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第3章 アレクを狙って

第675話 破壊力抜群の新魔法と神力の遺物!

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アレクの魔法で湖が大爆発を起こして、砂埃と暴風が吹き荒れ、エルフ達がいる方までその余波がくる。
しかし、オレールの絶対防壁アブソリュートバリアで被害こそないのだが、エルフ達は目の前で起こっている有り得ない光景に思わず目を瞑ってしまうのだ。

「素晴らしい魔法ですね。それに、必要最低限の威力に調整して放っているのですから恐ろしいですよ」

オレールは、感心しながらもこの年齢で魔法を完璧に近く操るアレクは、改めて特別だと思う。

「流石、アレク様です。あの魔法の本気を魔装甲で耐えろと言われても不可能だと思います。いや、何を考えているのでしょう。この考えはアレク様に怒られてしまいますね」

この時パスクは、ルシファーを確実に葬るのに、最大の魔力とスキルを使って身を犠牲にしながらルシファーを捕縛して、そこに魔法を撃ち込んで貰おうと考えたが、アレクから却下されるだけでなく叱られてしまうなと感じたのだ。

「ライザーよ、余は何を見せられておるのだ?そこの者の話では、まだ本気ではないと言っておるようだが......」

王は、湖を破壊することに同意していたが、これ程までの魔法を目の当たりにするとは思っておらず、言葉が出なくなる。

「あっははは、私も同意見です。昔、王様から魔族と鬼人の戦いの話を聞きましたが、眉唾だと内心思っていました。しかし、これを見せられては信じざるを得ません」

ライザーは、あまりの衝撃に乾いた笑いを浮かべる。そして、ライザーが話しているのは、大昔にあったデュアルと鬼人の王との話のようだ。

「なんだ!信じておらんかったのか。うむ。それもそうであるな。このような魔法を行使できる者すらおらんからな」

守護者として右腕を任せていたライザーからのまさかの告白に驚きを見せると共に、身近にあのような大魔法を超えるような力を使える者がいない以上、仕方ないかと思うのだ。

「そろそろ解いてもよさそうですね。皆さん、絶対防壁アブソリュートバリアを解きますので、集中してください」

あの魔法を食らえば、毒魔虫はひとたまりもないないだろうとは思うが、もしもの時のために、いつまでも呆けているエルフに一言言う。

「そなたの防御魔法に助けられた。ありがとう」

王は、オレールにお礼を言う。
何故なら、オレールの魔法がなければ、爆風を受けて、爆発による破片も飛んできており、死傷者が出た可能性があるからだ。

「いえいえ、ご無事で何よりです。それよりも、そろそろ視界が晴れてきますよ」

砂埃で何も見えなかった視界がクリアになって、湖の全貌が明らかになる。

「フッハハハハ、これは、派手にやりおったな。見事としかいうまいて」

王は、湖だった場所が、跡形もなくなり、大きな穴が出来ているのを見て、逆に清々しい気持ちになったのか、大笑いする。

「やり過ぎたかなと思いましたが、王様からそう言って頂けると助かります。これで、毒魔虫の脅威は去りましたが、何故このようなことが起きたのかは不明のままです」

アレクは、上空からゆっくり降りてくると、
王様にやり過ぎたかもと言いながらも、原因が不明だということを話す。

「アレク殿、まずは感謝の意を込めて礼を言わせてくれ。本当にありがとう。確かに、原因が気になるところではあるが、同胞達が無事であったことが何よりである。感謝する」

王が、頭を下げて感謝すると、ライザーも頭を下げる。
そして、先程まで一切頭を下げず、文句ばかり言っていたエルフ達も頭を下げた。
しかし、それでもまだ頭すら下げず、不貞腐れたような表情を浮かべている者もいるのだ。

「アレク様、神力を帯びた何かが落ちてきます!」

「ん!?神力?うわぁっ」

アレクが、王様達と話していると、上空から黄金に輝く何かが湖に向かって一直線で落ちてきた。
パスクが、最初に気付いてアレクが振り返って見ると、湖に黄金に輝いた何かが落ちて、目を逸らすほどの光が辺り一面に輝くのだった。
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