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第3章 アレクを狙って
第756話 まともな子爵と我が子可愛さにおかしくなる二人!
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応接室に案内されて、パスクと向かい合うようにアンデクス男爵とヴァロワ子爵が座る。デストロイは、パスクの後ろに護衛のような形で立つ。
「ハシモト伯爵、どういったことがあったのか詳しく教えて頂いてもよろしいですか?」
パスクとヴァロワ子爵が、挨拶を交わすとすぐにヴァロワ子爵は、今回の経緯について尋ねてくる。
「王都のスラム街の住人を陛下の許可を得て、魔物の街に移住する最中だったのですが、そちらのご子息二人と騎士二人が現れまして、殺し回ると発言して襲ってきました。更に、今回だけではなく二度目とのことらしいですね。お二人は、知っておりましたか?」
パスクは、丁重な姿勢は崩さず簡潔にスラム街であった出来事を話す。
しかし、丁重に話をしている中にも、男爵と子爵とは入れるそちらのご子息と敬意を示していないように取れる言葉も混ぜる。
「本当に私の息子が......あの、大変申し訳ございませんが、キィルに話を聞く時間を頂けないでしょうか?最大限のおもてなしをさせて頂くので、明日の朝一番に再度お話をさせて頂きたいです。混乱しておりまして」
ヴァロワ子爵は、煩悶した表情を浮かべながら、まだ現実を受け止められない様子だ。
「混乱するのも無理はないでしょう。こちらとしては、早急に話をまとめて帰りたいですが、気持ちの整理や男爵と子爵で話し合いもあるでしょう。それから、ご子息二人共、スラムの住人を殺害しておりますので、奴隷落ちは免れないでしょう」
パスクは、最後に以前キィルとサウスが行った罪の話をした。そうでなくとも、辺境伯の家臣が襲われた事実はかわらないので、どのみち刑は免れない。
「そうですか......申し訳ございませんが、息子と二人で話す時間を頂いてきます。ごゆっくりお寛ぎください」
ヴァロワ子爵は、フラフラしながら部屋を出て行くと、それを支えるようにアンデクス男爵もあとを追っていく。
「ふぅ~、このままうまく行けばいいのですが、子供のために罪を犯す可能性やヴァロワ子爵とアンデクス男爵が裏で繋がっている可能性を考える必要がありそうですね」
「あの様子を見る限り、悪いやつには見えねぇが、用心は必要だろうな」
パスクとデストロイは、素直に認めて、子供が罪を償うよう説得してほしいと願う。
◆
「ヴァロワ子爵様、このままでは息子が死罪になる可能性もございます。どうにかする方法はございませんか?」
ヴァロワ子爵とアンデクス男爵は、部屋の一室で今後の話し合いをしていた。
「陛下も絡んでいるとなると受け入れるしかないだろう。息子を助けたいのは私も同じだが、あの様子であれば証拠もあるはず。それに、タカハシ辺境伯と事を構えたくない」
あらゆる粛清にアレクが関わっていることや陛下が、アレクを優遇しているという噂まである以上、ヴァロワ子爵は家を守るために息子を切り捨てようと考える。
「しかし、成人したばかりの息子に......ヴァロワ子爵、あの二人を殺してしまうのはどうでしょうか?全てを隠蔽してしまいましょう」
アンデクス男爵は、一番犯してはいけないことを提案してしまう。
「私は、賛成しかねる。殺したいのであれば君が勝手にすればいい!私は、キィルを切り捨て、この家を守る。君も、貴族派の多くが粛清にあったのは見ただろう?」
「そ、それは......わかりました。私も、サウスを切り捨てます。しかし、いやなんでもございません。ヴァロワ子爵様には、申し訳ございませんが、あの方たちの対応をお願い出来ませんか?今の私では、どうなってしまうか」
アンデクス男爵は、諦める素振りを見せながら何かあるような含みのある言葉を言いかける。
「絶対に変な気は起こすなよ!わかった。私が対応しよう。今日は、この部屋でゆっくりしなさい。私も、キィルと妻と話したあと休ませてもらう。今は、まともな思考にならない」
「は、はい。わかりました」
ヴァロワ子爵が部屋を出ると、アンデクス男爵は憎悪に満ちた顔をしていた。
「あなた!今の言葉は本当ですの?キィルが人を殺めるなどあり得ませんわ!断固としてキィルを守るべきですわ」
ヴァロワ子爵の妻に何があったのかを話すと、受け入れられない様子でヒステリックを起こす。
「相手は伯爵であり、辺境伯の家臣でもある。それに、伯爵を襲っている事実に変わりはない。どう守ると言うんだ」
「そ、それは......そうですわ。あの二人を殺すのはどうですの?この事実がなかったことにしてしまいましょう?」
ヴァロワ子爵は、妻もアンデクス男爵と同じようなことを言っているので、頭が痛くなってしまう。
「そんなことをしてみろ。俺達は、破滅に向かう。タカハシ辺境伯は、貴族派のほとんどを粛清した方なんだ。今回は、受け入れてキィルに然るべき罪を償わせるんだ」
「な、なんでキィルがこんな目に遭わないといけないのですの。おかしいですわ......」
ヴァロワ子爵が頑張って説得をするものの、妻には届いていない様子で、その場で泣き崩れるのだった。
「ハシモト伯爵、どういったことがあったのか詳しく教えて頂いてもよろしいですか?」
パスクとヴァロワ子爵が、挨拶を交わすとすぐにヴァロワ子爵は、今回の経緯について尋ねてくる。
「王都のスラム街の住人を陛下の許可を得て、魔物の街に移住する最中だったのですが、そちらのご子息二人と騎士二人が現れまして、殺し回ると発言して襲ってきました。更に、今回だけではなく二度目とのことらしいですね。お二人は、知っておりましたか?」
パスクは、丁重な姿勢は崩さず簡潔にスラム街であった出来事を話す。
しかし、丁重に話をしている中にも、男爵と子爵とは入れるそちらのご子息と敬意を示していないように取れる言葉も混ぜる。
「本当に私の息子が......あの、大変申し訳ございませんが、キィルに話を聞く時間を頂けないでしょうか?最大限のおもてなしをさせて頂くので、明日の朝一番に再度お話をさせて頂きたいです。混乱しておりまして」
ヴァロワ子爵は、煩悶した表情を浮かべながら、まだ現実を受け止められない様子だ。
「混乱するのも無理はないでしょう。こちらとしては、早急に話をまとめて帰りたいですが、気持ちの整理や男爵と子爵で話し合いもあるでしょう。それから、ご子息二人共、スラムの住人を殺害しておりますので、奴隷落ちは免れないでしょう」
パスクは、最後に以前キィルとサウスが行った罪の話をした。そうでなくとも、辺境伯の家臣が襲われた事実はかわらないので、どのみち刑は免れない。
「そうですか......申し訳ございませんが、息子と二人で話す時間を頂いてきます。ごゆっくりお寛ぎください」
ヴァロワ子爵は、フラフラしながら部屋を出て行くと、それを支えるようにアンデクス男爵もあとを追っていく。
「ふぅ~、このままうまく行けばいいのですが、子供のために罪を犯す可能性やヴァロワ子爵とアンデクス男爵が裏で繋がっている可能性を考える必要がありそうですね」
「あの様子を見る限り、悪いやつには見えねぇが、用心は必要だろうな」
パスクとデストロイは、素直に認めて、子供が罪を償うよう説得してほしいと願う。
◆
「ヴァロワ子爵様、このままでは息子が死罪になる可能性もございます。どうにかする方法はございませんか?」
ヴァロワ子爵とアンデクス男爵は、部屋の一室で今後の話し合いをしていた。
「陛下も絡んでいるとなると受け入れるしかないだろう。息子を助けたいのは私も同じだが、あの様子であれば証拠もあるはず。それに、タカハシ辺境伯と事を構えたくない」
あらゆる粛清にアレクが関わっていることや陛下が、アレクを優遇しているという噂まである以上、ヴァロワ子爵は家を守るために息子を切り捨てようと考える。
「しかし、成人したばかりの息子に......ヴァロワ子爵、あの二人を殺してしまうのはどうでしょうか?全てを隠蔽してしまいましょう」
アンデクス男爵は、一番犯してはいけないことを提案してしまう。
「私は、賛成しかねる。殺したいのであれば君が勝手にすればいい!私は、キィルを切り捨て、この家を守る。君も、貴族派の多くが粛清にあったのは見ただろう?」
「そ、それは......わかりました。私も、サウスを切り捨てます。しかし、いやなんでもございません。ヴァロワ子爵様には、申し訳ございませんが、あの方たちの対応をお願い出来ませんか?今の私では、どうなってしまうか」
アンデクス男爵は、諦める素振りを見せながら何かあるような含みのある言葉を言いかける。
「絶対に変な気は起こすなよ!わかった。私が対応しよう。今日は、この部屋でゆっくりしなさい。私も、キィルと妻と話したあと休ませてもらう。今は、まともな思考にならない」
「は、はい。わかりました」
ヴァロワ子爵が部屋を出ると、アンデクス男爵は憎悪に満ちた顔をしていた。
「あなた!今の言葉は本当ですの?キィルが人を殺めるなどあり得ませんわ!断固としてキィルを守るべきですわ」
ヴァロワ子爵の妻に何があったのかを話すと、受け入れられない様子でヒステリックを起こす。
「相手は伯爵であり、辺境伯の家臣でもある。それに、伯爵を襲っている事実に変わりはない。どう守ると言うんだ」
「そ、それは......そうですわ。あの二人を殺すのはどうですの?この事実がなかったことにしてしまいましょう?」
ヴァロワ子爵は、妻もアンデクス男爵と同じようなことを言っているので、頭が痛くなってしまう。
「そんなことをしてみろ。俺達は、破滅に向かう。タカハシ辺境伯は、貴族派のほとんどを粛清した方なんだ。今回は、受け入れてキィルに然るべき罪を償わせるんだ」
「な、なんでキィルがこんな目に遭わないといけないのですの。おかしいですわ......」
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