641 / 763
第3章 アレクを狙って
第752話 創造神とルシファーと潜む影!
しおりを挟む
アレク達が、会談をしている頃、神界ではルシファーの尋問が始まっていた。
「久しぶりじゃ。随分好き勝手してくれたのぅ」
「我を捕まえるのに、随分時間がかかったようだな。だが、自らは動かず使徒に任せる。創造神とは名ばかりで何も出来ぬ老いぼれであるな」
創造神が、ルシファーの魂を実体化させて会話出来るようにした。
そして、ルシファーの力を全て奪い何も無い空間で椅子に座らせる。
「ホッホッホッホ、口だけは達者のようじゃな。ワシを怒らせようという魂胆は丸わかりじゃ。お主に聞きたいのは、誰が裏で糸を引いておるかじゃ。答える気はあるかのぅ?」
ルシファーの魂胆は、昔からの付き合いでよくわかっているので、相手の思惑に乗るようなことはしない。
そして、地獄の力に近い力を手に入れた経緯を尋ねる。
「内心腸が煮えくり返っておろう?それから、裏に誰がいるのかわからず恐ろしいであろうな。我が死んだところで、下界には無数に潜んでおる。我のように生半可な力ではないぞ。フッハハハハハ」
ルシファーは、捕まっているにも関わらず、一切恐れる様子はなく、創造神の質問に対して、はぐらかすようなヒントを与えるような曖昧な言い方をする。
「逆に、歓喜しておるわい。お主を捕らえられたのだからのぅ。どうやら、手荒な真似が必要のようじゃな」
創造神は、ルシファーの霊体に近付いて頭に手をかざして神力を流す。
すると、ルシファーは聞いたことのないような叫び声を上げる。
「グギャァァァ、やめろ!今すぐやめろ!ギャァァァ!コロスコロスコロス。グギャァァァ」
「どうじゃ?手引しておるやつの話をする気になったかのぅ?」
神力の攻撃が止むとルシファーは、ガクッと首と肩を落として静かになる。
「......」
「なんじゃ。もう気絶しよったのか?」
神界の時間は緩やかなので、まだまだゆっくり尋問を続けようと思った創造神は、背を向けて下の場所に戻ろうと歩きだす。
その時、ルシファーが口角を上げてニヤリと笑う。
「この時を待っていたぞ!体をよこせ」
創造神が、背を向けた瞬間、ルシファーは一直線に創造神に向かって飛んでいき、体を支配しようとした。
「グググッ、おのれ、霊体になってもまだ......」
「フッハハハハハ、なんと素晴らしい体なのだ。神力によって霊体が吹き飛ぶかもとは思ったが、見事に融合しておる。それに、この溢れ出る力......ぐはぁ、なんだと」
創造神の体の中に入ったルシファーは、今までに感じたことのない超越した力と肉体の素晴らしさに感動を覚えていた。
だが、感動に酔い痴れている最中、ルシファーは頭を抱えてダメージを受ける。
「なんじゃ?それがワシの本体だと思ったのかのぅ。ワシには、そもそも肉体など存在せんわい。そろそろじゃな。苦しみを味わうがよい」
「ぐ、ぐ、クソ、耄碌ジジイがぁぁぁぁぁ」
ルシファーは、捨て台詞を吐いたあと、創造神の体と思っていたものと一緒に爆散する。
「ホッホッホッ、お主がどう足掻いたところでワシを支配することはできん。最後くらい良い行いをして死ぬがよい。吐く気になったかのぅ」
「ハァハァハァハァ、我がここまでコケにされるとはな。だが、何をされようと我は何も話さん。殺すなり幽閉するなり好きにすればよい」
創造神は、最後の機会を与えるが、ルシファーは断固として話そうとはしない。
「そうか......悲しいのぅ。一度は、お主を信じ、神として導く存在で居続けると思ったのじゃが、仕方ない。永遠の眠りにつくがよい」
創造神は、これ以上何も話さないと判断したのと、ルシファーの後ろに誰がいるかわからない以上、復活させられても困るので魂ごと消し去ろうと考えた。
そして、ルシファーは最後に言葉すら発することなく、何も無い空間で塵となった。
「これは厄介じゃな。背後に誰がいるかもわからん。更には、地獄の力に似た力を与えることが出来る存在じゃ。ヴァンドームの言う通り、いつかワシが動かなくてはならんかもしれんのぅ」
創造神は、虚無の空間から出て、いつもの湖とコテージがある場所に戻ってきた。
「創造神様......」
創造神を待っていたのは、両羽が生えた精霊神だった。
「元気そうで何よりじゃ。それより、神力の具合はどうじゃ?違和感はないかのぅ」
「はい!違和感どころか以前よりも神力の通りが良くなりました。これで、神界も維持出来そうです。本当に、ありがとうございます」
羽を取り戻したことにより、神として舞い戻り住処の維持と他の神から馬鹿にされることはなくなったことで、精霊神は笑顔を取り戻す。
「良好良好。礼なら、アレク達とヴァンドームに言うがよい。そうじゃった。これを渡しておかなくてはのぅ。ここに、落ちとったぞい。次からは、落とさんように気をつけるんじゃ」
創造神は、王都を救うために使った神具を回収していた。
そして、神具を使った理由や精霊神が干渉したことも知っていたのだが、知らないといった素振りを見せながら精霊神に返した。
「え、え!?」
精霊神も、回収しようとしていたのだが、見つけることが出来ず困っていた。それが、創造神の手にあり、全てお見通しだったことを理解する。
「なんじゃ?早く受け取らんかい。ワシとお主で、ホロウの魂を浄化し復活させねばならんじゃろ?早く行くぞい」
「は、はい」
ここで初めて精霊神は、創造神から慈悲を与えられたことに気付く。
精霊神は、創造神の意図を汲み取って、黙ったままあとを付いて行くのだった。
「久しぶりじゃ。随分好き勝手してくれたのぅ」
「我を捕まえるのに、随分時間がかかったようだな。だが、自らは動かず使徒に任せる。創造神とは名ばかりで何も出来ぬ老いぼれであるな」
創造神が、ルシファーの魂を実体化させて会話出来るようにした。
そして、ルシファーの力を全て奪い何も無い空間で椅子に座らせる。
「ホッホッホッホ、口だけは達者のようじゃな。ワシを怒らせようという魂胆は丸わかりじゃ。お主に聞きたいのは、誰が裏で糸を引いておるかじゃ。答える気はあるかのぅ?」
ルシファーの魂胆は、昔からの付き合いでよくわかっているので、相手の思惑に乗るようなことはしない。
そして、地獄の力に近い力を手に入れた経緯を尋ねる。
「内心腸が煮えくり返っておろう?それから、裏に誰がいるのかわからず恐ろしいであろうな。我が死んだところで、下界には無数に潜んでおる。我のように生半可な力ではないぞ。フッハハハハハ」
ルシファーは、捕まっているにも関わらず、一切恐れる様子はなく、創造神の質問に対して、はぐらかすようなヒントを与えるような曖昧な言い方をする。
「逆に、歓喜しておるわい。お主を捕らえられたのだからのぅ。どうやら、手荒な真似が必要のようじゃな」
創造神は、ルシファーの霊体に近付いて頭に手をかざして神力を流す。
すると、ルシファーは聞いたことのないような叫び声を上げる。
「グギャァァァ、やめろ!今すぐやめろ!ギャァァァ!コロスコロスコロス。グギャァァァ」
「どうじゃ?手引しておるやつの話をする気になったかのぅ?」
神力の攻撃が止むとルシファーは、ガクッと首と肩を落として静かになる。
「......」
「なんじゃ。もう気絶しよったのか?」
神界の時間は緩やかなので、まだまだゆっくり尋問を続けようと思った創造神は、背を向けて下の場所に戻ろうと歩きだす。
その時、ルシファーが口角を上げてニヤリと笑う。
「この時を待っていたぞ!体をよこせ」
創造神が、背を向けた瞬間、ルシファーは一直線に創造神に向かって飛んでいき、体を支配しようとした。
「グググッ、おのれ、霊体になってもまだ......」
「フッハハハハハ、なんと素晴らしい体なのだ。神力によって霊体が吹き飛ぶかもとは思ったが、見事に融合しておる。それに、この溢れ出る力......ぐはぁ、なんだと」
創造神の体の中に入ったルシファーは、今までに感じたことのない超越した力と肉体の素晴らしさに感動を覚えていた。
だが、感動に酔い痴れている最中、ルシファーは頭を抱えてダメージを受ける。
「なんじゃ?それがワシの本体だと思ったのかのぅ。ワシには、そもそも肉体など存在せんわい。そろそろじゃな。苦しみを味わうがよい」
「ぐ、ぐ、クソ、耄碌ジジイがぁぁぁぁぁ」
ルシファーは、捨て台詞を吐いたあと、創造神の体と思っていたものと一緒に爆散する。
「ホッホッホッ、お主がどう足掻いたところでワシを支配することはできん。最後くらい良い行いをして死ぬがよい。吐く気になったかのぅ」
「ハァハァハァハァ、我がここまでコケにされるとはな。だが、何をされようと我は何も話さん。殺すなり幽閉するなり好きにすればよい」
創造神は、最後の機会を与えるが、ルシファーは断固として話そうとはしない。
「そうか......悲しいのぅ。一度は、お主を信じ、神として導く存在で居続けると思ったのじゃが、仕方ない。永遠の眠りにつくがよい」
創造神は、これ以上何も話さないと判断したのと、ルシファーの後ろに誰がいるかわからない以上、復活させられても困るので魂ごと消し去ろうと考えた。
そして、ルシファーは最後に言葉すら発することなく、何も無い空間で塵となった。
「これは厄介じゃな。背後に誰がいるかもわからん。更には、地獄の力に似た力を与えることが出来る存在じゃ。ヴァンドームの言う通り、いつかワシが動かなくてはならんかもしれんのぅ」
創造神は、虚無の空間から出て、いつもの湖とコテージがある場所に戻ってきた。
「創造神様......」
創造神を待っていたのは、両羽が生えた精霊神だった。
「元気そうで何よりじゃ。それより、神力の具合はどうじゃ?違和感はないかのぅ」
「はい!違和感どころか以前よりも神力の通りが良くなりました。これで、神界も維持出来そうです。本当に、ありがとうございます」
羽を取り戻したことにより、神として舞い戻り住処の維持と他の神から馬鹿にされることはなくなったことで、精霊神は笑顔を取り戻す。
「良好良好。礼なら、アレク達とヴァンドームに言うがよい。そうじゃった。これを渡しておかなくてはのぅ。ここに、落ちとったぞい。次からは、落とさんように気をつけるんじゃ」
創造神は、王都を救うために使った神具を回収していた。
そして、神具を使った理由や精霊神が干渉したことも知っていたのだが、知らないといった素振りを見せながら精霊神に返した。
「え、え!?」
精霊神も、回収しようとしていたのだが、見つけることが出来ず困っていた。それが、創造神の手にあり、全てお見通しだったことを理解する。
「なんじゃ?早く受け取らんかい。ワシとお主で、ホロウの魂を浄化し復活させねばならんじゃろ?早く行くぞい」
「は、はい」
ここで初めて精霊神は、創造神から慈悲を与えられたことに気付く。
精霊神は、創造神の意図を汲み取って、黙ったままあとを付いて行くのだった。
208
お気に入りに追加
6,141
あなたにおすすめの小説
妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。
しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹
そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる
もう限界がきた私はあることを決心するのだった
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
異世界人生を楽しみたい そのためにも赤ん坊から努力する
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は朝霧 雷斗(アサギリ ライト)
前世の記憶を持ったまま僕は別の世界に転生した
生まれてからすぐに両親の持っていた本を読み魔法があることを学ぶ
魔力は筋力と同じ、訓練をすれば上達する
ということで努力していくことにしました
異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。
お小遣い月3万
ファンタジー
異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。
夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。
妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。
勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。
ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。
夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。
夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。
その子を大切に育てる。
女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。
2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。
だけど子どもはどんどんと強くなって行く。
大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。
スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~
白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」
マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。
そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。
だが、この世には例外というものがある。
ストロング家の次女であるアールマティだ。
実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。
そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】
戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。
「仰せのままに」
父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。
「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」
脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。
アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃
ストロング領は大飢饉となっていた。
農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。
主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。
短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。