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第3章 アレクを狙って
第721話 地獄の力を解放したレオ!守る力を手に入れる。
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レオは、部屋の真ん中に座らされる。地獄の力の解放儀式を執り行うようだ。
「この薬を飲め。あ~、毒薬じゃないぞ。アレクに頼んで作ってもらった薬だから安心しろ。本当は、弟子に飲ませる予定だったが、緊急だし仕方ない」
起死回生薬を渡されたヴァンドームは、このような現実離れした薬が作れるなら、もしかすると弟子の悩みを解決する薬を作れるのではと相談して作ってもらった。
「大事な薬ですよね?本当に、お弟子さんのを飲んでよろしいのですか?」
レオは、普通なら聞くであろう薬の詳細を聞かない。それは、アレクのことを信用しているのもあるが、力を解放するのに使う物だろうと推測できるからだ。
「アレクなら、また頼めば作ってくれるだろうしな。だが、お前の力が解放しなければ叶わない。だから、さっさと飲め」
「わかりました。あ、あれ?何も起こりません」
レオは、慌てるように、ポーション瓶に入った液体を飲み干す。
しかし、体全体を見渡して両手を握って開いたりもしてみるが、一切違和感も変化もない。
「地獄の力を活性化させやすくするだけだからな。アレクいわく、副作用の代わりに、スキルと魔力がなくなると言ってたな。まぁ、スキルも魔法も必要ないし、問題ないだろう。早速始めるから背中をこっちに向けろ」
薬の説明には書いていなかったので、詳しいことはわからないが、もしかすると地獄の力と魔法とスキルは相容れない存在なのかもしれない。
そして、魔法とスキルがなくなったことを聞いたレオだが、一切慌てることはない。むしろ、陛下が何やら騒いでいるが、レイリシアの一喝によって、またシュンてなっている。
「ヴァンドーム様、魔法とスキルがなくなったというのに未練も恐怖もありません。不思議です」
「地獄に住む者は、皆スキルも魔法も奪われるからな。今まで、前世の行いの罰だと思っていたが、もしかすると地獄の力を手に入れるために無くなるのかもな。じゃあ、時間がないから始めるぞ」
ヴァンドームは、新たな発見かもしれないと思うと、自然に笑みが溢れた。
そして、ヴァンドームはレオの背中に両手の手のひらを当てる。次の瞬間、レオが苦悶の表現を浮かべて苦しみだす。
「余の息子に何をしておるのだ!?」
陛下は、我慢の限界に達して、レオとヴァンドームの下にやってきて怒号を上げる。
「王様、静かにしてくれ。レオの表情を見ろ!今俺の地獄の力に反応して、必死に呼び覚ましてるとこだ。集中を妨げるな!下手したら死ぬぞ」
魔力を呼び覚ますのと同じように、ヴァンドームはレオに地獄の力を流して、感覚を掴ませようとしている。
しかし、急に活性化した地獄の力が、レオの体で暴れ回り、それを適応させるために苦悶の表情を浮かべているのだ。
「レオ、ゆっくりでいい!深呼吸しながら、全身に巡っているのをイメージしながら整えていけ......凄いな。人間が、ここまで早く順応するとは。グッ、俺の力まで吸い取るのか」
ヴァンドームは、適応し始めたのを確認して手を離そうとしたが、一気に地獄の力を吸い取られた。予想だにしていなかったことなので、流石のヴァンドームも驚いてしまう。
「こりゃ、一筋縄じゃいかないな。どこまで、吸収するか楽しみだ。レオ、そろそろ溢れた力を心臓に貯める感覚で集めてみろ」
レオは、言われた通りに心臓に地獄の力を集めていく。その集中力は、スキルでは絶対に身に付くことのない先天的なものだろう。
そして、暫く経つと体全体が真っ黒な丸い球体に包まれたと思ったと同時に、全ての地獄の力がレオに吸収される。
「よく頑張ったな!今すぐにでも、第3階位に圧勝できるだろう。どうだ?地獄の力を手に入れた感想は?」
「どんどん力が溢れてくる気がします。今ならなんでもできそうです」
今までに感じたことのない止めどなく溢れる力に呼応するように、自信まで漲ってくる。
「よし!今俺が張ってる結界を真似て張ることはできるな?」
「はい!ヴァンドーム様の力も、流れていますので、すぐに真似できそうです」
レオは、ヴァンドームと同じ結界を城全体を覆うように展開する。
「完璧だな。俺は、あいつらを倒してくるから、その間結界を張り続けろ。もし、地獄の力が底をつきそうなら、これをすぐ飲め」
ヴァンドームが渡した物は、アレク特製の地獄の力を回復させるポーションだ。
ヴァンドームも、先程のレオに吸収されたので、回復ポーションを一気に飲み干す。
「はい!わかりました。みんなを守ってみせます!」
レオは、今までに見せたことのない笑顔で答える。それ程までに、今まで力のない自分に負い目を感じていたのだろう。
「ヴァンドーム様、全てが終わりましたら、何故息子に地獄の力があるのか、教えてもらえませんでしょうか?」
項垂れている陛下を他所に、レイリシアは人間であり、尚且つ王族であるレオに地獄との繋がりがあるのを知りたかった。
「はっきりしたことはわからないが、予想でいいなら聞かせてやる。その前に、サクッと終わらしてくる」
ヴァンドームは、そう言い残してパスク達の加勢に向かうのだった。
「この薬を飲め。あ~、毒薬じゃないぞ。アレクに頼んで作ってもらった薬だから安心しろ。本当は、弟子に飲ませる予定だったが、緊急だし仕方ない」
起死回生薬を渡されたヴァンドームは、このような現実離れした薬が作れるなら、もしかすると弟子の悩みを解決する薬を作れるのではと相談して作ってもらった。
「大事な薬ですよね?本当に、お弟子さんのを飲んでよろしいのですか?」
レオは、普通なら聞くであろう薬の詳細を聞かない。それは、アレクのことを信用しているのもあるが、力を解放するのに使う物だろうと推測できるからだ。
「アレクなら、また頼めば作ってくれるだろうしな。だが、お前の力が解放しなければ叶わない。だから、さっさと飲め」
「わかりました。あ、あれ?何も起こりません」
レオは、慌てるように、ポーション瓶に入った液体を飲み干す。
しかし、体全体を見渡して両手を握って開いたりもしてみるが、一切違和感も変化もない。
「地獄の力を活性化させやすくするだけだからな。アレクいわく、副作用の代わりに、スキルと魔力がなくなると言ってたな。まぁ、スキルも魔法も必要ないし、問題ないだろう。早速始めるから背中をこっちに向けろ」
薬の説明には書いていなかったので、詳しいことはわからないが、もしかすると地獄の力と魔法とスキルは相容れない存在なのかもしれない。
そして、魔法とスキルがなくなったことを聞いたレオだが、一切慌てることはない。むしろ、陛下が何やら騒いでいるが、レイリシアの一喝によって、またシュンてなっている。
「ヴァンドーム様、魔法とスキルがなくなったというのに未練も恐怖もありません。不思議です」
「地獄に住む者は、皆スキルも魔法も奪われるからな。今まで、前世の行いの罰だと思っていたが、もしかすると地獄の力を手に入れるために無くなるのかもな。じゃあ、時間がないから始めるぞ」
ヴァンドームは、新たな発見かもしれないと思うと、自然に笑みが溢れた。
そして、ヴァンドームはレオの背中に両手の手のひらを当てる。次の瞬間、レオが苦悶の表現を浮かべて苦しみだす。
「余の息子に何をしておるのだ!?」
陛下は、我慢の限界に達して、レオとヴァンドームの下にやってきて怒号を上げる。
「王様、静かにしてくれ。レオの表情を見ろ!今俺の地獄の力に反応して、必死に呼び覚ましてるとこだ。集中を妨げるな!下手したら死ぬぞ」
魔力を呼び覚ますのと同じように、ヴァンドームはレオに地獄の力を流して、感覚を掴ませようとしている。
しかし、急に活性化した地獄の力が、レオの体で暴れ回り、それを適応させるために苦悶の表情を浮かべているのだ。
「レオ、ゆっくりでいい!深呼吸しながら、全身に巡っているのをイメージしながら整えていけ......凄いな。人間が、ここまで早く順応するとは。グッ、俺の力まで吸い取るのか」
ヴァンドームは、適応し始めたのを確認して手を離そうとしたが、一気に地獄の力を吸い取られた。予想だにしていなかったことなので、流石のヴァンドームも驚いてしまう。
「こりゃ、一筋縄じゃいかないな。どこまで、吸収するか楽しみだ。レオ、そろそろ溢れた力を心臓に貯める感覚で集めてみろ」
レオは、言われた通りに心臓に地獄の力を集めていく。その集中力は、スキルでは絶対に身に付くことのない先天的なものだろう。
そして、暫く経つと体全体が真っ黒な丸い球体に包まれたと思ったと同時に、全ての地獄の力がレオに吸収される。
「よく頑張ったな!今すぐにでも、第3階位に圧勝できるだろう。どうだ?地獄の力を手に入れた感想は?」
「どんどん力が溢れてくる気がします。今ならなんでもできそうです」
今までに感じたことのない止めどなく溢れる力に呼応するように、自信まで漲ってくる。
「よし!今俺が張ってる結界を真似て張ることはできるな?」
「はい!ヴァンドーム様の力も、流れていますので、すぐに真似できそうです」
レオは、ヴァンドームと同じ結界を城全体を覆うように展開する。
「完璧だな。俺は、あいつらを倒してくるから、その間結界を張り続けろ。もし、地獄の力が底をつきそうなら、これをすぐ飲め」
ヴァンドームが渡した物は、アレク特製の地獄の力を回復させるポーションだ。
ヴァンドームも、先程のレオに吸収されたので、回復ポーションを一気に飲み干す。
「はい!わかりました。みんなを守ってみせます!」
レオは、今までに見せたことのない笑顔で答える。それ程までに、今まで力のない自分に負い目を感じていたのだろう。
「ヴァンドーム様、全てが終わりましたら、何故息子に地獄の力があるのか、教えてもらえませんでしょうか?」
項垂れている陛下を他所に、レイリシアは人間であり、尚且つ王族であるレオに地獄との繋がりがあるのを知りたかった。
「はっきりしたことはわからないが、予想でいいなら聞かせてやる。その前に、サクッと終わらしてくる」
ヴァンドームは、そう言い残してパスク達の加勢に向かうのだった。
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