患者のためにも早く終わらせたいけどね。幸い、街灯が付いているのが助かるよ。家の灯りも付いてるから治療しやすいし」
魔物の国のような魔力石を用いた街灯などではなく、ドワーフ独自の技術で作られた街灯が建ち並んでいる。
「大変だけど、一軒一軒治療していこう。アナベル、大変だけどよろしくね」
「妾が出来ることはなんでもしよう。好きに妾をこき使ってくれて構わぬ」
感染力の強い病気で危険ではあるが、アレクにはスキルを復活してもらった恩など色々あるのと、打算的にドワーフに恩を売りたいというラヴァーナの二つの意味で、最後まで手伝おうと思うのだった。
「二人共、これをこんな感じでつけといてね。息苦しくても外しちゃだめだから」
アレクは、裁縫と服飾を得意とするドワーフにマスクを作ってもらっていた。
ラヴァーナとおやっさんは、何をするものか分からず、頭を捻りながらもアレクの言われた通りにつける。
「これは、何なのだ?」
「う~ん?なんて説明したらいいかな?簡単に言ったら目に見えない病の元になる悪魔の侵入を防ぐ物だよ。だから、安全が確認されるまで外しちゃだめだからね」
ラヴァーナとおやっさんは、見えない悪魔とそれを防いでしまうマスクというアイテムに驚いてしまう。
「見えない悪魔だと!?それを、こんな布1枚で防げるというのか?」
「うん。これだけでも十分なんだけど、俺の作った病原菌分解薬をマスクに染み込ませてるから、もしマスクを通過しても分解されて体には入らないよ」
マスク1枚で、ガスマスク並みの効果を発揮する代物を作り上げてしまった。
「坊主、入り口に誰か倒れておるぞい!」
門番をしていたであろうドワーフが、ぶっ倒れていて、アレク達は走って駆け寄った。
「二人は、絶対に触らないで。さっきの言った悪魔が手についてしまう可能性があるからね。診断」
患者:バックス
病名:緑死病
症状:高熱、悪寒、頭痛、痛みを伴うリンパ節の腫れ
感染︰媒介確率あり(危険)
余命:20日
「間違いじゃないなら、かなり危険な病気だよ。俺の故郷に類似した病気があったんだけど、感染力が凄すぎて、5000万人以上が亡くなったらしい。すぐに、治療薬を作るから二人は絶対に近付かないでね」
地球のヨーロッパで大流行した病気とそっくりであり、体には緑の斑点が出てきている。唯一違うのが死ぬまでの日数に少し余裕があるということだ。
アレクは、全知全能薬学で薬に必要な材料を調べて、薬素材創造(ex) で素材を出して、調合(ex) で瞬く間に作り出していく。
「助けにきました!この病気に効く薬です。飲めますか?目を開けてください」
アレクは、簡易的な作りではあるが、魔法鞄から防護服を取り出して着用する。
そして、ゴム手袋がないのでアルコールのような液体を手にかけて消毒をした。
声をかけると、ドワーフは薄っすらと目を開けて、アレクの声に呼応するように頷く。
アレクは、すぐさまポーション瓶を口にもっていって、ドロっとした薬を少しずつ与えていく。
「これで、大丈夫だとは思うけど......やる事が山積みだね。おやっさん、木の在庫あるかな?少し離れた場所に、大きな平屋をいくつか作ってほしい」
治療済みの患者が再感染しないように、収容場所を作ってもらおうとした。
更に、動物やノミなどから媒介している可能性もあるので、治療してからも大変だとアレクは頭を抱えたくなる。
「任せるんじゃ。余材は山程あるからのぅ」
おやっさんは、アレクから渡された防護服を着用して、倒れていたドワーフを担いで連れて行く。
「おやっさん、待って!こまめに、これで手を消毒するのと、ワイバーンも一緒に連れて行ってほしい」
アレクは、アルコールの入った瓶をおやっさんに渡す。そして、ワイバーンが感染しないように離れた場所に避難してもらう。
おやっさんは、「わかったのじゃ」と言って、アルコール瓶を魔法鞄に仕舞って、ワイバーンを連れて行く。
「アナベルも、防護服を着て俺についてきて。やってほしいのは、治療した患者をおやっさんが作った家に運んでほしい。アナベルも、消毒を欠かさずやりながら、ねずみとか動物を見たら、触らず放置しておいてね。感染する可能性があるから」
「うむ。アレクの言う通りにしよう。今日は、眠れそうにないな」
アレク達が着いたのが、夕暮れ時であり、もう暫くすると夕日が沈んで夜になる。
ラヴァーナは、治療を終える頃には朝日を眺めるだろうなと思う。
「患者のためにも早く終わらせたいけどね。幸い、街灯が付いているのが助かるよ。家の灯りも付いてるから治療しやすいし」
魔物の国のような魔力石を用いた街灯などではなく、ドワーフ独自の技術で作られた街灯が建ち並んでいる。
「大変だけど、一軒一軒治療していこう。アナベル、大変だけどよろしくね」
「妾が出来ることはなんでもしよう。好きに妾をこき使ってくれて構わぬ」
感染力の強い病気で危険ではあるが、アレクにはスキルを復活してもらった恩など色々あるのと、打算的にドワーフに恩を売りたいというラヴァーナの二つの意味で、最後まで手伝おうと思うのだった。
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