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第3章 アレクを狙って
第717話 家族に打ち明けたルシファーと歪んだ家族!
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三人が片膝を突き、ルシファーの座る玉座を見上げていた。全員が仮面を着用しているので誰なのかはわからない。
「よくぞ集まってくれた。我は、完全に力を取り戻した。全てNo.10のお陰である。No.3の復活と爺と暗黒騎士の融合にも貢献した。感謝する」
NO.10の研究がなければ、ホムンクルスもNO.3の肉体再生も叶わなかったからだ。更に、爺と暗黒騎士を融合させて一人の人物に生まれ変わらせたらしい。
「な、何を言います。頭をお上げください。私は、戦闘は出来ませんので、私がお力になれることをしたまででございます」
No.10は、頭を床につける勢いで謙りながら話す。その瞬間、ルシファーは立ち上がる。
「謙遜も行き過ぎると傲慢になる。我達は、家族である。自らが成し得た時は誇ればいいのだ。そして、その者を褒める。それが、家族というものであろう?No.10、よくやった」
ルシファーは、No.10に近付いて抱きしめる。No.10は、驚いた顔をしたあと感激のあまりに涙を流してしまう。
それを見ていたNO.3と爺と暗黒騎士との融合体も「フッ」と口角を上げて笑みを溢す。
「これから、我らの家族を亡き者にしたやつらを殺しに行く。その前に、我の秘密を話そうと思うが、聞いてくれるか?」
ルシファーが、最後の決戦になるだろうと思い、その前に家族である三人に全てを打ち明けようとする。
三人は、無駄な言葉を発することなく、生唾を飲み込んだあと「聞かせてください」と言った。
「我は、元々神であった。だが、我はあの善が全てだという教えに嫌気が差していたのだ。そして、長い年月が経ち耐えられなくなった我は一人の神を殺めた。その結果、罪人ならぬ罪神となり追われ、なんとか下界に逃げたというわけである」
ルシファーは、端折った箇所はあるものの、概ねの経緯を三人に話した。
「ゼロ様が、元神!?不敬であることは重々承知していますが、何故このタイミングで話されたのですか?」
ルシファーのことを父のように思っているNO.3は、一緒にいるにつれてどんどん変わっていくなと感じていた。
そして、今回のわざわざ話さなくてもいいような過去を自ら話したことの意味がわからないでいる。
「家族......昔は、このような感情が芽生えたことはなかったが、皆と過ごすうちに大切な存在と気付かされたのだ。その者達に、隠し事など不要である。そして、我の本当の名は、ルシファーだ」
ルシファーは、恥ずかしげもなく今思っている感情を言葉に乗せて伝える。そして、とうとう本当の名前まで打ち明けた。
「家族だと思って貰えて嬉しい限りです。本来なら、私はこの年まで生きられなかった。ルシファー様や家族のみんながいたからこそです。ありがとうございます」
No.3は、ノックスと戦った時から年月が経ち推定16歳になっていた。まだ垢抜けなさはあるものの、もう立派な大人になっている。
「私も、この力のお陰で、疲れを感じることなく研究に勤しむことが出来ました。そして、家族がいたからこそ目標に向かって邁進することができたのです。ありがとうございます」
NO.10も、NO.3と同じようにルシファーや他の者達に感謝していた。
悪に落ちたからと言って絆が生まれないわけはない。こうやって、普通の絆ではないが、芽生えた。
「ワシは、生が尽きる時じゃったな。あの時に、この力がなければ、こんな楽しいやつらと過ごせはおらんかった。それに、暗黒騎士も言っておる。人生で一番楽しいとな。本当に、ありがとうのぅ」
爺と暗黒騎士が融合したが、どうやら暗黒騎士は爺に大半を譲ったようだ。
そして、ルシファーが本音を語ったことで、三人共、思っていたことを素直に話すことができた。
「晴れて我らは家族となり、家族を殺した者を根絶やしに向かうのだ。皆の者、仮面をとれ!もう隠す必要はないのである。我らを世界に知らしめるのだ」
ルシファーが、仮面を外すと、三人も仮面を外す。そして、NO.3を皮切りに「ルシファー様、万歳!ルシファー様、万歳」と玉座の間に響き渡るのだった。
「よくぞ集まってくれた。我は、完全に力を取り戻した。全てNo.10のお陰である。No.3の復活と爺と暗黒騎士の融合にも貢献した。感謝する」
NO.10の研究がなければ、ホムンクルスもNO.3の肉体再生も叶わなかったからだ。更に、爺と暗黒騎士を融合させて一人の人物に生まれ変わらせたらしい。
「な、何を言います。頭をお上げください。私は、戦闘は出来ませんので、私がお力になれることをしたまででございます」
No.10は、頭を床につける勢いで謙りながら話す。その瞬間、ルシファーは立ち上がる。
「謙遜も行き過ぎると傲慢になる。我達は、家族である。自らが成し得た時は誇ればいいのだ。そして、その者を褒める。それが、家族というものであろう?No.10、よくやった」
ルシファーは、No.10に近付いて抱きしめる。No.10は、驚いた顔をしたあと感激のあまりに涙を流してしまう。
それを見ていたNO.3と爺と暗黒騎士との融合体も「フッ」と口角を上げて笑みを溢す。
「これから、我らの家族を亡き者にしたやつらを殺しに行く。その前に、我の秘密を話そうと思うが、聞いてくれるか?」
ルシファーが、最後の決戦になるだろうと思い、その前に家族である三人に全てを打ち明けようとする。
三人は、無駄な言葉を発することなく、生唾を飲み込んだあと「聞かせてください」と言った。
「我は、元々神であった。だが、我はあの善が全てだという教えに嫌気が差していたのだ。そして、長い年月が経ち耐えられなくなった我は一人の神を殺めた。その結果、罪人ならぬ罪神となり追われ、なんとか下界に逃げたというわけである」
ルシファーは、端折った箇所はあるものの、概ねの経緯を三人に話した。
「ゼロ様が、元神!?不敬であることは重々承知していますが、何故このタイミングで話されたのですか?」
ルシファーのことを父のように思っているNO.3は、一緒にいるにつれてどんどん変わっていくなと感じていた。
そして、今回のわざわざ話さなくてもいいような過去を自ら話したことの意味がわからないでいる。
「家族......昔は、このような感情が芽生えたことはなかったが、皆と過ごすうちに大切な存在と気付かされたのだ。その者達に、隠し事など不要である。そして、我の本当の名は、ルシファーだ」
ルシファーは、恥ずかしげもなく今思っている感情を言葉に乗せて伝える。そして、とうとう本当の名前まで打ち明けた。
「家族だと思って貰えて嬉しい限りです。本来なら、私はこの年まで生きられなかった。ルシファー様や家族のみんながいたからこそです。ありがとうございます」
No.3は、ノックスと戦った時から年月が経ち推定16歳になっていた。まだ垢抜けなさはあるものの、もう立派な大人になっている。
「私も、この力のお陰で、疲れを感じることなく研究に勤しむことが出来ました。そして、家族がいたからこそ目標に向かって邁進することができたのです。ありがとうございます」
NO.10も、NO.3と同じようにルシファーや他の者達に感謝していた。
悪に落ちたからと言って絆が生まれないわけはない。こうやって、普通の絆ではないが、芽生えた。
「ワシは、生が尽きる時じゃったな。あの時に、この力がなければ、こんな楽しいやつらと過ごせはおらんかった。それに、暗黒騎士も言っておる。人生で一番楽しいとな。本当に、ありがとうのぅ」
爺と暗黒騎士が融合したが、どうやら暗黒騎士は爺に大半を譲ったようだ。
そして、ルシファーが本音を語ったことで、三人共、思っていたことを素直に話すことができた。
「晴れて我らは家族となり、家族を殺した者を根絶やしに向かうのだ。皆の者、仮面をとれ!もう隠す必要はないのである。我らを世界に知らしめるのだ」
ルシファーが、仮面を外すと、三人も仮面を外す。そして、NO.3を皮切りに「ルシファー様、万歳!ルシファー様、万歳」と玉座の間に響き渡るのだった。
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