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第3章 アレクを狙って
第703話 あのデストロイが......人は環境で変わる!
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ノックスとヴィドインが、話し合っている頃、アレクは二人を連れて防音対策がされている部屋に入った。
「二人共、お疲れ様。嫌な役回りをさせてごめんね」
アレクは、部屋に入るなり、二人に謝り始める。
「チッ、めんどくせぇ役回りやらせやがって。次戦場に行く時は連れてけよ。毎度毎度、お前だけ抜け駆けしやがってよ」
「通信の魔道具で、殺気を出し続けろと命令が来た時は、驚いたわい。確実に、戦闘になると思ったからのぅ」
二人が、事前に警戒していたのは事実だが、どうやらアレクが、通信の魔道具で殺気を出し続けるよう命令したらしい。
「本当に、ごめんね。みんなが、警戒する人物だったから、どんな人か確かめたかったんだよ。勿論、二人の強さがあってこそだからさ。期待に応えてくれてありがとう」
アレクは、二人に頭を下げる。そして、二人を見ると、仕方ないなといった表情をしていた。
「俺は、次の戦場に連れて行ってくれるなら、なんでもいいけどよ。あいつは、血なまぐさい匂いが漂ってやがるし、期待できそうだ」
デストロイは、我慢に我慢を重ねてきたので、もう我慢の限界に達しているようだ。
「次は、必ず連れて行くよ。それに、ある予言で、厄災が起こるって言われたから、デストロイの出番は山程あるはずだよ」
デストロイは、ニヤリと笑って嬉しそうにしている。
アレクからしても、魔物の街を守るためには、デストロイの助けは必須なので、戦闘したいだけという動機だったとしても必要不可欠な存在だ。
「ワシも、この体を試したいのぅ。もう少し慣れるのに時間がかかるが、どこまで戦えるか気になるわい」
基本的な動きの確認から始めて、やっと模擬戦で戦えるようになった。やはり、今までと戦い方も目線も、全てが違うので苦労しているようだ。
「あ、そうだった!なんで、マンテ爺が人化してるの?」
アレクは、ヴィドインとの話し合いですっかり忘れていたマンテ爺の人化について尋ねた。
「ワシのことは、あとでええじゃろう。それよりも、地獄の大王を持たせる方が厄介じゃわい。それで、ワシらは戻ったら謝ればええんじゃろ?」
マンテ爺は、経緯を話すと日が暮れてしまうと思って、話を戻す。そして、今回の話し合いがうまく行くように、自らのプライドを捨ててでも、アレクのために動こうとしている。
「そうだね。あまりの変わりようで気になって仕方なくなっちゃったよ。謝ってくれたら嬉しいけど......嫌じゃない?デストロイとか余計に......」
マンテ爺に言われて、アレクも今ではないと思って、本題に戻す。
今回のことは、アレクの指示で動いた結果なので、余計にアレクは、申し訳なさを感じるとともに、プライドの高いデストロイが、受け入れられるのかと思ってしまう。
「俺が、謝る理由がねぇ......だが、それで俺の部下に被害が出る可能性があるなら謝ってやる。これだけは、言っとくからよ。お前のためじゃねぇからな」
デストロイは、思いがけないような答えを口にする。
アレクは、ツンデレのような感じが可愛くて仕方なくなる。
「ワシは、初めから謝るつもりでおるぞい。謝ったからと、何か減るもんでもないしのぅ」
マンテ爺は、一切気にする様子もなく、アレクのためになるならと平気な顔をして言う。
「二人共、ありがとう。なら戻ろうか」
三人は、部屋を出て応接室に向かうのだった。
◆
アレク達が、応接室に入ると、ヴィドインとノックスと豪牙が対面で座り、先程の殺伐とした雰囲気はなく談笑をしていた。
「そっちの話は終わったのかな?」
「はい!先程は、大変失礼致しました。二人からも謝りたいと言っていますので、謝罪を受け入れてもらえると有り難いです」
ヴィドインは、先程よりも物腰柔らかくアレクへと聞いてくる。
アレクは、いなかった間に、何があったのか少し気になるが、あとでノックスに聞けばいいかと思う。
「この街を守りたいと願うばかりに、少々気が立っておったようじゃ。殺気や襲いかかってしまったこと申し訳なかったのぅ」
「悪い。俺も気が立っちまって止めれなかった。許してくれ」
マンテ爺とデストロイは、ヴィドインに対して、謝罪の言葉とともに頭を下げる。
ノックスと豪牙は、まさかあのデストロイまでが、頭を下げると思わなかったので思わず驚いてしまう。
「君がいない間に、新たな事実も発覚したしな。我としても、敵対は避けたい。二人の謝罪を受け入れよう。そして、こちらも挑発するような物言いをして悪かったな。これで手打ちにしてくれ」
ヴィドインも、同じように頭を下げて謝罪をする。
アレク達の目から見ても、地獄の者が他人に頭を下げるなど前代未聞だとわかるので、色々を飲み込んで謝罪してくれたことがわかる。
「俺のいない間に、何があったかは、存じ上げませんが、水に流して頂けるなら嬉しい限りです。お互いわだかまりもなくなりましたし、本題に入りませんか?」
「そうだな。対等な関係として、取り引きをしたい。早速、本題に入らせてもらおう」
アレクが、ヴィドインに対して握手を求めると、嫌な顔一つせずに、口角を上げて握手に応じてくれたのだった。
「二人共、お疲れ様。嫌な役回りをさせてごめんね」
アレクは、部屋に入るなり、二人に謝り始める。
「チッ、めんどくせぇ役回りやらせやがって。次戦場に行く時は連れてけよ。毎度毎度、お前だけ抜け駆けしやがってよ」
「通信の魔道具で、殺気を出し続けろと命令が来た時は、驚いたわい。確実に、戦闘になると思ったからのぅ」
二人が、事前に警戒していたのは事実だが、どうやらアレクが、通信の魔道具で殺気を出し続けるよう命令したらしい。
「本当に、ごめんね。みんなが、警戒する人物だったから、どんな人か確かめたかったんだよ。勿論、二人の強さがあってこそだからさ。期待に応えてくれてありがとう」
アレクは、二人に頭を下げる。そして、二人を見ると、仕方ないなといった表情をしていた。
「俺は、次の戦場に連れて行ってくれるなら、なんでもいいけどよ。あいつは、血なまぐさい匂いが漂ってやがるし、期待できそうだ」
デストロイは、我慢に我慢を重ねてきたので、もう我慢の限界に達しているようだ。
「次は、必ず連れて行くよ。それに、ある予言で、厄災が起こるって言われたから、デストロイの出番は山程あるはずだよ」
デストロイは、ニヤリと笑って嬉しそうにしている。
アレクからしても、魔物の街を守るためには、デストロイの助けは必須なので、戦闘したいだけという動機だったとしても必要不可欠な存在だ。
「ワシも、この体を試したいのぅ。もう少し慣れるのに時間がかかるが、どこまで戦えるか気になるわい」
基本的な動きの確認から始めて、やっと模擬戦で戦えるようになった。やはり、今までと戦い方も目線も、全てが違うので苦労しているようだ。
「あ、そうだった!なんで、マンテ爺が人化してるの?」
アレクは、ヴィドインとの話し合いですっかり忘れていたマンテ爺の人化について尋ねた。
「ワシのことは、あとでええじゃろう。それよりも、地獄の大王を持たせる方が厄介じゃわい。それで、ワシらは戻ったら謝ればええんじゃろ?」
マンテ爺は、経緯を話すと日が暮れてしまうと思って、話を戻す。そして、今回の話し合いがうまく行くように、自らのプライドを捨ててでも、アレクのために動こうとしている。
「そうだね。あまりの変わりようで気になって仕方なくなっちゃったよ。謝ってくれたら嬉しいけど......嫌じゃない?デストロイとか余計に......」
マンテ爺に言われて、アレクも今ではないと思って、本題に戻す。
今回のことは、アレクの指示で動いた結果なので、余計にアレクは、申し訳なさを感じるとともに、プライドの高いデストロイが、受け入れられるのかと思ってしまう。
「俺が、謝る理由がねぇ......だが、それで俺の部下に被害が出る可能性があるなら謝ってやる。これだけは、言っとくからよ。お前のためじゃねぇからな」
デストロイは、思いがけないような答えを口にする。
アレクは、ツンデレのような感じが可愛くて仕方なくなる。
「ワシは、初めから謝るつもりでおるぞい。謝ったからと、何か減るもんでもないしのぅ」
マンテ爺は、一切気にする様子もなく、アレクのためになるならと平気な顔をして言う。
「二人共、ありがとう。なら戻ろうか」
三人は、部屋を出て応接室に向かうのだった。
◆
アレク達が、応接室に入ると、ヴィドインとノックスと豪牙が対面で座り、先程の殺伐とした雰囲気はなく談笑をしていた。
「そっちの話は終わったのかな?」
「はい!先程は、大変失礼致しました。二人からも謝りたいと言っていますので、謝罪を受け入れてもらえると有り難いです」
ヴィドインは、先程よりも物腰柔らかくアレクへと聞いてくる。
アレクは、いなかった間に、何があったのか少し気になるが、あとでノックスに聞けばいいかと思う。
「この街を守りたいと願うばかりに、少々気が立っておったようじゃ。殺気や襲いかかってしまったこと申し訳なかったのぅ」
「悪い。俺も気が立っちまって止めれなかった。許してくれ」
マンテ爺とデストロイは、ヴィドインに対して、謝罪の言葉とともに頭を下げる。
ノックスと豪牙は、まさかあのデストロイまでが、頭を下げると思わなかったので思わず驚いてしまう。
「君がいない間に、新たな事実も発覚したしな。我としても、敵対は避けたい。二人の謝罪を受け入れよう。そして、こちらも挑発するような物言いをして悪かったな。これで手打ちにしてくれ」
ヴィドインも、同じように頭を下げて謝罪をする。
アレク達の目から見ても、地獄の者が他人に頭を下げるなど前代未聞だとわかるので、色々を飲み込んで謝罪してくれたことがわかる。
「俺のいない間に、何があったかは、存じ上げませんが、水に流して頂けるなら嬉しい限りです。お互いわだかまりもなくなりましたし、本題に入りませんか?」
「そうだな。対等な関係として、取り引きをしたい。早速、本題に入らせてもらおう」
アレクが、ヴィドインに対して握手を求めると、嫌な顔一つせずに、口角を上げて握手に応じてくれたのだった。
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