チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

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第3章 アレクを狙って

第692話 理由!過去!毒魔の王!

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アレクと王の話は、一時中断となり、いよいよアクセルが玉座の間に姿を現す。
アクセルは、兵士二人に囲まれながら、王の前で止められて床に座らされた。

「アクセルよ、久しいな。お前が、この地を去り300年が経った。まさか、このような形で再会するとは思わなかったぞ」

ジアとヤンの他にもう1名、エルフの国を出た者がいると、事前に言われていたが、その人物がアクセルだった。

「フッ、お前は相変わらず腑抜けたツラをしてやがるな。もう一歩で、お前達を操り、俺は世界樹の強大な力を手に入れ、この世界を掌握できると思ったんだがな。このよそ者に邪魔されるとは思わなかった」

アクセルは、世界樹の力を吸収して、世界征服を目論んでいた。

「そこまで、腐っていたとは。だが、我々を操ったところで、お前は世界樹に近付くことさえ出来なかったであろう。それに、同族......まさか、お前は同族をも配下にしようとしたのか!?」

「お前を操れば、世界樹に近付かなくとも手に入る算段だった。それと、強力な部隊が必要だったからな。まず、世界征服の足掛かりとして、お前達を奴隷にしようとしたんだ。同族の俺に、使われるなら光栄だろ?」

第一歩としてエルフの奴隷部隊を作り、その後も種族を問わずに、奴隷部隊を作り続ける予定だったらしい。
そして、アクセルは捕まってしまった今となっては、隠すこともないと感じて、完全に開き直っているようだ。

「最後に、何故お前は、世界を欲した?」

王は、目を暫く瞑ったあと、最後の質問をアクセルに投げかけた。

「何故かだと!俺の方が、魔力も力も人気も何もかもが上だったにも関わらず、お前が王に選ばれ、世界樹にも認められた!こんな事実、納得出来るわけないだろ!」

アクセルが、叫び散らかして、嫉妬と自らの欲のためだけに、引き起こした事件だとわかり、王はため息をついた。

「あ~、そうだった。お前の妻とライザーの妻を殺したのは俺だ。あの時のお前とライザーの悲しむ顔は、滑稽だったな。その後、ライザーの娘も殺してやろうかと思ったが......」

アクセルが、挑発するような妻の死の真相を話していると、途中で我慢できなくなったライザーが槍を持ち、アクセルを刺そうとした。しかし、アレクが槍を掴んで止めた。

「ライザーさん、まだ殺しちゃだめです。落ち着いてください」

「何故止めるのですか?こいつは、私の妻を殺し、娘を殺そうとした張本人なんですよ!」

アレクが、止めたことに納得いかないライザーは、涙ながらに話す。

「気持ちはわかりますが、王様の判決を聞いてからにしましょう。アクセルの術中にハマって、殺すなど思う壺でしかないでしょ」

「そうですね。止めて頂きありがとうございます。王様、勝手な行動をしてしまい、大変申し訳ございませんでした。罰は、後ほど受けさせて頂きます」

アレクの言葉を聞いて、ライザーはすぐさま反転して、跪いて王に謝罪をした。

「アレク様、危ない!」

ナハスの声が響き渡り、後ろを振り向くと、胴体と首が切り離されたアクセルが、転がっていた。

「え!?」

「この者は、縄を解き、アレク様を攻撃しようとしていました。ですので、勝手ながら首を刎ねさせてもらった次第です」

アレクは、首が刎ね飛ばされているアクセルを見て驚く。アクセルは、どうやったかわからないが、縄を解いて手刀でアレクの背中を一突きしようとした。

「ふぅ~、まだまだ俺も駄目だね。ナハス、ありがとう。油断してたよ。ねぇ、アクセル、いつまで死んだふりをしているの?」

アレクは、気が緩んでいた気持ちを締め直す。そして、アクセルの中に流れる魔力が消えていないことがわかり、死んだふりをしているとを見抜く。

「フ、フッハハハ、魔力か。やっとこの者の体を手に入れて浮かれていたわ!そこの女もやるな!もう少しで殺せたのだが。それにしても、世界樹の恩恵を受けれんのは痛いが、まぁいい。順番が、前後しただけだ」

先程のアクセルとは口調がまるで違う別人が、立ち上がって、落ちた首を持ち上げてくっつける。

「まずは、名乗ってくれないかな?それからでも、遅くないでしょ?」

アレクは、謎の男やトリーが放つオーラに近いものを感じて、正体を探ろうと問いかけた。

「失敬失敬。我は、アベル様の配下にして、第8階位寄生のマグルだ。そうだそうだ。まさか、いとも簡単にトリーがやられるとは思わなかった。それより、よくも我の大事な子供達を殺してくれたな」

アレクは、聞いたことのない名前や第8階位という位に、この者が誰なのかさっぱりわからない。

「子供達を殺した?寄生のマグル?まさか、あの毒魔虫の親?それから、トリーとも繋がりがあるようだし、色々吐いてもらわないとだね」

「いかにも、毒魔の王だ。こちらとしても、お前にこの世界に存在しない毒魔虫を殺す薬を持っているのか尋ねなくてならん。では、行くぞ」

アレクは、この一連の流れに出てくるこいつらが何者なのかを聞き出そうとする。それに対して、マグルもアレクを脅威だと感じて排除しようと目論む。
そして、マグルは一気に力を解放するのだった。
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